たまごまごごはん

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キレやすくておませな小一女児は好きですか。好きです。「うちの姉様」2巻

だらしない変なお姉さんは好きですか。好きです。「うちの姉様」
前回、一巻が出たときほんとストライクすぎて脳みそおかしくなるかと思いましたよ、この漫画。
以前もしつこいくらい書いたんですが、「ちょっとだらしない女の人」キャラがめちゃくちゃ好きなんですわたくし。
ある意味どえらい狭いストライクゾーンではあるんですが、そこをスパーン!と突いてきたのがこの漫画「うちの姉様」でした。

トイレから出てきて短パンはきわすれるお姉さん像にもうメロメロです。
考え事しているとなぜか靴下(ニーソ)を片方脱ぐクセがあるし、自分勝手な言葉を相手に通じないにも関わらず使い続ける空気の読めなさを発揮するし、やたらおっさんくさいし、パンツが見えても全く気にしないし。
なんて素晴らしい姉!
2巻ではそのだらしなさは加速し続け、とどまるところを知りません。
例えば、たった1コマでそのひどさが分かるシーン。

もう解説の必要不要のひどさ!
いやあもう、たまりませんね。ご褒美すぎる無防備さ。
このお姉さん、見た目も非常に美人で、あと変な下心とかが一切ないのが清々しいんです。余計なことをせず、単純にオバカというかアホの子のまま大人になってしまったんですよ。
だから、こっちが照れてしまうようなシチュエーションを平気でこなすのが恐ろしいところ。

もうね、あかんて。
いかがわしいことしか想像出来ないこっちが申し訳なくなる
だがそこがいい。もっとやってくださいエヘヘ。
こんなだらしないお姉さんの魅力満載な「うちの姉様」はとても素晴らしい「だめな女の人」漫画でございます。
 
が、それだけだと「いや別にそういうのは興味がないから」という人もいると思います。
しかしこの漫画、出てくる他のキャラのアクもめちゃめちゃ強いので、自分みたいに「女性の好みがたまたまあわなかった」だけで読まないのは勿体無い!
今回はゆるゆるダメダメなお姉さんに対して、やたらと女くささ満開の女児、るるちゃんを紹介したいと思います。
セクシー小学1年生、なかなか素敵な女児です。
 

●るるは女ですから!●


まあどうしても個人的な好みで涼音姉さんがストライクすぎるのでそちらに目が行ってしまうのですが(ニーソだし)、真ん中の子が一年生のるるちゃん、右が二年生の倫君です。歳の離れた兄弟なんです。
姉さんの魅力はさることながら、この二人の妹弟がこれまたえんらくかわいいです。
 
一年生の方のるるは、見た目の通り極めて思考も能力も幼いです。
しかしこの作品、他のキャラがボケだらけなので、一年生の彼女が全方向ツッコミ役というすごい構図になっています。
性格は極めてキレやすく、女としての自覚が非常に強くて、彼氏持ち。
ある意味姉の欠落した「女」分を全て拾い上げたような、セクシー系女児!
彼女の「女っぽさ」列伝をちょっと垣間見てみましょう。
 
まず、るるの行動ひとつひとつが、「自分がかわいく見える」ように計算されています。

左にいるのが彼氏のたっくん。
このたった一コマで彼女の計算高さが分かるのがすごいですね。
傾げた首、口元に添えられた手、ちょっと見上げるような目線、「YES」を言えない台詞つかい。
うむ。
この女児、できる!
 
これまた狭いストライクゾーンですが、「おませな女児好き」っているとおもうんですよ。
具体的に言うと自分なんですが。
純朴でかわいらしい女の子もいいですが、妙に女くささを理解して、背伸びしている女児ってかわいいじゃないですか!(力説
るるはまさにその「背伸び」加減を理解しているから面白いんです。
おそらく姉さんがいい加減すぎるので、それを反面教師にして反動で背伸びしまくってるんでしょうね。
なんせまだ一年生。まだ早い。・・・だがそこがいい。
 
たとえば姉さんが合コンにるると倫君を連れていったとき(←ツッコミどころは「なんで小学生を合コンに連れていくんだよ姉さん」)、るるのとった行動がこれまたいいんですよ。

