たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

手にしたものを失うのは怖いよ。「プリキュア5第45、46話」

衝撃的な事件が46話でおきました。
なんとあの冷血漢のブラッディさんが。

ハゲてました。
まあ立ち位置的にはわかる気がするのですが、あのシリアスな流れで唐突に入ってるんだもん、吹いちゃいますって。
それに対してわれらがレモンの子のリアクションが素敵すぎですよ。命がけの戦いの最中とは思えないちゃめっけ。

うらら、すごすぎるぜ。アイドル魂ここにあり。
そもそも今までも、うららだけ独特なカットがものすごい多いんですよ。カメラを向けられたときにどう映ればいいのか、この子わかりすぎです。
たとえば今回でいえばこれ。

こまちさんがかわいいのはもとより、うららのこのアングルといい口元の特殊さといい、完成されたものになっているじゃあないですか。うらら、恐ろしい子
これがうららの天賦の才能なんでしょう。次期ではスパッツになる彼女、ある意味友達いなかった彼女がもっともこの5人の中で、一年を通してのびのびとはじけた気がします。
しかし冷静に考えても、なんで彼女だけレモンなのかしらね。
 
そんな回でした。
うららはシリアスキャラとしてもネタキャラとしても、実によくできているなあ。冬コミを見渡したら大きなお友達人気はこまxかれの次くらいに高かった気がしますが、子供はどう見ているのかな。
 
さて、45話と46話、それぞれまったく別の話ではありますが、通して見るとえらいハードな仕上がりになっています。ラスト直前、ピンキーが全部集まり、すべての物語があと3話で集約します。こうなってくると「目指せハッピーエンド!」ではあるんですが、そのハッピーが同時に悲劇をも生みます。
このへん、ちょっと視点をのぞみとブンビーさんに絞って書いてみようと思います。
 

●失いたくない、当たり前だよ●

45話は一番最初に見たとき、あまりのココxのぞっぷりにすごい勢いで「ココめ!淫獣め!」とか思ったものですが、日にちがたつにつれてもう、はがゆいやら心苦しいやらで平静を保てませんでした。
そりゃそうですよ、ナッツとこまちもそうですが、楽しい時があるということは、同時に終わるんです。終わりが必ず来るんです。
幸せであればあるほど、終わりがくるのがいやだ。耐えられないよ。

ココ・ナッツ・ミルクの三人が作ったケーキには、やられました。毛が入るだろうとか無粋なこといったらだめです。思ったけど。
普段だったらワイワイみんなで「ありがとう!」とか脳天気にやりたいところですが、一回「ああ、この時間っていつか終わるんだよなあ」と感じ始めると、何もかもが恐ろしくなります。まあね、回避はできないです。わかってるよ、わかってんだよそんなことは。
わかっているからこそ、それが形になって「幸せな時間」が来るのが恐ろしいのです。


いまだにココへの思いをどう表現すればいいのかわからないのぞみさんです。しかしこれって、単に初恋的だからじゃなくて、実は今後のことを知っていて言えない、という可能性もでかいわけですよ。
こまちなんかはまさにそう。あの子が気づいてないわけはないし、もろに文章作っていますが、「あなたが好き」って言ったら壊れちゃうんですよ。
のぞみさんも自分から幸せを切り開く子ではありますが、今回ばかりは躊躇してしまうのはわかります。きっと女の子たちにしてみたら、普段SLのように進む彼女が戸惑うのはかなりクるんじゃないかなあ。

彼女が戸惑ったのは、今まで考えるとココがらみばかりです。逆を返せば、困惑しているときにいつもそばにいてくれたのがココ、でもあります。
 
ツリーの前でのシーンは最初は「キスしちゃえよ!」とか思ったものですが、冷静に考えたら、自分がのぞみならできないです。このへんは人によるかとも思うんですが。
ある人は「だからこそ今を精一杯楽しめばいいじゃない」というかもしれませんし、ある人は「失うのが怖いから前に進めなくなる、理論じゃなくて感情に縛られる」というかもしれません。自分はわりと後者です。
のぞみは、どちらか、というだけではない曖昧な選択肢を選びました。そのへんは46話でも描かれますが、
自分が選んだプリキュアとしての道は選びつつ、今のどうにもならない感情はとりあえず保留にして、前だけ向くんです。
これはしんどいよ。あきらめて達観するか、いやだいやだとしがみついたほうが断然楽。46話でもはっきりとブラッディさんの誘惑には反抗するものの、「本当にそうかな?」という余韻を残すのが、たまらなくいやらしいし苦しいところ。
物語が佳境に進むにつれて、主人公の苦しみに「より過ぎない程度」に寄ってくるように描くってのが、本当にすごい。その前までにほかのキャラの悩みが出ているので、よりクローズアップします。
 

