たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

大人になったら大人になれるのかな。「けいおん!!」第10話

けいおん!!」10話みたよー。
いやーすごかったですね。

ふくらはぎストームな!
とりあえずこのシチュエーションだったら、まずはムギのふくらはぎをぷにぷにしたいのは自分だけではあるまい。いやあもう、ねえ。なんとなく。ぷにぷにー。
 
はて、今回はさわ子の話を軸にしながら、唯の思いが綴られていく話でした。
詳しくはネタバレになるのであとのほうでかきますが、ついついこの表紙を思い出してしまいます。

ニュータイプの、泣いている唯。
主人公としての唯、卒業という一旦期限つきの部活動、じりじりと迫り来る高校生から大人への瞬間……そんなものが毎回、驚くべきことに笑えるライトさの糖衣錠になって届けられます。そう、泣かせるテクニックを極力用いずに見ている人の心の青春期を引っ張り出してくる。
なんとも不思議な作品になってきています、二期。
とりあえずこの二つを是非見ておいていただきたいので先に貼っておきます。
『けいおん!!』の「お茶会!」に参加したら、知らぬ間にを予防接種を受けさせられていた。 - ソラゴト体系

今後作品を進める上で避けて通れない進路問題を自然に受け入れさせるための予防注射は作品内で既に行われています。

オキマン。:第433話「けいおんになりたい男たち」の巻

「今のけいおん!ファンの男たちは「俺の嫁」的意識ではなく、けいおん!になりたいんじゃないかなあ」

多分、このへんが10話を読み解く鍵になると思います。
ちなみに後者はうらまっく先生。面白い事考えるなあ……。
 
 
ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
 
 
 

●充実眉毛全開●

と、唯とさわちゃんの「成長」について考える前に、ムギをちょっと見ておきたいと思います。
今回のムギは一段と輝いていたよ!

スーパー充実眉毛モードでした。
もーね、一瞬たりとも時間を無駄にしないぞ、何もかも楽しんでやるぞ!という気迫がものっすごい吹き出しているんですよムギは。
普段は律・唯が原動力になって軽音部が動きますが、今回に至っては律は引き金でしかなくて、エンジンになっていたのは完全にムギでしたね。いい意味で貪欲に過ごしています。
 
そうなんだよなあ。
もしね、自分が今の記憶を持ったまま高校生時代に戻ったら、ムギくらい何でも挑むと思うんですよ。
終わってみて、ああ、あの時あれをやっておけばよかった、ってなるじゃーないですか。悔いですよ。後悔ですよ。まあ終わってみないとわからんもんなのでこればっかりは仕方ないんですけれども。
しかしムギはお嬢様育ちで未経験なことが多かったのもあって、一瞬たりとも逃そうとしない。今この瞬間は、ここにしかないんだ、この後は訪れないんだ。だから意地でもつかんでみせる!そんな気迫が熱風のごとく吹き荒れます、眉毛から。
例えばこんなの。
 
みんなで張り込んでいるシーンですが、ムギだけ右行ったり左行ったりとむちゃくちゃ必死です。なんだこのかわいい天使は!
そして、こんなに画面小さくしても見える充実眉毛。ムギの眉毛が太いのを最大限に活かして、画面で視線が眉毛にいくような構成にしてムギの感情をダイレクトに観客に伝える手法は見事としか言いようがありません。

五者五様の張り込み風景。これ唯かムギにどうしても目が行きますね。眉毛パワー炸裂です。
ちなみに唯は「ナチュラルに探偵入ってる」顔、律は「ワクワク探偵を演じている」顔、梓は「これでいいのかなあ」という顔、澪は「やっちゃった……」という顔。全員眉毛で顔が表現されているのがユニークです。
 
まだまだ続く眉毛。

おでん屋でがんもどきを注文するムギ。
このシーンもすごいんですよ。何がかって、みんなどうすればいいか困惑して注文できなかったのに、ムギが最初に料理を注文するんです。
そうなんだよ! ムギにはおでん屋にくる機会なんてこれくらいしかないんだよ!
絶対逃さない、絶対にこの瞬間を逃さない!

がんもどきを知らなかったムギさん、がんもどきとご対面。
この真剣な目つきがめんこい。梓とのギャップでひときわ目立ちますね。
 
まだまだまだ続く眉毛。

叱られて廊下に立って見たいと言い出すムギ。
まあ、ムギみたいないい子は怒られる経験自体そうそうないでしょうしね。というか最近は廊下に立たせたら先生がしかられる(子供から学ぶ権利を奪う体罰だとかなんとか)時代なので、そもそも廊下に立たせないのでなおのこと。多分唯達も立った事はじめてなんじゃないでしょうか。
だからこそ!小中高と12年過ごした最後だからこそ、廊下で立ちたい!
その思いアッパレ!

