たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「下着描写は絶対ダメ!」の不自由さがあるから生まれるもの

●パンツは見えないけど全裸はありなんだぜ●

えらそうな題名ですが実にくだらない話をします。すいません。
昨日絶対可憐チルドレンの不思議な状況について触れました。実際友人達の間でも「ああくるとは」という驚きの声があがってました。ですよね、パンツ規制朝アニメだからって逆に「じゃあパンツは書かない、だからはいてなければいいんだな!」といって本当に履かせないんだもの。
絶チル、「ぱんつはいてない」が、「本当にはいてない」へ。
それに対してコメント欄でちょっと面白い話があったので参照。

ドヴァ帝国一等兵「原作者によると、あの時間帯は放送コードで「下着は問答無用でダメ」らしいですね。」

アニメ第四話((有)椎名百貨店)より引用。

あの時間帯は放送コードで「下着は問答無用でダメ」らしいので、「じゃあ下着さえ描かなきゃいいんだな!?」という、監督の表現者としての抵抗でもあったようです。

やはり日曜日朝は子供が見ることも考慮しての線引きとしてか、下着問答無用不許可のようです。
まあこのへんは確かに、どこかで線引きをしないとエスカレートしがちなので、別にいいんじゃないかとは思います。子供にぱんつ見せるななんてことじゃありません、むしろ見ればいい、ただちょっと努力と想像力を働かせてね!

totinohana「考えやすいところでは規制派への「ザルだな」って感じの皮肉とか……、副次的産物としての「ソレがいい」的フェティシズムニヒリズムと言えなくもないですが)とか、或いは伝統的な「処女信仰→貞操帯→ヒロイン」的エロゲ脳とか(ここがよく突っ込まれる)、さしあたってコンナところではないでしょうか?」

自分は「ソレがいい」という説をおしたいんですよね。
チラリズムだからという、いかにも日本的な楽しみ方もあるのですが、それ以上に「ある程度不自由だからこそ生まれる表現」って言うのがあると思うのですよ。
 

●16色MAGと手書きブログ

かつて、MS−DOS時代に一斉を風靡?した画像フォーマットに「MAG」というものがありました。
256色のものもありましたが、基本16色。今考えると恐ろしいほど不便です。
しかしこの16色のやりくりでつくるパズル感覚が非常に面白く*1、数多くの16色イラスト作家がたくさんうまれました。
色というのは面白いもので、やりくりすれば結構たりるものです。とはいえ陰影などつけずらい・・・ならばわかった、ドット絵でグラデーションすればいいではないか。
タブレットがない?ならマウスで描いてからドット修正だ。スキャナがない?ならばサランラップに描いてディスプレイに貼ってなぞればいい。
こうして生まれた16色MAG。有名作家としてはごとP氏などがいらっしゃいます。16色なのにフルカラー並のCGを描いていたんです。
 
自分も頭をひねりながら16色MAGを描いていたのですが、正直これはとても楽しいんです。線の荒さはドット打ちアンチエイリアス(でこぼこをグラデで消す)。緑がない!?なら黄色と青のドットだ。などなど。完全にパズルです。
とはいえこれは非常に面倒くさいし時間もかかるので消えていったわけですが、なぜかここにきて復活の兆しが。
不便さが快感をよぶアナログなデジタル感「手書きブログ」(きなこ餅コミック)
手がきプログトップ
完全なる時代逆行、だけどこれめちゃめちゃ面白そうじゃないですか。ああ、MAGの魂がここに。
どうやら、人間ある程度の制約があると、自由なよりもさらに表現力を高める場合があるようです。
 

●パンツ規制と16色イラスト●

これらの点をまとめてみます。
ようするに、パンツ規制は「16色しかつかえないよ」みたいなものだと思うんです。理由は違うのですが、不便と言う意味では似ています。
もちろんパンツは見えた方がいいし、そうすることで表現の幅も広がるけれど、逆にパンツは絶対ダメと言われることでさらに「どうエロティシズムを描くか」と表現者の魂は燃え上がります。
また見ている側もあからさまにパンツ見えるのはそりゃうれしいけど、見えないならばさらに一層目を丸くして「おお、今回のこのシーンは見えないのを生かして逆にエロいぞ!」とその表現を味わえます。
たとえばこうです。
「パンツが描けないだと!じゃあこのシーンがだいなしじゃないか。」
「ならば太ももをつたう汗を描こうじゃないか。健康的だろう?」
「GJ!表現者さんよくやってくれた、むしろすばらしい!」

