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お金で買えるの?その価値は。「プリキュア5第14話」


ブンビーさんの乗ってきたタクシー代、650円。
飛んでこいよ!っていう突っ込みもあるのですが。
しかし領収書切っているのが泣ける。ついでに…そんなに敵のビルと学校近いの?
  
そんな回でした。
今回のテーマは「お金」。毎回微妙に子供っぽく、微妙にやけに大人の心臓を刺すようなネタが多いのですが、今回の小ネタの数々が本当に世知辛いネタが多く、全自分が泣きました。
お金は大事だよ。うんうん。
 

●部費がない!●


いきなりオープニングから「部費の悩み」ではじまりました。子供にもわかりやすい演出がされています(つぎはぎとか)が、正直このへんのはすでに体験している中高生以上の方が共感しやすいですよね。んー、中学生だとあまり自分達で部費の計算ってしないから、やっぱり高校生かな?
部費って、正直「いくらあっても足りない」ものの象徴みたいなもんですよね。生徒会もそうかな。
ある中で、とわかっていても本当に365日常に「足りない!足りない!」とわめきたくなるのが部費じゃあないですか。だって、1円でも多ければその分ほしいものは出てくるんですもの。部活動自体が好きなものだからなおさらですよねえ。胃をいためたマネージャーさんも多いのでは。
となると攻めたくなるのは、生徒会。
いやまあね。生徒会がどうこうして増えるものではないんですよね、実際のところ(地域差あり)。


「女の子の生徒会長」って非常に難儀な位置にいると思います。女の子同士の軋轢もありますし、部活に限らずあらゆる不満が一点に集中しやすいし、陰口たたかれやすいし。マリみて薔薇さまみたいにはいかんのです。

これは一話のシーンより。
かれんはそれでも、かなり慕われているので見ていてほっとします。下級生の憧れの的ではあるんですよね。しかし、どんなに完璧にこなしていても今回のように、攻め立てられることがある、と言うのはなんともリアルな話です。
中学生だしね。自分のところのお金のやりくりで精一杯なのは、…経験ありますよね。
 

●お金で買えない価値がある。●

とは言うけどさ。大事ですよお金。うん。

実際、大人側も「本当に必要なら出す」ときちんと言っているんですよね。決して「なんとかしなさい」ではないんですよ。お金は必要なんですよ。
しかし、中学生くらいだと「足りないから出して」と言ってしまうのもまた事実。身に覚えありまくり。節約という言葉を知らないときもありました。あるいは「節約してるのに足りないから出して!」とか。
問題は、「お金を払うだけの価値があるのか」「創意工夫を一旦でもしているのか」
この時点でかなり「大人から見た中学生の思考」をきちんととらえています。「どれみ」の時に関先生視点で小学生の成長を見ていたその視点のようで、なんかちょっとうれしくなっちゃいます。
 
とはいえ、それは大人視点で分かってはいても、中学生の中では大問題。そうそう簡単に解決できるものではありません。
今までのかれんさんなら、一蹴してたんですよね。一蹴できるくらいの精神力だから両親がいない環境でたくましく育ち、生徒会を切り盛りできるわけではあるのですが、今回はさすがにこたえたようです。

のぞみ(ピンク)は常に相手のことを思いやり、うまくは行かないけれど愚直に進むそんな子です。一方元々のかれんは、クールで現実主義者でした。すっごいかみ合わない、とは思うんですよ。今も完璧にかみあう、とはならないでしょう。
でも間違いなくそんな愚直な彼女にかれんは影響を受けているようです。正確にいえば、ほかの4人全員に影響されて、でしょうね。
人のために協力して、なんとかしてあげたい。そんな気持ちが芽生えた彼女の心プライスレス。
 

●誰かのために動くのも。●


そして、プリ5内での屈指の名シーン誕生。
こまち(緑)は「三歩後ろをついて歩く」キャラではなく、常に彼女の横を歩くキャラでした。そして今回は、彼女に手を差し出すキャラになったのです。
 
実はこのシーン、ものすごく大きなポイントだと思うんですよ。
・「夢」という物から遠い位置にあったかれんが、淡々と処理するだけの思考から変化している。
・自分ではない人のために、真剣に悩んでいる。
・そしてそのかれんのために、こまちが手を差し伸べている。

以前、「ココのために、といってのぞみは自分の夢を他人の夢で補っている」と書きました。うん、それはそうだろうなあと思います。しかしここで、「人のために何かする」というのも肯定したんですよね、かれんとこまちが。
もちろん、それが究極的に「自分のやりたいこと」「夢」ではありませんが、その過程を経る上での1エッセンスなんだよ!と作品の中で肯定していったんだろうな、と思うのです。
 