●悩める人、ブンビーさん●

はて、プリキュア5では5人ともそれぞれ悩みを抱えつつ、じっくり前に進むのが見ていて引き込まれるところですが、もっとも悩んでいるのはこの人、と言って間違いないでしょう。

ブンビーさんです。
 
一番最初はナイトメアという敵側の派手な位置にいたはずの彼。
気がつけば中間管理職から下っ端、残務整理とお茶くみをする日々です。毎週毎週、日曜の朝にそれを見せられるパパさんたちはたまったものじゃない。はずですが、気がつけばプリ5キャラでも屈指の愛されキャラになりました。
ですよね。だってここまで社会人の苦労をそのままストレートに出しているキャラなかなかいません。上司に恵まれず、周囲の人にこきつかわれ、手下は自分と話が合わず。過去にはいい愛すべき部下がいたものの、今は一人もいない。
ああ、昔はよかった。昔はよかったなあ。
 

いざやめる段階にきても、彼は言い出しきれません。
「ああ、やめてやるよ!」といえればいいものを、どうにもこの期に及んで彼は言い出しかねるのです。ここ、この気持ち。あまりにもリアルすぎる。
世の中思ったほど割り切れないものです。自分の感情って、いくらわかっていてもなかなか明言できません。いざここぞという段階になっても。
いや、もうここは「おれはおりるよ!」と言い切ってもいいところではあるんです。が、そんなに単純じゃないんだよなあ。
「自分探しの旅に出てみようかなーなんて」と誤魔化す必要はないのに、ついつい誤魔化すそんな男心。

しかし、彼はがんばりました。がんばったよ!
ここで「いやーすいません」とならなくて本当によかった。今まで流されもみくちゃにされて来続けた彼ですが、最後の最後にはカワリーノさんのやりかたを糾弾したんですよ!これは奇跡といっていい。
「あんたは俺たちを利用しているだけだ、俺たちはあんたの道具じゃない!」
ここでキました。だって「俺たち」ですよ。俺じゃないんですよ。
 
一番最初のギリンマのとき、ブンビーさんは割りと冷静に彼に黒い紙を渡しました。しかし二人目以降彼には躊躇があらわれます。おそらく「これは危険だ」と悟ったのでしょう。
ギリンマとも、昔はともに語り明かした仲間です。アラクネアには危険だとストップをかけ、ガマオのようなダメバイトにすら同情をかけました。
ブンビーさんは今まで文句を表で出せなかったものの、自分の保身だけに走ってきたわけじゃないです。自分の危険を感じつつも、仲間のことを考えて働く、というナイトメア唯一の「横を見る」人でした。
 
仲間なんていらない、ほしいのは結果だけ、というカワリーノさんが極端かというと、ほかのメンツも同じ事を言っているんです。ブラッディさんやハデーニャさんも、結局そこに振り回されるものの、本人は同じことを言っていました。
ブンビーさんの考えは、そういう比較の面ではきわめてプリキュア5人と似ていると言っていいのではないかな、と思うのですよ。
 

面白かったのはブラッディさんの意見。
「カワリーノ、お前が来てからナイトメアはだめになった」「今のナイトメアには何の結束力もない。」
いやあ、今がひどいというのは視聴者だけが思っていたわけではないのですね。「いいナイトメア」がどんなものだったのかすごい気になります。
少なくともワンマンで絶望をかさに人を切り捨てるのではなく、仲間と「がんばろうぜ!」とかいいながら飲み明かしていたのかなあ。
なんか、ちょっと切ないです。どういう子供向けアニメなんだろう。
 

ブンビーさんは、生きていると信じています。ええ、こんなんじゃ死なないよ?
だって飛べるじゃん。・・・とは言いつつ忘れそうですが。
カワリーノさんがプリキュア1極悪なキャラだとしたら、ブンビーさんはプリキュア1愛されている敵キャラかもしれません。いや、キントレスキーやキリアなど、いい敵も多いのだけれど!
 