まさに表現者と観客のキャッチボール。
これってすごく楽しいじゃーん。不便だけどさ、不便だから楽しいですよ。
そんなわけで、プリキュア5のふとももの肉とひかがみには注目ですよ。まじで。

*1:つかそれしか見れなかった場合もあったし

大黒黒客日記

古紙回収(2ch)
うん、正しい使い方だと思いました。たまごまごです。これ聞いて見たかったなあ。
駅の放送とかで流れないかなーなんて期待してみます。1日幸せになりそう。
 
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タイラント2000(漫画家(仮)のブログ )
アサイさんのパトレイバーシリーズイラストがもう懐かしすぎて毎回楽しみです。しかもよりによってタイラント2000とか。ぴっけるくんのような形態以外だと一番実現しそうな感じがいいですよね。
 
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【みつどもえ】杉崎班が可愛いので描いてみた【三人組】(eternaL 04.28)
みつどもえ」の杉崎チームは本当にバランスがいいなあといつも思います。これ一人でも欠けたらだめですよね。加えて3人いるとムチャクチャな三つ子の誰かが参入しても大丈夫という安心ぶり。安定感あるなー。

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「少女ファイト」に見る、「子供」、「少女」、そして「乙女」への成長 少女ファイト/日本橋ヨヲコ(奇聞専門店 山田屋)
「少女ファイト」のサラ先輩が素敵すぎる。(プリン味サワー)

少女ファイト(4) (KCデラックス イブニング)
少女ファイト4巻本当に面白すぎて死んでしまいそうです。3巻で不可思議な世界になったなあと思ったらそれが今回ものすごく生きてくるんですもの。ヒロイン練はもちろん、全員が大事に大事に描かれているのがたまらない!面白い、面白すぎる。そしてとても熱い。
加えて少女ファイト関連の感想記事も読んで回ってますが、みんな熱い。熱い作品への熱い感想は読むだけで楽しい!
いい作品だなあー。
順位つけてもしかたないくらい全員好きなのですが、志乃、ルミ、学、練が好きです。シーン的にはまったくないけどルミ×志乃派です。
あと4巻で出た葛原の面倒くささがすげー好きなんですがそういうのってマイノリティでしょうか。イヤな子役なんだけどかわいくないっすか!
 
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第七回 属性別選手権 あなたが選ぶアホの子(はつゆきブログ - Little Peach)
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第七回 属性別選手権 あなたが選ぶアホの子(ニコニコ)
ぜひ「自分なりのアホの子」を考えて、投票よろしくおねがいたしますー。

セックスでしか描き得ない関係がある〜エロマンガ家きりりん先生の世界〜

エロマンガの方向性●

エロマンガにも色々な描かれ方があると思います。
「エロはすばらしい、さあおかずにして!」という作品。
「18禁の世界だからこそ自由に表現できるのだ」という作品。
「セックスがあるから描ける人間関係をじっくり描きたい」という作品。
いずれも面白いのです。好みはもちろん人それぞれ。
中でも今回は3番の、セックスなしでは描けない微細な人間関係を描くきりりん先生についてちょっと書きとめたいと思います。
非常に丸っこい、かわいらしい絵柄で人間の心理に切り込むきりりん先生。特に今月の「コミックino.」の短編「マイ・ファニィバレンタイン」があまりにも素晴らしかったのでもう書かずにいられないと言うか!
 

