たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「○○は俺の嫁」と叫んでみよう。

●嫁、乱舞中●


最近のニコニコ動画mixiブログ界隈でよく見かける言葉に「○○は俺の嫁というものがあります。ヘビー気味のネットユーザーなら一度は見たことはあるのではないでしょうか。
俺の嫁とは(はてな)

未婚者がネット上で用いる場合
俺の嫁にしたい!→可愛い!/萌える!/大ファンです!
といった使い方をされる

基本的な意味は、こういうことです。
たとえば自分はエヴァ惣流・アスカ・ラングレーが大好きなので「アスカは俺の嫁」って言ったり、らき☆すたのつかさが好きなので「つかさは俺の嫁」って言ったりするわけです。うわ、自分キショ!
まあ、オタクじゃない人から見たら「うわ、キショ!」という意見も多数。そのへんを最初から言われるのも分かった上で、使うわけです。キショいのは100も承知ですじゃ。
しかし、最近この言葉の使われ方がちょーっと幅広がってきていて、面白いんですよ。
 

●男性に向かって「俺の嫁」●

最近ではもうすっかりパターンとして定着しているので、女性も結構使っているのを目にします。が、基本男性の使う言葉ですよね。
ところが、面白いことに「俺の嫁」は男性が男性に対しても結構使うわけです。
たとえば男性萌えキャラで「準にゃん俺の嫁」「ブリたんは俺の嫁」と言うのはまあわかるとして(?)。
男性キャラでもへっぽこでかわいいキャラに対して「ヴィラル俺の嫁」「ギリンマは俺の嫁」という使い方を多々します。
また、めちゃくちゃ包容力のありそうなキャラに対して「ハートマン軍曹俺の嫁」「ラオウ俺の嫁」なんていうのもあったりします。すでにあまりにも「嫁」じゃない。
加えて、ブロガーや、MAD製作者などに対して「製作者は俺の嫁」「管理人は俺の嫁」なんていう使い方もあるからびっくり。いや、まじですよ。探してみたら結構出てきます。
 

●別に、本当に結婚したいわけってだけじゃないんだよね●

一番最初にも書いたように、「俺の嫁!」とあんまり言うのは嫌がる人は多いと思います。それに対して「受け入れろ!」というのも妙な話なので、言えるとこでだけ言うのがマナーかもしれません。
やっぱり一番大きな点として、好きなキャラに対して、「萌える」以上の言葉が出現した、と言うのは大きいでしょうネ。最大級の「好き」発言です。
しかし、本当に二次元でそのキャラと結婚したいのか?と言われたら、必ずしもそういうわけではないです。もちろんそういう瞬間風速的な感情がわきあがるのは事実だけど!でもそうなると、基本的にオタクは恋心が多すぎるので超多重婚になります。1人にしぼっている純愛家さんもいるとは思いますが。9割がたの人は単なる「このキャラめっちゃ好き」の最上級表現なわけです。知らない人から見たら「どこまで本気なんだろう」と不思議に思われるかもしれませんが、好きなのは本気で基本冗談と言う感じ。だから「キショい!」って言わないで笑えるようになると、楽しくなります。むしろ自分で言ってみちゃうとかネ。
加えて、「俺の嫁」と言っているキャラと本当に結婚したいか?と言われると「脳内恋人としてはいいけど、結婚はちょっとなあ」と言うのが正直なところ、という人も多いのではないでしょうか。
このへん、自分だけの解釈で言うのもなんですが、そのキャラの性格を冷静に、家庭の未来や継続性や家事のできる出来ないなんかまで考えるわけがないです。むしろそうなると、たとえば「音無響子さんは俺の嫁!」なんてのは生々しいですね。逆に「水銀燈俺の嫁!」なんかは「好きでたまらん!」という瞬間最大風速40m的な感じ。
 
似たようなノリで「○○とけっこんしたい」ってのもある、という話を聞きました。女性がネタで使ったりするようですね。こちらも別にそれがプロポーズなわけじゃなくて、「萌えより上」とか「頼りにしてる!」みたいな使い方。どうなんだろう、このへんって結構冗談まじりで使うこと多いんでしょうか?
 

●「好き」と「尊敬する」をごっちゃにできる便利な言葉●

ニコニコ動画で「作者は俺の嫁」と言うのは最近非常に多いです。もちろんこれ、作者萌えとか、ウホッとかでもなんでもなくて、「もうこの作者、ありがとう!愛してるよ!」と言うノリです。「ありがとう!」とか「愛してる!」っていうのはちょっと気恥ずかしいですが、「俺の嫁」なら冗談半分に言えるので、いいですよね。作者本人はどんな気持ちかわかりませんが、面白い形のコミュニケーション形態だなあ、と思いました。
キャラに対する「好き!」「萌える!」と、人に対する「尊敬する!」「がんばって!」などの気持ち、トータルして「好き」を全部包含するのが、「俺の嫁」なんだと考えると、なんともさわやかな表現じゃないですか。これ。
多様しすぎると「キショい」って言われても仕方ないですが、使ってもよさそうな場所(萌え系ニコニコ動画など)で使うならば、ネットならではの面白コミュニケーションの入り口になるのではないか、と思います。
なかなか使うのは恥ずかしい言葉ではありますが、いったん使うと、使っている人同士の連帯感も生まれて楽しいものです。そして「こなたはみんなの嫁」などのような名言もたまに生まれます。これみたとき、まじで「みんなで好きなものを共有できるっていいなー」と思いました。「こなたが」ってより、みんなこの作品がすき、っていうのがダレイクトに出ていていいですよね。
また、最近一部では「○○は○○の嫁」なんてのもあります。「瞳子乃梨子の嫁!」「来栖は芹沢の嫁!」「のぞみはりんの嫁!」みたいな感じです。自分の腐男子脳きもい。でもそう感じたんだから仕方ない。BLでも使うのかなあ…あんまり見たことないです。
 
かなり特殊で、日常会話では使えないタイプのコトバですが、これもまたネット上の新しいコミュニケーションの一つの形なのかなー、と思いました。
何よりも。好きな作品・キャラに対して「好き!」って言ってるのを見るほどすがすがしくて楽しいものはないです。けなすのを見るよりも何倍も気持ちいいよね。
そんなわけで、いろいろな人の「○○は俺の嫁」を見てニヤニヤする日々です。
あ、でも取り合いはだめですよ。かぶったら「んじゃみんなの嫁」って言って一緒にニコニコしよう。
とりあえず、「よつばと!」の風香は俺の眉毛。いや嫁。
 
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