充足眉毛。
ほんにムギは、成長したよー。
あらゆることを120%のパワーで楽しめるような子になったよー。
ムギを見ているとなんだかじわーっとくるよ。
 
おまけ眉毛。

律の妄想シーンで真剣にエアキーボードをするムギ。
これめっちゃかわいいんですがどうか。
つまり、律の中でも「ムギはあらゆることに超真剣に取り組む子」という感覚になっているんでしょうね。この眉毛はデフォルト設定なんでしょう。


一瞬一瞬を絶対に逃さんとするムギのこの真剣眉毛。
全て笑えるシーンなのでそこまで深く考える必要はないんですが、個人的にはムギの充実眉毛が画面に出ると、今の自分、卒業してもう高校生時代に戻れない自分が「これやっておけばよかった!」と言う思いを抱えているのが昇華されて、すごく幸せな気分になります。
以前も書きましたが、ムギの立ち位置と視点こそが、「けいおん!!」という作品の軸になっているんでしょう。
一期二期通じてモノローグが一切ないムギは、決してブレることの無い中心線なんでしょう。
「高校時代にしかないもの」という名前の軸です。
そういう意味でも今回、OPのシーンでムギがさわ子の謎の逢い引きを見つけるあたりはなんとも象徴的でした。
 

●大人として。●


さわ子に彼氏ができた?という疑惑から始まる今回。
実は会っていたのは女性、というところまではよかったものの、途中のおでん屋の展開で心臓止まりそうになった人も多いのではないかと思います。あの数秒がどんだけハラハラしたことか!
「アニメキャラの恋愛でそこまでは」と言う人もいるかもですが、視点が完全に「先生を見ている生徒視点」にシフトしていたので、軽音部5人と一緒に「先生に彼氏!?」とドキドキするのは当然、というか演出だと思います。うまい。
 
中盤に原因がなんだったのかは解明するわけですが、まさに「先に生きる」と書いて先生です。さわ子はだらしないとはいえ、やはり先生。
非常に印象的なシーンだったのはここでしょうか。

ずいぶん変わった角度になっていますが、これは職員室の入り口にいる軽音部のメンツから見た視線だから。律の「なんだか頼みづらくなっちゃったなー」というセリフがじんわり染みてきます。
軽音部の部室ではのんべんだらりとしているのでついつい忘れがちですが、自分たちの知らない世界(ここでは下級生)でもさわ子「先生」は存在し、そして先生という立場を守ってしっかり仕事をしている。
大人なんです。
いろんな顔があるんです。
「なんだか〜」というセリフも、ちょっと物寂しそうじゃないですか。仲間の一人みたいな感覚でいたけれども、やっぱり先生なんだなあと。
 
大人になる。
それは色々な自分の立場を理解し、責任をもって行動すること、とも言えるかもしれません。
好き勝手だけではだめだよと。
まー実際大人になった人なら分かる人も多いと思いますが「案外そうでもない」ところも多々あります。あれ?気づいたら大人になってたよ?という。
しかしやはり高校時代とはちょっと違うのは間違いありません。決定的に違うのは自分の意思で選んで行動しなければいけなくなったと言う所だと思います。
仕事でもそう、遊びでもそう。自由になった分、自分で責任をもって選択していかないといけない。高校生くらいまでは「これをやりなさい」と与えられたものがあり、そのレールの上に乗りながら自分のやりたいものを探す余裕があるんです。
この作品でいえば、それは「部活動」という集団のくくりでしょう。
じゃあ部活がなくなったらどうなるの?
高校生の段階ではなかなか先のことに目が回りません。卒業したらジ・エンド。
そうなのか? 本当にそうか?
ただ、少なくともさわ子は、メタルバンドを、やめたんだ。
 

●メタル魂は死せず!●

さわ子は確かに、メタルバンド「DEATH DEVIL」をやめました。
きっぱりと辞めて、先生という道を選びました。
メタルを封印しました。
でもね、大人になったって辞められないものだってあるんだよ!
確かに、大人になったら辞めざるを得ないものもあります。いつまでも子供と同じというわけにはいきません。
でも、でも、絶対捨てられないものってあるだろ!
 