●You make me smile with my heart●

物語は幼馴染の少年少女が出会うところからはじまります。といってもよくある幼馴染とちがって、とある出来事のせいでもう長い間顔をあわせなかったような間柄なあたりがちょっと面白い。だから最初は「黒木」「宮下」とぎこちなさげに苗字で呼ぶんですよ。
少年黒木れんは、恋人にフられて別れ際にチョコをもらい、超傷心。逆に少女宮下あずさは恋人をフってきたところ。なんとも言えない微妙ーな空気でパンパンです。

なんだかどうにもかみ合わない空気の気まずさ。幼馴染ったってそんなに仲良かったわけじゃないし。
ところが話がだんだんおかしくなって、実はお互いが幼い頃好き同士だったことが明らかになってくるわけですよ。ほらあれです、照れがあったせいで「下の名前を呼ばない」「あまり仲良くしない」と意地はっちゃって。
まあよくあることですが、お互いがそれを心の奥でひきずって、別の恋人と付き合っていたのがあずさの涙を噴出させるんです。

きりりん先生が描く女の子は、とにかく泣き顔を入れるタイミングがものすごいんです。泣き顔が入ったらまず物語が大きく揺れ動くと思っていいくらい絶妙です。
 
はて、幼かった頃の心が触れ合って、めでたしめでたし…となりそうなところですが、違います。
きりりん先生はエロマンガというステージで、セックスをめぐるもっと重大な心理を描写していくんです。
 

●But don't change a hair for me●

名曲「マイファニーバレンタイン」では「だけど私の為に髪の毛一本も変えないでね、だめよ、もし私を思ってくれるなら」なんて歌詞がありますが、実際そんなことはありえません。
特に、お互い好き同士でも、別の彼氏彼女と付き合った経験があったら「まったく変わらない」なんてことはありえないじゃないですか。
 
きりりん先生は、セックスが快楽を求めるだけではなく心をも求め合うものだとして描きます。だからこそ、繊細な心が簡単に傷つくのです。
幼馴染で、ずっと大好きで、お互いなんとなく離れていたけどかけがえのない大事なあずさ。大好きなあずさ。
でも子供の自分が相手を傷つけて、彼女も別の人と付き合って。だから、彼女はもうすでに処女ではなくて。

ここで「それでも大好きだ、愛しているよ」なんて言えればいいのですが、言えないじゃないですかまだまだ若いんだもの。むしろ自分が犯したミスと、幼馴染が自分が知らないところで自分の知らない姿をさらしていたというショック。
だから男の子も泣くんです。裸の小さな彼女を抱きしめながら、悲しそうに、切なそうに、胸を締め付けられるように。
 
お互いの心と体をさらけだし触れ合う時、快楽だけではすまない繊細な部分が触れ合うことになります。マンガ「最終兵器彼女」で「一番敏感で弱いトコロ使うんだ。 そこを使わねーと気持ちよくなんねーんだ。 男と女がつきあうってそうゆうことだろ!」というセリフがありましたが、それは体も心もそうです。
少年がここで「なんで…オレが おまえの初めてやないねん……っ」と泣くシーンがあるのですが、「過去なんて気にしない」という理性は持っていつつも、そう思ってしまうことだってあるでしょう。今はかっこつけられないんです、一番敏感な部分さらしあっているんだから。

少女がここで都合よく「ごめんね」とか「いいんだよ」とか言いません。彼女だってものすごく傷つき、敏感な部分をすべてさらけ出しています。
彼女も思いきり抱きしめながら、下の名前で呼びながら、ただひたすらに泣くんです。ぼろぼろと、ぼろぼろと。
「なんで…他のことなんて考えなかんの… あたし…いまれんちゃんとセックスしてんの、心臓止まりそうなくらい嬉しいのに…」
お互い傷ついた。今からどうなるか分からない、でも今こんなに大事にして抱き合っているじゃない、さらけだしているんじゃない。他のことなんて考えないでよ。そんな悲しくなること言わないでよ。
 

●Each day is Valentine's day●

何回か引き合いに出したこの絵本の理念をちょっとまた出して見ます。
しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ)
しろいうさぎとくろいうさぎ」。
この中で、しろいうさぎはいつもくろいうさぎと一緒に遊んでいるのですが、くろいうさぎは時々悲しそうな顔をするんですよ。しろいうさぎのことが大好きなはずなのに、一緒にいて泣きそうになるんです。
くろいうさぎは、今幸せだけどそれを失うのが怖いんですよ。だから「ずっと続けばいいのに」と杞憂に暮れるんです。
でもね、今一緒にいることって非常に幸せなことだし、もっともっと願えばいいんですよね。「一緒にいたいよ!」がネガティブじゃなくてポジティブになればいい。
 
きりりん先生の作品群にも同じような血が流れています。それがセックスというもっともお互いの敏感で繊細な部分で触れ合う瞬間に、泣いたり語り合ったりするんです。
今こんなに幸せだけど、過去を振り返るのが怖い。今こんなに幸せだけど、未来を考えるのが怖い。
「マイ・ファニィバレンタイン」が最後どうなるかは実際読んでください。クライマックスでこのしめかたはずるいよ!ありがとう!
 

