たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

フィギュアの中国生産ラインについてしらべてみた。

いやー、これはようできてるわー。顔の造形はもちろん、服のしわの出来がハンパない。淡い濃淡が付けられていて、この淡さ具合が、光に当てるとよく映えるんだナ。足の筋肉質な表現もめずらしい。ひざの裏とかよく作りこまれてるワー。とりあえずリンク先にある写真の見た目どおりの出来です。スバラシイ。
ところでこのフィギュア、実は後ろ手にもってる銃がはずせるんですが、ちょうどその手の開き加減が色々なもの持たせるのにぴったりで、めちゃめちゃ遊べます。

エヴァンゲリオン」のアスカのもってたポンピング式の銃と、「キングゲイナー」のゲインさんの持ってたライフル。ちょっと縮尺は違うけどぴったりこん。

シャア専用ザクの280mmバズーカ。ジョゼ山の教育がいいのでこんなものまで使えるようになりました。

バトントワリング習いました。シャア専用ザクのシュツルムファウストx2。

マジで殴られる5秒前。こんなものももてます。

テスタメントっぽく。ガンダムデスサイズヘルカスタムのカマ。

師匠ー!マスターガンダムはいじりやすいなあw手に持ってるのは東方不敗師匠のアレ。
まあそんなこんなで子供っぽく遊べます。100分の1スケールガンダムの武器いっぱい持ってる人にオススメ。
 
はて、フィギュアの箱見てみると、案の定「MADE IN CHINA」の文字。最近のは中国産でもよくできてるなあ?と思ったのですが、考えてみたらこれって偏見かも?今はほとんどの食玩、フィギュアは中国生産ラインに頼っているので、低価格が実現したと聞きますし。ちょっと気になるのでしらべてみました。
 
食玩といえば、まず筆頭にあがる「海洋堂」。こちらの会社が、中国生産ライン確保した第一人者でもあるようです。
海洋堂専務宮脇修一さんの話
海洋堂が原型を作ったフィギュアは、中国・深セン(しんせん)の工場で大量生産されている。90年代に、一部でブームになった米国製のフィギュアに対抗すべく、海外生産に踏み切った。アニメの人気キャラクターなどを手がけていた。」
持っている人が多いであろう、「チョコエッグ」→「チョコQ」の動物フィギュア。自分も集めてました。チョコを食べ切れなくて、捨てていた自分はビックリマン世代を笑えませんハイ。チョコエッグ経験者ではなくても、セブンイレブンのドリンクについてるフィギュアや、北陸製菓から出ている食玩海洋堂ですね。気づかずに買う人も多いのでは。
いずれにしても、0円(ドリンクの完全なオマケ)〜500円と安いのに、色の塗りわけからかげ付けまでされているのは、やっぱり中国経由というトリックがあるわけです。もっとも、原型は日本製のようです。
 
ピンキーストリートへいこう!」(FOX PUBLISHING)より。
「ピンキーストリート」というのは頭、上半身、下半身、小物とすべてばらばらにしたり組み立てたりできる、ポップな着せ替え人形型フィギュア。万人向けのフォルムで改造もしやすいため、大人気ですね。
中国の工場写真が掲載されています。ちょこっと抜粋。

成型→切り取り→彩色とすべて流れ作業のようです。いやはや、金型の射出成形以外、手作業ってのはぞっとしますわ^^;右の写真見ると、エアブラシのでかいやつを使って油性塗料を吹き付けています。一応左の写真見ると、ごつい換気口がついているので、「換気に気を使っており、シンナー臭さもそれほど気にならない」そうです。が、なんだか、もーーーーれつに体に悪そうな気がします。一日中やるんですヨ、これ。

「ピンキーを作っているのは18歳くらいの女の子が中心」。確かに。これは組み立ての行程で、一人1行程という流れのようです。首はめ係りだとしたら、首だけはめるわけです。
ケースにいれるのも手作業。なんだか、果物みたいですね。
自分の持っているガチャガチャや食玩も、こうやって何十人もの人が手塗りしているんだなあと思うと、すごいと思うと同時にちょっともうしわけない気分になってきます。ダブったら捨てちゃうしなあ^^;
 