封印したはずのさわ子が、捨てきることが出来ずにメタルの魂に戻った瞬間でした。
この会場には何故か新聞部の子達も来ていると知っている。知っているけれども、見せちゃいけないんだけれども……変わらないものはあるんだ。

誰が笑おうと構わない。
誰が指さそうと構わない。
私はメタルが好きなんだ。魂をかけて来たんだ。その思いは捨て去ってなんていないんだ。
このシーン、音楽やっていない人でもかなりグッとくる瞬間だったと思います。やっていることは大げさだし、一言一句は遠くから冷めた目線で見ていたら笑えるくらいなんですが。
でもね、人間って本気な人の声を目を見たら、そのパワーに引き込まれるように出来ていると思うんだ。
 
会場を見てください。

これが、唯が代理で入って失敗したDEATH DEVIL
明るいですね。熱気は弱いですね。楽しそうではありますね。
そしてこちらがさわ子復活のDEATH DEVIL

全然オーラが違う。
照明が消えたという効果のせいもありますが、真ん中にいるさわ子の本気のオーラが会場を包んだ瞬間を描いています。
そうだ、これが人間の本気だ。
誰が笑えようか。むしろ大人が自ら選択した「本気」はあらゆるものをねじ伏せるんだ。
 

●大人の顔、大人の背中。●

さわ子の友人達は、さわ子が戻ってくるのを分かって唯を代理で上がらせた感があります。

まあ、唯ならそれでも結果オーライで喜んでくれるだろうという見抜きもあったんでしょうね。ちと他のキャラではここは務まらない。
ギー太は大変なことになってますが。
 
ここでちょっと唯の見ている視点にレバーを入れ変えてみようと思います。
 
さわ子の友人……というかDEATH DEVILで一緒に青春を駆け抜けた戦友、のりみさんとの接触のシーンです。
けいおん!」は大人が出てくる比率が極端に少ない作品です。それこそ軽音部が接している大人はさわ子くらいでしょう(モブや店員を抜けば)。
あえて言えば番外編「ライブハウス!」で出てきたお姉さんは大人の一人ですが、彼女がさわ子とつながっている大人であることを彼女達は知りません。あくまでも店員としての接触しか彼女たちはしていないんです。
 
それだけ視野が狭いんですよ。特に一期は「部活動内でどう楽しんで行くか」で精一杯だったんですもの、大人の世界なんてまだ見えないし、見えなくても構わない。
だから今回はある意味「はじめての大人との接触」と言っていいと思います。先生以外の、知らない大人の世界の住人。
まーなんてことはない、地続きで、自分たちもその路線の上に実はもういる、ということに気づくのはもうちょっとだけあとのこと。
 
のりみさんを見る唯の顔がすごくいいんですよ。

おでん屋さんでギー太をのりみさんに貸して、その演奏を見ていた唯。
なんとも言えず普段より格段に落ち着いたローテンションになっています。唯ってこんなにおとなしかったっけ?と思うくらいに。ファミレスの時の異常なハイテンションが嘘のようです。

こちらが、唯視点でのりみさんを見ている状態。絶妙なアングルです。
 
ああ、大人かあ。
大人でも、ギターを楽しく弾けるんだな。
でもなんだか、ものすごく遠い存在にも見えるな。
今自分が向かっているのはどこなんだろう。のりみさんみたいになれるんだろうか。
唯の心中がどんなものだったのか、一言では言い表せないでしょう。モノローグでぽそっと「なんか、かっこいいな」と語るだけです。
しかし唯の表情は適確に感情を表現していました。


「ごめん、なんかまずかった?」と聞くのりみさんに、「ううん、なんでもないです。」と言って微笑む唯。
まずくはないけど、なんでもなくは、ないよね。
彼女の心の中にはたくさんのものがこの瞬間なだれ込んできているはずです。
 
卒業して大人になることが理解できず困惑していた今までの唯の中に、実際に大人として生きている人、しかも自分のギターを握っている人がいるというこの事実。
おそらくのりみさんが同じギー太を使っていることで、未来の自分の姿を唯が重ねあわせたんでしょう。
それはとても大きな安心。大人になってもギターは、バンドは出来るんだなと。
逆にそれは大きな不安。私はこんなふうになれるんだろうか。やっぱり今のこの楽しい時間に区切りは来ちゃうんだろうか。
修学旅行で「いつまでもみんなと一緒にバンドやってたいな」と言った唯。一期番外編で「私をおいて大人にならないでよ」と言った唯。
唯の期待と不安が渦を巻きます。
 
