たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ウェイン・キャットについてしらべてみた。

今週のジャンプの「銀魂」はあらゆる方面にケンカを売っていて、もっとやれと思いました。たまごまごです。巻頭でケツから血を吹くマンガはじめてみた。ツンデレェェ!?

以前の日記でも書きましたがウェイン・キャットの話題ですね。
もともと興味のあった絵なので、すこし調べてみます。

ルイス・ウェイン
Louis Wain, 1860年8月5日 - 1939年7月4日。時代的には「不思議の国のアリス」を描いた「ジョン・テニエル」と同じ時代だというとわかりやすいかもしれません。
ネコ画家として知られる彼は、人間社会をありのままネコに投影して、人間くささを残したままネコたちを描きました。
ウェインの描いたネコの絵ギャラリー。
ディアボロをするネコとかめんこいですね。ロゼッタみたいだ!(?
人間の流行や喜怒哀楽をうまくネコにうつしとっているなー、と思います。全体的に楽しそうですね^^
「レストランなどにスケッチ・ブックを持ち込み、その場にいる人々を猫に置き換えて、できるだけ人間臭さを残したまま描く。こうすることで対象の二面性を得ることができ、ユーモラスな最高の作品になるんだ」
人間とネコを愛する彼は、動物愛護運動を行っていたようです。「口のきけない我が友連盟評議会 」「猫保護協会」「反生体解剖協会」。口のきけない〜はずいぶんといかしたネーミングですね。
 
しかし彼の絵には少しずつかげりがでてきます。
wikiにも載っているこの絵
かわいらしいネコですねー、と普通は見ますが、どうも圧迫感があります。理由は背景の幾何学模様と原色的な色使い。中心にネコをすえて、まわりからじわじわと閉じ込められるかのような構図がこの頃からふえていきます。
この絵もちょっと見ていて「ん?」と感じさせるものがあります。
一見無邪気なネコですが、今まで彼が描いてきている明るく遊ぶネコと違い、こちらを凝視しています。抽象的でギンとした目つき。
 
この後の彼の絵の変化
同じく彼の絵の変化の様子
もいっちょ
もともと動物や家族を愛していたウェイン。しかし「映画のスクリーンのちらつきが脳から電気を奪ってしまう」といいはじめます。幻覚にさいなまれていたようですね。暴力までふるうようになったため病院に入院します。さきほどのサイトには「死ぬまでなおらなかった」とありますが、実際には、そこにいた数匹のネコと向かい合いネコの絵を描くことで、少しずつ精神の平静をとりもどしたようです。
 
この絵の特徴をおさえてみます。
①色使いが原色
②スキマなくびっちりとうめつくしている
③不必要に細かい
④こちらを凝視している
⑤なんだかわからない笑みを浮かべている

これらの現象がちょうど統合失調症患者の症状に似ているため、注目を集めました。
薬の宣伝にもつかわれていたようです。
 
では統合失調症とはなにか?しらべてみました。
統合失調症FAQ
どのような症状が出るかくわしく描かれています。ウェインの場合は「陽性」ですね。
『幻覚や妄想,知覚の歪み,独語・空笑,思考の中身が周囲に漏れているような感じ,外から身体や思考を操られるような体験(作為体験),思考や動作のまとまりのなさ,異常な興奮や緊張,などです。』
誰かに見られている!という感覚が、ウェインのネコの視線に表現されてきます。いままでそっぽむいていたネコがこっちを凝視しているのはそのせいです。また、空間や無音に対して異常に不安感をもつため、キャンバスをいっぺんのスキマもなく描きつるようになります。謎の微笑みは本人の空笑のあらわれなのでしょうか。
関連・総合失調症ネットワーク 音楽切なすぎ。ジブリ
   総合失調症の街
 
しかしながら、彼の症状とウェイン・キャットシリーズの変化は必ずしも時期が一致しません。確かにさきほどの絵のように「かぶる」こともありますが、必ずこうなる、というわけではない、というのが最近の見方のようです。
例としてルイ・ステーの絵をあげてみます。
彼も総合失調症でした。27の絵など見ると、少しその片鱗はみえますね。後半の絵は「指に絵の具をつけて描く」という手法で描かれています。なんだかむしろあたたかみのある絵に見えますが、問題はそれが長期間だったということです。
必ずしも総合失調症になるとウェインのように狂った絵柄になる、というわけではありません。念のため。
 
ウェイン・キャット(XAI)
彼の絵を「病人が描いたグロテスクな絵」としてだけ見るのはもったいない。その中に描かれた彼の苦悩や救いの光を少しでもかいまみれたらなあ、と思うのでした。
 
他にこのスレに出てる人をちょっとだけ紹介
マッジ・ギルこちらは心霊系みたいです。
マッジ・ギル作品
 
ヘンリー・ダーガー
なすがままヘンリー・ダーガー
彼の作品「ヴィヴィアン・ガールズ」は自分も大好きで、画集も買いました。また別の日記で調べて書きたいところです。確かに彼も精神的に大きなトラウマをかかえた人で、膨大な絵と小説をかいたにもかかわらず、誰にも見せようとしませんでした。彼の作品にでてくる「ヴィヴィアン・ガールズ」は少女に男性器のはえたもの。それが彼が純粋に愛してやまなかった閉じられた世界であり、憧れでもあると思います。それでいて現実と切り離された空間であることもきちんと理解されています。商売ではない本当に純粋な気持ちだけで描かれた世界です。ああっ、書き始めるときりがないっっ!とりあえず「病気」とか「キモイ」の一言で片付けないでほしい人です。
 
エドモンド・モンシェル
モンシェル作品
この人は初耳だなー。病気っていうよりも戦争への恐怖って気がします。
 
アウトサイダーアート
必ずしも嫌悪感を抱かせる絵を描く画家の絵を、精神分析するのはいいこととは思えません。もちろんそういう楽しみ方もあります。ただ、ウェインのネコやダーガーの少女が、作者がどのような思いで描いたのか、その純粋にあこがれ、手をのばしていたものを感じたいなー、と思うのです。
 

長ければ長いほど文章が怪しい方言になるので、HTMLまるまるはりつけてみるのがオススメ。まあ、怪しいんですけどねw
 

ふと、「アメリ」を思い出しました。
 

女の子強すぎ。なかなかシュールなテクノミュージックビデオです。「Squarepusher - Come On My Selector」だそうです。ストーリーもあるので、テクノに興味なくても面白いデス