たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

少女達の友情はいつまでも。「プリキュア5第15話」

普段からよく食ってるアニメ=プリキュア5なのですが、今回は食べれる代物がほとんど出ませんでした。とはいえ少女の食欲はとどまるところを知らず。

布団食ってました。
 
そんな回でした。
今回は「母の日」ということでのぞみのママーンとりんちゃんのママーンが出てくる話です。もちろん子供向け番組らしく、お母さんにいいことしようね的なベースはしっかり抑えているのですが、それよりなによりこのママーン達の存在、プリ5にとって大きな方向性を位置づけたと言っても過言じゃないと思いました。ほんと、変身少女物としては「どれみ」についで、「未来」を予感させる作品になりました。
 

●「ちゃん」付けママーン達●


今回、のぞみママーン夢原恵美が風邪ひいて熱出しちゃうわけです。といってもね、所詮風邪。別にそんなに大騒ぎするような大病じゃないです。
見てのとおり、大きな鏡のあるここは理容室。

そこにりんちゃんママーン夏木和代がりんと花もってのぞきに来るんですが、このときの呼び方がね、しびれましたよ。
めぐみちゃーん。」
かずちゃんもあなたぐらいのころお花を生けてくれたのよー」
ママーン、お互いをちゃん付けです。
今まではりんとのぞみが仲がよいだけかと思ったら、お母さん達も幼馴染だったんですね。しかも今でも「ちゃん」付けしあうという親しさ。物語がここから開始するというのが非常にすばらしいです。
今回は「かつて少女だった大人たち」からの視点が入りますよ、と最初にどーんと出てきてるんですよネ。
少女達視点のゴタゴタもちゃんと描いていますが、今回は大人視点で見続けたほうが面白いです。
 

●ムチャする子供を見る、大人の視点●


風邪ひきママーンは、のぞみに言われて休むことになりますが、見てのとおり、心配で心配でなりません。そりゃね、プリキュア5今まで見てきた人なら誰もがわかりますよね。彼女ぜんぜん何にもできないッ子だから、皿は割るわ水はこぼすわ料理はこがすわモウ大変。

ほんとね、子供視点だったら見てられない、本当に見てられない。
のぞみ、もうやらないで、ほっといて!って感じさせられます。だって一つもこなせないんですもの。できないにもほどがある。実際りんやナッツ達は1mgたりとも信用はしていません。
あ、信用してないと言っても悪い意味ではないです。「がんばろうとする子だけど、失敗して大変なことになる」という経験上の「信用してない」。

信用していないにもほどがある。ナッツのイケメンを抑えつつできる限りにオーバーリアクションしている様子に、愛エプでおいしくないものを食べたかのようなかれんのリアクション。これは心配とかってより恐怖におびえる目です。最高ですね。
つかなんでうららは笑ってるのですか。はじけすぎ。
 
しかし、ママーンズは心配こそするものの、のぞみのめちゃくちゃっぷりを心から喜びほめるんですよ。

自分のためにがんばる子供の姿を見たら、元気が出るに決まっている。
それは確かに「母親的」な教訓なセリフではありますが、それ以上にのぞみママとりんママが密接なつながりを持っているからこそ出る発言なんだと思いました。
こういう言葉をさらっと出すことはもちろんその証ですし、何も言わずにのぞみママーンの体調が悪いことを勘付くことも、のぞみがどのような行動をするかをりんちゃんママーンが予測していることも、家族ぐるみでずっと密接に親しかったからこそですよネ。

●「かつて子供だった大人たち」●


プリキュア5で、大人だけが出てきて会話をするのははじめてのこと。
それは、「いい娘でしょー」という娘自慢だったり、昔のぞみママーンが洗濯機にお皿入れたドジ体験談だったり。この二人の会話、大人だったらにやけると同時に、涙腺がゆるみそうになるくらいいいんですよ。
別に悲しい話をしているわけではないです。感動的な言葉を述べているわけでもないです。ただ、昔のことを語り合って笑っているだけなんです。だからこそ、胸をうつ。
 
このアニメ、娘さん息子さんいらっしゃる大人の方もかなり見ていると思います。学校を卒業し大人への道を歩み始めた人も見ていると思います。自分も大人です。
そんな皆さん、どんな人でも通る切ない道があります。
親友・自分が結婚し、毎日一緒にいたような友人たちがバラバラになったこと、ありませんか。
進む道がみんな別々で、毎日つるんで遊んでいた仲間がバラバラの道を歩んだことはないですか。
その瞬間はそれぞれお互いを祝福しながらも、切ない気持ちは生まれるのを抑えることができません。お互いの幸せのためにと分かっていても、今までのように毎日グダグダとすごす時間は二度と戻ってこないのです。そうやってムダにすごしてきたように思える時間も、いざ別れる日がくるとダイヤのように貴重に見えてくるから不思議。
そして、多くの場合多忙になってしまい、年賀状くらいの付き合いに。
 
