たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

テスト

「ええ」
「次、十四番」

朧月ニュートンの日と思いけり

「元木さん、どうでしょうか」
「ただ、ここにたくさんある俳句をながめていて、『ニュートン』という言葉が唐突で目を引いたので」
「そうですか、やっちゃんは」
「やはり『ニュートンの日』ですね。とても印象的」
「これは、花あれば西行の日とおもふべしという有名な句のあからさまなパロディです。作者はどなたですか」
「はい、志々目」
「志々目、絶好調じゃない」
「うん、また女性ふたりにとっていただき感無量です。でもこれはラッキーヒットという気がする」
「完全にボテボテの当たりそこないだよ」
「そこまで言うか」
「じゃ、次、十六番」

朧月いろんなものと帰る道

「はい、志々目」
「うん、なんとも解釈のしようがない。その辺が気になって採ってしまった」
「やっちゃんは」
「いろんなものと帰って来るなんて、にぎやかでいいなと思って」
「僕はむしろ。僕たちの生まれ故郷のような田舎だと、月夜にはぽっかりとひとつ地面に影が出来るわけだけど、これから行ってみれば判るように街灯なんてないから。でも都会だと朧月が出ていても、他にいろんな光源があるから、地面に自分の影がいくつも出来てしまう情景を詠んだ俳句かもしれないとも思ったんだけど。でも、そうじゃなさそうだね。いずれ、いろんなものという言い方は非常に俳句的ではないとは思う。俳句になりにくいというか」