たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

チーズみたいに固まり始めたオタク文化とマンガ。

といってもピザとかじゃないですよ。

  • オタクの青春は、まぶしく輝いている。マンガの中で。

オタクを題材にしたマンガ(まこなこ)
こういう風に広がってきた、オタク青春マンガにスポットが当たり始めたのはうれしいですねー。非常に好きなジャンルなので食いついちゃいます。
んで、やっぱりはずせないなとおもうのを絞ると、「ヨイコノミライ」「N・H・Kにようこそ!」「共鳴せよ!私立轟高校図書委員会」「ドージンワーク」。絞れてない。
 
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きづきあきら「ヨイコノミライ」「モンスール」
改めて過去ログ読んで、ほんとオタク青春系マンガ好きなんだなあと再認識。
 
昨日も書きましたが、オタクという言葉がここ数年である点においていい意味を持ち始めてきたのではないかなと思います。もちろん自嘲の意味があったり、卑下の意味があったりもしますが、「オレオタクだぜヒャッハー」みたいな自己表現はあまりしたくない、ってのはあったんじゃないかなあなんて思います。もちろん「好きなものは好きといえる」と言う意味では旧世代型オタクのほうが戦士の魂を持っていたと思いますが。だって、オタクと言われてすぐ「ロリコンでしょう」みたいな人もいたことはいたしね、一部。それを戦い抜いてきたんだもんね。
だけど、今のオタクは割りと住みやすい時代じゃないですか。ネットがあるから趣味をこうやって書けるし、同好の士は探しやすいし。
そんなわけで、非常に「ライト」で「ポジティブ」なオタク系青春を描くマンガ、増えたと感じるのです。昔もあったのかも、と思い巡らせてポンと浮かぶのは、やっぱり「究極超人あ〜る」。あの場所にいたいです、ほんとに。

スポ根マンガでもそうですが、最初から最後まで美しい友情で、なーんてマンガはあまりないです。いや、時々はありますが、やっぱりいやらしい敵役が出てきますよね。
ではオタク系青春マンガだとどうかというと、その敵役は実は自分自身の場合が多いのではないかと思ったりします。自嘲とひきこもりの塊みたいな「N・H・K」なんかはモロにそうですね。そろそろコミックハイ連載の「みーたん」も単行本になるそうですが、こちらもあえて嫌がらせのようにオタクの中の汚い部分をさらしているので、結構面白いです。あくまでも「ネタはネタだとわかる人」向け。オタクのい描き方としてはリアルすぎて。そのへんが、「自分を笑えるオタクかどうか」の試金石なのかもしれません。まあ変に試されなくてもいいんだけどね、自分オタクだから。
ヨイコノミライ」までいくと、痛い自分を笑いつつじっくり考えられる人という「レベルアップ」がないと、かなりきついとい思います。スポ根マンガやお仕事マンガだって、生々しい人間関係やどろどろしたものばっかりは見たくないですけど、実際にはあるわけで。それを耐えれるかというと、オタクにはちときつい場合もあります。でも、痛いのが面白いんだよなあ。困っちゃうよ自分はMっけ強くて。
しかし、そんなマゾヒスティック的快楽を痛楽しいと感じる人ばかりではありません。「N・H・K」や「ヨイコノミライ」を「生々しくてとても読めない」と言う人も多いです。それでも「げんしけん」や「妄想少女オタク系」の世界には自分もいたいなと感じる人(特に男性)は多いのではないかと思います。「げんしけん」は咲ちゃん、大野さん、荻ちんがかわいすぎるというファンタジー部分はあるものの、ぐだぐだ感はぬぐえずあえて残されています。そして、それがいい。もしあのマンガがちゃんとマン研で、みんなで汗水流してマンガを描いていたとしたら、それはそれで売れたかもですがここまで話題にならないかもしれません。あのぬるま湯なのになんか幸せっぽいのが、ちょっとだけユートピアなんですよね。似たようなぐだぐだ生活送った経験ある人は多いでしょう。ただし「女性がいない」という点がプラスされる可能性は否定できない。

いずれにしても「自分はオタクだなあ」と感じる人がいない限り、このジャンルが膨らむわけないですよネ。オタク経験まったくない人から見たらどう見えるのか、ちょっと気にはなります(咲ちゃんのように、オタクじゃない人視点もあるから面白くなくはないと思うんですけどネ)。
おそらく現時点でもかなりの数の「オタク系青春」マンガは増えていると思います。4コマのジャンルや電撃系は着実に侵食してるんじゃないカナ?それだけ需要があるというのが面白いところ。ライトノベルも入れるとすっかりジャンルとして確立している気がします。それこそ「スポ根」「ラブロマンス」「オタク系青春」って並ぶんじゃないかと思うほどだよ。思わないですかそうですか。
ジャンルなのが大切かどうかというのは、また別の話。これらがメジャーかというと、メジャーではないとも思います。
自分は先に書いたようにものすごくこのジャンル好きです。好きなのはマンガ好きだからなのもあるけど、やはり隠れオタク時代が長かったことと、オタク生活が楽しかった経験があるから。自虐的だったり批判的だったりするマンガや小説や作品もひっくるめて、「やっぱ自分オタだからなあ」というのが、ちょっと楽しいんだよね。
牛乳のように液体化していたサブカルチャーが、チーズみたいにだんだん固形化していっている時代なんだな、とこれらのマンガを見て思いました。その液体だった混沌さがオタクにとって大事なんだよ、と言う人もいれば、固形化してジャンルとしての地盤が固まり始めたという人もいると思います。自分はどっちもだと思います。どっちも面白い。
ただ、チーズになって熟成期にはいるか、単にカビちゃうかはまた別問題。ぬるま湯は楽しいんだけど、そこに寝そべって腐るよりは、常に新しくて面白い世界を開拓していくパワーはほしいなあ、なんて思います。
そういうオタクの生活を描いた面白いマンガ達は、自分のチーズ状態になった脳を写す鏡なのかな、と思いました。
 
ところで、女の子向けのオタク青春マンガって、なんかあるべか?
 
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