しかしね、このママンたちはそんなに密接すぎる付き合いではないものの、昔のことを笑いあいながら話す生涯の友人の距離感をしっかり保っています。
大人だからさようならじゃないこの関係こそが、プリキュア5の大切なテーマの一つになるんでしょうね。また、それぞれが結婚し、仕事を持ち、子供を育てているというのがね。二人ともこの作品の第一テーマである「夢」をかなえつつ、友との絆を大切にしているのです。

大人同士の時は少女の顔で。
普段子供たちの活躍を描くアニメとしては、非常に貴重で、大人視点だからこそ見て胸を打たれるシーンです。
 

●ずーっと昔からの付き合い●

この片鱗はすでにりんとのぞみの間にあるのも興味深いです。

ずーっと昔からの付き合いだから、のぞみが何をしでかすか分かるというりん。第二話できっちりそこについては描かれていました。

第2話より。
幼いのぞみが昔も今もりんの手を借りていた、というのが表面的な部分ですが、実際にはりんがのぞみといることで心を救われて、一人で歩けるようになっているんですよネ。
今回の「のぞみの家事はひどいから」と言うのも、もしかしたらりんなりに「何とかしてあげたい!」という気持ちだったのでしょう。
それを裏付けるように最後のほうでのぞみママーンとりんちゃんママーンの関係に関してのセリフ。

昔っからいつも一緒だから。
うまいこと対比させられていて、キュンと来るじゃないですか!
 
プリキュアのキャラ達は、今まで確かに密接でしっかりと手を握って、「共にいこうね」という絆で描かれてきました。ただ、将来どうなるかというのはあまり明確には打ち出されていなかったように思います。
しかし今回のプリキュア5、このお母さん達の絆と、自分達の絆を対比させているんですよね、キャラクター達自身も、描いてる側も。そして見ているこちら側も。

この対比図本当にすばらしいです。そう、今この瞬間プリキュアなことだけが大事じゃない、勝ち負けじゃない未来はここにあります。
「昔から」の語句は未来をあらわす言葉の裏返し。どれみの時のガラス作っていた魔女のように、子供達の未来を予表しているのかもしれません。
 

そして、今回最高のカット。
これが、未来のりんとのぞみだったら、本当にいいな。
いや…きっとこれが、5人になるんだね、きっと。
 

●なんか最近ガマオの気持ちがちょっとわかるのがイヤダ●

その1

こんないい話ですが、現実を容赦なく叩き込むのがナイトメア達のいいところ。空気を読む?いやいや、現実ですから。
本当に今回のガマオはダメダメなんですが、それでもちゃんとバイト申し込んだあたり進歩しました。今までバイトすらしませんでしたからね。もっともバイトをちゃんと最後までこなさず逃げちゃうわけですが。
それにしても、バイトのこの「めんどくせー」感、ひどいんですが、分かるじゃないですか。確かにスーパーのレジ打ちめんどくさいもんよ。
ママーン達が一生懸命働いている対比像としては秀逸。そしてだめだめなガマオを見て共感してしまう自分に情けなくなりじっと手を見る。
もっと大人のダメなところを突き出してください、ナイトメアの諸君。
 
その2

のぞみがとにかく今回かわいいです。これは演技している声優さんの力の偉大さだと思います。すばらしい。
今回はのぞみが「かわいく」ないとだめなんですよね。母親達視点と、りんちゃんたち視点があるから。うまいこと「ドジだけど一生懸命なかわいい娘」になっています。のぞみは確かに本当に何もできないのだけれど、こういう娘、ほしいですよ。
 
その3

ガマオがなぜ新型コワイナーを持っているか、というのは突っ込むべきではなく、多分突っ込みどころとしては「それにしてもコワイナーの声優、のりのりである」だと思いました。これ、今後毎回楽しみにしてもいいですか?
 
その4

のぞみのママーンにものすごく気を使うかれん。大勢で押しかけたことを謝ります。これ意味深ですよね。ほかの子たちはそういうこと一切言わないんですよ。
おそらく、親と暮らしたことない彼女だからこそ出てきた、精一杯の心遣いなのではないかと思いました。
 
その5

なんか非常に絵的に毎回恵まれている気がするうらら。ことあるごとにかわいいカットが入るから毎回見逃せません。スタッフのお気に入りはりんちゃんとうららだと思うんだ。
 
その6
 
次回予告より。何このギャップ。
こまち主役回なくなっちゃったのかと思いきや、ちゃーんと来週あるようです。キャラそれぞれへの愛情があって、うれしいなー。
ところで衝撃の予告(微ネタバレあり注意)を読んで驚いております。そういうキャラが!
 
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未確認情報ですが、この画像が本物だったら面白すぎ。敵だったらさらに面白すぎ。
6人目はギリンマがよかったなあ。

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