たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

アンソロ作家さんのお仕事って、特殊だよね

で、高遠るい先生の「ジェネラル・ルージュの凱旋」を買ってきたわけですよ。

コミカライズとしても出来がいい上に、ちゃんと高遠るい節が入っている、非常にバランスのよいマンガです。
ちゃんとCYNTHIA_THE_MISSION」のヒロイン、シンシアも出てるよ!!!
 
 

 
 
ほらね!
はいお約束お約束(高遠るい先生的な意味で)。
相変わらずはげの扱いがひどいです。
 
中身はまあ読んでもらうとして、ちょっと面白かったのがココです。作者紹介。

PCゲームのパロディコミックなどを描くアルバイトを経て

…???な、なんだこの違和感。
なんとなく最後の方まで読むと、高遠先生が書いたっぽいんですが、「ミカるんX」が「全」ではなくまだ続いているので、第三者が書いた、という線もあります。ちょっと分からないです。ただ、これはオタク生活長い人間からすると意外な表現。
 
まず「PCゲームのパロディコミック」っていう表現が不可思議満載ですよね。
冷静に考えれば全く持ってその通りですが、ようするに「アンソロ」や「同人二次創作」のことです。かみ砕くと、こういう表現になるのですな。
 
高遠るい先生ファンなら多くの人がご存じかと思いますが、「しとね」というペンネームでかなりの量のアンソロジーコミックを描いておられます。
主に「月姫」「Fate/Stay night」「MELTY BLOOD」「痕」とかそのへんです。
うん、間違いなく「PCゲーム」の「パロディコミック」ですね。
 
この「ジェネラル・ルージュの凱旋」を買う層は、明らかにオタク層ではないのを考えると、「アンソロジー」という表現をどうかみ砕くか相当苦心したのが見て取れます。
一般の方が「アンソロ作家」という語を理解するには、こう説明するんだなーと。
 
そして、もっと驚いたのが「アルバイト」の語。
アルバイトかー!
いや、アルバイトとか本職とかっていう言葉自体漫画家さんにある気がしないんですが、改めて言われると「そういう表現になるの…か?」と首を転蓮華でひねられた気分になります。
 
「作品を作る」→「お金をもらう」という流れがあるから、読者としては「立派な仕事扱いでいい気がするなあ」と思うんですが、「固定の連載ではない」=「社員ではない」(?)ということなんでしょうか。
これは不思議。不思議だけど他になんと表現すればいいか確かに分からない。言い得て妙、というところ。
 
オタク社会での「同人作家さん」や「アンソロ作家さん」は、ごくごく自然に受け入れやすい(というか慣れちゃう)んですが、二次創作社会の仕組みが分からない人から見たら、不思議の国なんでしょうね。説明をするのが本当に難しい。
なんだか改めて、びっくりした次第であります。
 

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まあ、アルバイトだろうが本職だろうがなんだろうが、すごいものはすごいので、読者はそれを楽しめれば満足であります。
言葉の使い方のお話、ではありますが、視点を変えるいいきっかけにはなりました。
普段からマンガに接していない人を、マンガで引き込むのは本当に難しそうです。一ひねり必要ですね。
 
でも高遠るい先生はすごいんだな。
この作品、原作もののルールをしっかり守りながら、隙あらば高遠るい節を差し込むんだもの。このマンガ格闘家の姿、ここにあらん。
誰にでもおすすめできるよいマンガだと思います。
んで、このマンガを読んだ、普段マンガを読まないようなパパさんとかに、「じゃあこれも!」といって「CYNTHIA_THE_MISSION」全9巻を薦めるとイイと思うよ!
 
いやどうかな!