●Your looks are laughable, unphotographable●

セックス中に嬌声だけではなく、心の内を語り合うシーンが本当に多いきりりん先生。
それは最近発売された「いもーと*もーど」でも存分に発揮されています。
この単行本は兄妹もの中心のかわいらしい作品集が、かわいらしいとだけ思ってみると肝を抜かれます。
中でも強烈なのが「私が●だったころ」
兄妹ものってかなり多いと思いますが、それを真剣に考えると前途多難な問題は山積みです。そのへんはスルーして楽しむのもファンタジーですが、きりりん先生は挑むんですよそこに。
この兄は妹と恋仲になって、たくさんの人を裏切って、親元を離れ二人で暮らすんです。そのとき、妹という間柄を捨てて、彼女のことを「僕の妻です」と呼びます。
そうして抱き合っていれば幸せな蜜月が訪れると信じていました。実際抱き合っている瞬間は幸せなはずでした。

だけれども、二人とも切なさに心をずたずたにされて泣くんです。ボロボロと泣くんです。
こんなに触れ合ってるのに心が、一番大切な何かですれ違って泣くんです。
 
そのほかの作品でも、女の子たちは時に悲しみの涙を流し、時に喜びの涙を流します。

すべて、性での触れ合いの中で心が交じり合ったりすれ違ったりするから。いや、触れ合ったりすれ違ったりするからこそ、抱き合う、と言った方がいいでしょうか。
もちろんハッピーエンドもありますし、エッチもラブラブなものが多いんですが、本当に心をひらいている瞬間に生まれるドラマをセックスの中に見出し、描く手法があまりにもすばらしい。「女の子が感情をあらわにするときのかわいらしさ」がにじみ出ているのです。
 
18禁ジャンルだからこそ描ける人間関係の深い深いところに切り込んでいくきりりん先生。
男の子たちの罪悪感、コンプレックス。女の子たちの傷心、おさえられない好きの気持ち。それを描くためにエロシーンが欠かせないんです。
傷つき、喜び、涙を流し。それでももっと抱き合いたいと願うのは、「しろいうさぎとくろいうさぎ」のようにそれを願って願って、もっと幸せになろうとしているからなのかもしれません。
 


これで新人さんなのか…すごいなあ。ロリエロ度も高いですが、今回のこの二作品を見ていると極上のエロ成分必須ストーリーテラーになっていく気がします。
 
〜関連リンク〜
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きりりん先生のHP。
『いもーと*もーど』(Teiresias)
トランスセクシャル物としての考察です。
いもーと*もーど (きりりん)(まんがさんぽ)
きりりん『いもーと*もーど』(ヘドバンしながらエロ漫画!)

拍手レス

今日のラノベ

ラノベはいいね。ラノベは心を潤してくれる。日本人の生み出した文化の極みだよ。
冗談はさておき、たまごさんにはラノベで印象的だったヒロインはいますか?
自分の場合、ブギーポップ霧間凪の印象が鮮烈でした。
いや、彼女の場合、むしろヒーローになってしまうのかも?

いかんせんラノベの読書量が少ないのですが、えーとマリみては入りますか?あれれ?
それはともかくちょっと古い作品まで戻ってしまって、ディートリッドは強烈でした。ファンタジーのエルフをあそこまで美しく凛々しく描いたことがいいですよね。
あと好き嫌いというか強烈だったのは「みーくんまーちゃん」のまーちゃんです。1巻の衝撃がすごくてもう。
あ、微妙に違うかもですがキノの旅のキノ・・・じゃなくてエルメスが好きです。
 

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