メカ娘の中国生産の様子
メカ娘ってのはこんなの。箱入りトレーディングフィギュアです。
タンポ印刷(フィギュアに印刷されてる、柄物のシールみたいの)は、さすがに機械です。にしても、日の丸印刷ってのは、ビミョーな気分だなー。パーティングライン(プラモとかの、くっつけたときに入る縦線)消しまで、人力ってのはびっくり。写真に写っているバッグの数を見ると、作業の壮絶さがわかります。
 
グッドスマイルカンパニー フィギュアのできるまで(アキバblog)
日本で行われる行程が写真入りで描かれています。逆算して、どっからが中国ラインかがわかります。中国の生産者の手が入るのは、試験製造のところからですね。逆にいえば、試験用の見本が出来たら、あとは全部中国生産になるようです。元のを一つ作ったら、コピーを向こうで大量生産、という感じでしょうか。
となると、原型のレベルはもちろんですが、中国の複製レベルが問題になるわけです。
 
中国工場で形が変わってしまう事がある。
原型師さんのインタビューより。もちろん中国の工場ごとでのレベルに差はあるようです。しかし、いい工場を選んで監修に行っても、気づいたらレベルが急激ダウンしてしまうマジック。流れ作業なので、どっか一つ狂うと、ばたばたっ!とおかしな方向に向かうんでしょうね。反対に、初回ロッド(初めての生産分)は工場の方の塗りがこなれていないので、別の生産分の方がきれいになる、という話も、手工業ならでは。
経費の削減も、中国工場と日本の会社のすれ違うところ。
ここで書かれている「ポリストーン」と「レジン」というのは、模型の素材のことです。ポリストーンというのは石油素材のポリと石粉も混ぜたもので、レジンより安く、レジンより品質が悪い。原型師にしてみればレジンが好ましいのは当然なんですが、中国の工場はレジンなんてとんでもない!というわけです。しかし、いくら大量消費なシステムになっているとはいえ、落としただけでパッキリ!なんて、困りますネ^^;
 
世界に大人気の日本フィギュアにたいして
地球の裏まで売れている日本製フィギュア事情も面白いのですが、注目すべきは中国事情。
登録国 / 地域 中国 広東省
内容  中国製駆動玩具類, 人形
> 中国製駆動玩具類, 人形等を買います。
動く玩具類、人形類を探しています。

中国の国の中でつくっているのに、中国で買いますってか!いやはや、中国で大量生産されているという事実が浸透してないのか、あるいは何作ってるかわからないまま出荷してるのか。香港の店も日本のアニメショップ並みに日本製フィギュアがどばどば置かれているんですが、中国から直輸入せず、あくまでも日本経由で輸入しているようですね。

同人でもいまや中国生産。
貿易掲示板の、フィギュア工場の投稿
海洋堂コトブキヤなどのように、大量生産するところはまだ人件費や材料費のコスト削減が容易です。しかし、企画物フィギュアや小規模販売などになると、数が少ないため金型を作ったり塗料を用意したりするのは容易ではありません。ましてや、大量生産でも小規模生産でも、流れ作業であれば色を塗る人数にはかわりがないのが問題。中国の会社と日本の企業の小さなバランスは、こんなところでも現れているようです。
 
こうして、さっき遊んでたフィギュアを見て、どっかの中国の奥地で、おばちゃんたちに手塗りされてるんだろうなー、と遥か異国の地に思いをはせるのでしタ。
 
オマケ
食玩というパンドラの箱
クリアー(透明な素材で色塗ってないやつ)出たときって、腹たつよね・・・orz
確かに、最近の200円から500円のフィギュアって、ありえないくらいよく出来てるんですが、なぜ低価格なのか、流通の仕組みがわかります。
ヲタが増えるとチーズが無くなる?
いやいや、笑ったらダメなとこです。ポイ捨てしたり押入れにしまったままの食玩やフィギュアが、実は中国経済の一端を担っているという話。にしても、外から見えるヲタ向けフィギュアと、ギャンブルな食玩、中国的にはどっちがお得なんでしょう?