一連のプリキュアの中で「手を握る」のはものすごく大きな位置をしめています。
関連・その手をしっかりと握り締めて。〜プリキュアSSの手の握り方〜
ほかにも第二話で、幼いりん(赤)の手をのぞみが握り締めるシーンがあります。それは「絆」ということもありますが「共に歩こう」ということなんでしょうね。

こんな顔をお互いにできる二人。彼女達はしっかりと手を握って歩き出したんです。今までも共に歩いていたけれど、さらにその決意を固めるかのようなこのシーン。
不特定多数の誰かのために動く決意をする二人は、ひっくり返せば「こまちのため」「かれんのため」にも動いているんですよネ。
 

同じことが、この二人ほど密接ではないけれど、いがみあっていたりんとかれんの間にも生じます。見てくださいよこの笑顔!正直ハート持ってかれました。かれんかわいいよ。
おそらく、今までのプリ5で一番のかれんの笑顔です。今回の事件をきっかけに、4人の存在が本当の意味でかれんの殻を破ったのかもしれません。
それこそが、お金で買えない価値。
 

●大人社会のお金の価値って。●

この価値を知ることが出来るのは、若い特権ですが、大人社会ではお金がらみになるとそう簡単にはーいかない。

「こんなにもたくさんの経費をお使いになるとは!」
「予算はあっても、無駄なものには使いたくないものですねえ?」
あ、あいたたた…。
今まで見てきた限り、そんなに無駄な経費は彼らは使ってはいないんですよね。しかし、上司が来たときのお茶代とかの話が出てくるあたり、なんとも生々しすぎてもうもう。
こまごましたお金というのは会社だと積もり積もってえらい額になるものですが、それが直に「結果」になっていなければ「無駄」として切り捨てられていくのもまた事実。

無駄な部署、無駄な人材…いえいえ、言ってませんよ、「今はまだ」
…勤めている人間にとってこれほど恐ろしい言葉はなさそうです…。こええよカワリーノさん。
結果の出ないお金は無駄。それは事実。認めざるを得ません。
しかし、中学生のときと同じように「次に進むための必要経費」もあるのです。が、過程ってなかなか評価されないですよね。そこにそのお金だけの価値があるかどうかは、大人でもなかなかわからないものです。
ほんと悩ましいね。お金がいっぱいありさえすれば…!
 

なんていったら中学生の自分に笑われてしまいそうです。あの時はもっと少ないお金の中で、部活やら生徒会やら学校祭やら、がんばっていたのも事実なんですよね。
そして、かけがえのない友人と一緒に苦労して、お金が足りないさあどうする?と悩んで、1円単位で苦心して、なんとか達成したその爽快感。1円の価値がなんだか軽くなった大人になってしまってはいけないなあ。
5人の学校での活動はまだまだたどたどしいけれど、自分のあの頃と重ね合わせながら見ていくと、間違いなくそのとき「悩んだけれどワクワクした気持ち」が蘇ってくるのではないかと思います。
ただそれがノスタルジックなキレイゴトで終わらないのが、敵幹部の会社の存在。対比して見られるプリキュア5は心に突っかかりを残してくれるので本当に面白いなあ。
 

●うらら、はじけちゃいました。●

今週の突っ込みどころ。
その1

予算がないから、源氏物語をやめて金太郎にしようゼ、という、うらら。
いやあ、天然なのか空気読んでなのかさっぱりわかりません。あるいは本気かもしれないのが怖い。
 
その2

クリックで拡大。
手芸部でサイズをはかっている演劇部の図。なんですが。
手芸部全員メガネってどういう部活!?なにそのメガネパラダイス。西川魯介先生ですか。
しかし、この学校の体育着がTシャツ短パン、って感じなのがときめきます。イイネ!
 
その3

個性もアクも強い部活動メンツ。この子たち今後も出てくる予感。ちょっと楽しみです。

でもさ、美術部さん。そのボールをどう芸術に使うのか、私のような素人にゃとんとわかりませんゼ。
 
その4

今回はダイナミックなアクションシーンも見もの。最近ちょっとずつ戦闘にめりはりが出てきて面白いです。今回のコワイナーはブンビーさんがかなりの経費を掛けて作ったそうで、それだけの動きしてます。かなり強い部類に入るのではないかな?にしたって。2対5は勝てないよなあ、っていつも思うのですが。

その5

しかしよく食うアニメです。毎回食ってるような気がします。山ほど。ほんと気持ちいいですね。
実は今回、かれん・こまち中心の話ではありますが、のぞみ役の声優さんの熱演っぷりが必聴の回だったりします。あらゆるシーンでオーバーアクションな彼女、声聞いているだけでかわいくてしかたなくなるのでゼヒ!
 
その5

ママーン!と誰だろう。次回は熟女祭りです。楽しみ!それにしてもプリキュア5のお母さん世代はなんでこんなに美人なんでしょう。ときめくじゃないか。


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