合コンやる気なしの姉さんに対して、「彼氏がいるから!」と純真を保ちつつも女のプライドは保つ女児!
一年生でこれですよ。
いやあ、末恐ろしい……。
 

●キレやすいお年頃●

るるのかわいらしさは、おませであるのと同時に、やたらゆるい兄姉に対して非常にキレやすいところです。
まあ、ツッコミの立ち位置なので「!」が多くなるというのもあるんですが、それをさて置いても非常にキレやすい。
キレやすい、ってのは場合によってはわがままに見えるんですが、るるちゃんの場合姉さんとの対比と、あとは幼さが相まって、キレればキレるほどかわいく見えてくるから不思議。さじ加減ですなあ。

見事なまでのないぺた!・・・まあ一年生だから当たり前ですね。
この手じたばたがいいです。しかも彼女、あちこちでキレまくるんですがいかんせん姉さんがマイペースすぎるので超のれんに腕押しなのが面白い。
 
結局のところ、姉さんのずぼらさだけでも、るるのキレやすさだけでも面白くはならないんですよね。
この二人が絶妙に噛みあって押したり引いたりするからこそ、この作品の面白さがにじみ出つつ、かつキャラの魅力が倍増します。
また、年齢的には15近く離れているであろう二人ですが、言っていることはるるの方が大人で、姉さんの方が子供っぽいのもまた楽しいところ。
 
「正論をいい」「ツッコミが激しく」「かなりのおませ」な女児、るる。
これがかわいくないわけがないですよほんと。

ちなみに彼女、おなかのネタを突っ込まれるとすぐに怒りスイッチが入ります。
ものすごく自分のおなかぽっこりを気にしているんです。
……が。
言うまでもなく一年生となると、まだ腹筋が鍛えられていないので、女児のおなかはいわゆるイカ腹体型(筋肉がない分ぽっこりする)で当然なわけで。
それを分からず、茶化されて翻弄される、るる。
……正論的にはるるの方が上ですが、実は舵取りをしているのはずぼらな姉さんの方だったりする、このバランスがうまいんだなー。
 

●女の対決!●


さて、おませで彼氏持ちのるるには、ライバルがいます。それがこの美海ちゃん。
ことあるごとにお互い対抗心を燃やし、自らの中の「女」を磨いて上へ上へと伸びていこうとする天敵です。
これが大人の女性同士だったら修羅場なのですが、なんせ一年生女児。ケンカっぷりがまあもうめんこいのなんの。

まさに女のバトル!
駆け引きをし、自分が下にならないようにうまく言葉と行動を選び、じわじわと競り合います・・・が、所詮子供なのでやることなすこととんちんかん。
「女のバトル」ってやっぱり、見ていてギャグマンガでゲラゲラ笑えるタイプのものではないんですが、姉さんのいる大学ではなくて一年生のところを舞台に持ってきたのは正解だと思います。
小さい女児がしなを作って競り合うのって、もうなんつーかどっちも頭ぐりぐり撫で回したくなるくらいかわいいんですよ。
実際、姉さんはずぼらな性格を差し引いても、うまーくるるを誘導しています。ある意味るる視点で「姉さんはだらしない」を笑いつつ、姉さん視点で「るるはやんちゃでかわいい」んです。その両方が保たれているからこの作品は、どのキャラも魅力的。
あとるるは一年生だけあって「一つのことに夢中になると何もかも忘れる」という特徴もあります。
それが彼女のあらゆる行動のクッションになって、るるの魅力を引き立てています。
 
結論・姉さんもるるもかわいい。
うむ、問題ない。
 

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ちなみのちなみに。
ストーカー大学生の遠野くん、おかしなサイエンティストの藤咲さん、真面目でいいこの倫君もみんな魅力的。嫌味のあるキャラがいないからこそ安心して楽しめる作品です。
でもやっぱりねー。

ちょっとバカでスキだらけの姉さんが、可愛すぎなんだよ!!!!
色気とかどこいった?という感じがむしろ愛らしすぎてたまらん。
お姉さんらしいところもあって、でもだらしなくてマイペースで、それでいて包容力がものすごい……ああもう結婚してください。
 

「萌え系」かそうじゃないか、ってのは出版社側には一応あるようで、多分この作品は「ファミリー向け」なはず。
ですが、読めば読むほど強烈な萌えを姉さんやるるに感じます。やはり描き方次第なんだなーと4コマの深さを思い知りました。
 
だらしない変なお姉さんは好きですか。好きです。「うちの姉様」
末広八宝会(作者オフィシャル)