妄想だけしておきます。
ブンビーさんの娘が次期の新ヒロインじゃないか!とか。
最終回でプリキュア側に力をかすのでは!?とか。
消えた絶望になっていないんだから、まだ希望になる可能性も、あるぞっ。
 

●雰囲気を読める仲になりました。●

今回のみどころ
 
その1

ココにのぞみをまかせて車でかえる面々。うおぉい!いいのかそれで!
いや、いいんですが。りんちゃんのニヤニヤ顔がかわいいなあー。やはり周囲にもバレバレなんですね。
しかし自分内設定では、うららとりんちゃんはこの後もやもやしたものにさいなまれて、二人で慰めあうんだぜ。
 
その2

気づけばツーカーの仲になっていたかれんとりんちゃん。
そういえば「夢を見つけたら第一に伝える」って言ってましたね。今回それが如実にあらわれていて、言いかけるところまでいきました。
最終回で言うのかなー。気になります。
 
その3

プリキュア恒例、びっくり祭り。
一コマ目は実は、りんちゃんとこまちを見ればなんとなくわかると思いますが、のぞみの頭の上に最後のピンキーが乗っていて「おいおい?」と凍り付いているところ。そしていったんみんな「ないない」と後ろを向いて、「えーっ!?」。
テンポいいなあ。このノリがたまらなく好きです。
 
その4

戦闘にも拍車がかかってきました。これからラスト3話でどんな戦いを見せてくれるか楽しみ。
プリキュア5は魔法じゃなくて、ガチで殴りあうのがやっぱり自分の性にあってます。呪文よりも、右コブシ!。
 
その5

ブラッディさんのあやつる手、一つにまとめるよりも、いっぱいあるほうが厄介な気がします。
耐久力のない敵ではありますが、空間を操る力って絶対強いと思うんだけどなあ。使いかたがどうにももったいない気がしますが、そここそがカワリーノさんに昔の人と言われるゆえんかもしれません。
 
その6

来週は多分黒ブラッディと対決になると思うんですが、カワリーノさん闘技場好きだなあ。過去になんかあったのかな?
 
 
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以下過去記事
 
 
大人になったら何になりたい?「YES!プリキュア5」第一話
プリキュア5が二話目にしていきなり百合展開でした。
実力の伴わない夢は持ってはいけませんか?「YES!プリキュア5 第4話」
これからのヒロインはもりもり食う時代へ!「プリキュア5 第5話」
やけにリアル社会人な敵のお仕事。「プリキュア5第6話」
少女たちの絆は、少しずつ歩き出した。「プリキュア5第7話」
学年や身分による感覚のカベってありますか。「プリキュア5第8話」
有名なみんなと、そうでない自分と。「プリキュア5第9話」
社会の仕事は甘くない。「プリキュア5第10話」
今がんばることは、ムダじゃない!「プリキュア5第11話」
アイドル業は、その一歩から。「プリキュア5第12話」
自分のために生きる?誰かのために生きる?「プリキュア5第13話」
お金で買えるの?その価値は。「プリキュア5第14話」
少女達の友情はいつまでも。「プリキュア5第15話」
自分の視野を仲間内だけで満足してはいないか。「プリキュア5第16話」
どんな時でも、そばにいるよ。「プリキュア5第17話」
友達は、必要ですか?「プリキュア5第18話」 
心配は何のためにするの?「プリキュア5第19話」
まっすぐ進むだけが道じゃない。「プリキュア5第20話」
ミルク視線で楽しむ「プリキュア第21話」
大人としてのココの立ち位置。「プリキュア5第22話」
5人それぞれの心の闇へ。「プリキュア5第23話」
追悼・ギリンマへ。平社員の憂鬱と哀しみに敬礼
さあ、その手をつなごう。「プリキュア5第24話」
4人の心がここから開くんだ!「プリキュア5第25話」
見終わった後の顔は鏡では見られない。「プリキュア5第26話」 
夏に女の子を怖がらせたくはないかい。「プリキュア5第27話」
あなたがいつも側にいたから。「プリキュア5第28話」
人をつなぐ架け橋になる人って、大切なんだよね。「プリキュア5第29話」
自分が輝くのではなくて。「プリキュア5第30話」
乙女の感情の高ぶりに、ニヤけたりへこんだり。「プリキュア5第31話」
結婚ドリームなんてお父さん許しませんよ!「プリキュア第32話」
マスコミという名前のコミュニケーション。「プリキュア5第33話」
影から支える人たち。「私があなたの騎士になる!」「プリキュア5第34話」
信じてくれる人がそばにいる、それだけでいい。「プリキュア5第35話」
あなたと一緒に、自分達のペースでゴールまで。「プリキュア5第36話」
バランスよい食事と、バランスよい人間関係。「プリキュア5第37話」
プリキュアたちの関係をファンタジーな角度から見てみよう。「プリキュア5第38話」
叶わない夢。消えていくこの瞬間。「プリキュア5第39話」
大きなお友達向け、プリキュア5映画版の楽しみ方。
影で支え、見守る人こそが。「プリキュア5第40話」
夢と言うのは、形が必要なのかい?「プリキュア5第42話」
かなわない希望なら、最初から抱かなければよかったの?「プリキュア5第43話」
いつも私たちのそばには、あの人がいたんだ。「プリキュア5第44話」