追記・コメント欄で、素敵な意見があったのでこちらにも。

タオル
『今回は本当にすごかったですね。最高で、かつ青春が過ぎてゆくことが暗示されていて少し寂しくなるような回でした。
私は唯がギー太を貸している最中のローテンション、自分の楽器を自分より上手い人が弾いているのを見たときの表情じゃないか、と思って視聴しました。
自分のギターを自分より上手く弾かれるのって、いろんな感情が混ざると思うんです。
上手な人への尊敬、自分の下手っぴさ、上達したい熱意。
もしかしたらギターの気持ちまで想像してしまうかもしれません。
恋人が自分の友達と話して凄く大笑いしているのを見るような気持ちが近いかも。
ギー太を返してもらって、軽くコードを弾いたところ、あれは自分のウデがまだまだだって確認してしまったのではないかと。
私は割と大人になってからベースを買ってバンドを始めたので、自分の楽器を他人に上手に弾かれる事が多いのでそう思うだけかもしれません。』

自分でも弾いていたシーン、これだと理解しやすいですね。
とても一言で語れるわけではなさそうな、唯の珍しいローテンションなシーン。きっと今後の選択における大きな引き金になったと思います。自分がいるのは内輪の、HTTが中心の世界だけじゃない、ということでしょうね。
 
それを昇華したのは、さわ子の背中でした。

これが、唯から見たさわ子の「本気」の背中でした。
このアングルを入れてくるとかさ……ずるいよね!
泣きそうになるだろ! ほんとにさ!
唯はずっと不安なんですよ。期待もあるけど不安の方がでかいんですよ。みんなに置いていかれるようで、大人の見えない世界に放り出されるようで。だって自分はペースも遅いし、頭も早く回らないし……。そして一番大きなこととして、唯は決断が苦手。適当にやるとか人の後ついて頑張るとかは超絶得意ですが、自分で自分の道を取捨選択出来ない。
だけれどもどうだ、この本気の背中は!
普段、ボーカルとしてマイクに向かっている高校生の私。
今目の前で、本気でマイクを握っている大人のさわ子先生。
先程も書きましたが、先に生きると書いて「先生」です。
やっぱりさわちゃんは、私の先を生きる「先生」だったよ。
 
今回を、あるいはこの作品を大きく方向付ける一言が語られます。

唯「ねえ、憂。大人ってすごいねー。」
憂「どうしたの急に?」
唯「私も、大人になったら大人になるのかな。」

大人になったら、大人になるのかな?
いい言葉じゃないか。前の「大人」と後ろの「大人」はもちろん別の意味。
……いや、これに私感を述べるのは野暮ってもんですね。
このままにしておきたい。
 
その後の「ジュース飲む?」という憂に「今日はお茶にします!」という唯がまたかわいいんだな。
大人。大きな人。
不思議な言葉です。いろんな意味を含んだ言葉です。
大人になった今も、よくわからんよ。
 

●同じ道をたどって●

さわ子が舞台に登った時の、彼女たちの高校生活時代のシーンがたまらなくよいんですよね。
さわ子が「封印」したがっていた、あの過去です。
確かにやりすぎて恥ずかしい思いをしたのは事実だけども。じゃあそれは楽しくなかったのか?

そんなことはないよ。楽しかったに決まってるじゃないか。
ホワイトボードの位置も、カバンを置いている椅子も、何もかも今の軽音部と一緒。人数とお菓子がないのだけ違いますが、それは些細なこと。

新入生の勧誘もしました。
このシーンを見ると、さわ子が新入生勧誘で困っていた軽音部メンツの横で黙って聞いていたさわ子の姿のことを思い出します。
 
さわ子が歩んだ道。
それは今軽音部が歩んでいる道と、非常に似ています。
もちろん、個性様々だから必ずしも同じではありません。なんせ音楽性が全然違いますし。
しかし、高校三年間で燃やした情熱や「楽しい!」は同じだったはず。

だから、進路調査票には「ミュージシャン」と書いて突っ返されました。
あーあ、唯・律と同じだったよ! やっぱりだよ!

だから、八話ではこんな顔ができたんだよ。
梓とさわ子の見た、三年生の肖像「けいおん!!」第八話 その2
もちろん先生としては「それでいいですよ」とはなりません。分かっているからこそ、ちゃんと書きなさいというのが大人側のお仕事。でも分かるよ、分かるんだよその気持。そういうのあるもんだよねという共感があるから、さわちゃんは色々な生徒に愛される。

高校時代にみんなで撮った記念写真。
今にして思えば、ちょっと恥ずかしい思い出。恥ずかしい格好。

封印されたアルバムより。このとき撮った写真がちゃんと残っているこの演出はほんと丁寧。
アニメ冒頭のアルバム見て最初笑ってたのに、後半で写真撮って思いっきり青春しているところなんて見せられたら、こみあげてくるわい。

帰り道。
みんなで歩いた道。
唯達と全く同じです。何も変わってはいません。
学校で部活し、必死に打ち込み、帰り道に一緒に帰りながら思い出をまた一つ作る。
唯達も校外でのどうでもいい遊びや寄り道をしますが、それらはこうして思い出の1ページになるよ。
一生忘れない思い出になるよ。
 
そして、来るべき卒業の日。
これはまだ、唯達がたどっていない、唯達が今後経験することになる、そんな道。

卒業式の日のさわ子達は、晴れやかな顔をしていたよ。
色々な思いはあるけれども……とても笑顔だったよ。
ちょっとさわ子をアップにしてみます。

はいさわ子。
ものすごい唯に似てます。
もしかしたら、さわ子は律と唯を足して2で割った性格だったんじゃないか、と勝手に推測します。
唯ほど優柔不断ではないし天然ではないけど、律くらいの牽引力と、唯並の没頭具合を持ち合わせた子だったんじゃないかなーと。
だからこそ、軽音部の中でも唯と律には格段にてをかけているんじゃないかなと思ったりします。まあ二人が問題児だから、というのはありますが。修学旅行の時に話し聞かずに勝手に逃げ出しそうになったりとかなー。でもさわ子がひっぱたくのは律くらいです。さわ子がやたら目にかけるのは唯です。
 
もいっちょ。

卒業記念写真のさわ子達。あとはのりみと、右の子が番外編で出てきたライブハウス経営している人でしょうか。
(追記、ほくろがなかったため別の人の様子。WEB拍手でのご指摘に感謝!)
DEATH DEVIL 永久不滅」の文字がいいですね。
そうさ、封印したけれどもできないさ。永久不滅だからな!
この構図、どっかでみたことあるなあ……と思ったら、あ、あれだ。

一期第一話、一番最初のシーンの中学校の卒業写真にそっくり。
そうか、高校の卒業はこれからだけれども、卒業自体は彼女たちも経験済みなんだ。
さわ子の写真や思い出は、今の唯達の、先を生きた一つのカタチです。
「大人になったら大人になるのかな」と悩んでいる唯。
なるよ。なるんだよ。
でも今は悩むなら悩んだ方がいい。楽しむなら楽しんだ方がいい。
とにかく精一杯、一瞬一瞬に食らいついていって! ムギが必死に楽しんでいるように。
青春のカタチを、思いっきり見せて!
子供を見守るように見つめるように、しっかりと見つめさせて。憧れさせて。
 
けいおん!!」二期は、高校生にはもちろん見てもらいたい作品ですが、同時に大人、それも20代後半以上の大人に、さわ子視線で見て欲しいなあと思ってなりません。
これは例えです。「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」で細田守監督が作った「どれみと魔女をやめた魔女」という回があるのですが……それを様々な角度から丁寧に描いた一つの解答が、「けいおん!!」二期のような気がしてなりません。
似ているとかじゃなくて、「大人になる子供」というテーマが同じなんですよね。避けて通れないテーマです。それをどう描くのか?というのを、違う目線でアプローチしています。
少年・少女の心を持った大人はたくさんいますが、それでもやっぱり高校時代の子供とは違う、大人になっている。
ほんと、大人ってなんだろう。
 

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余談コーナー
 
余談その1。

お茶らける律と、それを見て笑う4人。これが軽音部の基本構造。
さわ子の真似をしているんですが、微妙にセリフが間違っているあたり芸が細かい。
 
余談その2。

メニューを人に渡さずに自分でとっちゃうりっちゃん隊員。さすがだぜ
 
余談その3。

メニューを選べない唯。
このへん「唯らしい」だけじゃなくて、進路が決められない唯の優柔不断さにもかぶってきます。

 
余談その4。

のりみ(クリスティーナ)を見て一瞬で過去の写真のことを思い出す唯。
こういう所で超人的な記憶力や集中力を発揮する唯さんまじパネエ。
 
余談その5。

先生!
澪の前のドリルの子の名前を教えてください!
このつんけんした感じがたまらんのうー。
隣(風子?)の後ろの席にいる地味子(姫子の友達?)の前髪ぱっつんっぷりがまたいいですね。
 
余談その6。

披露宴で強制的にメイクさせられた軽音部一同。メイクの時、「火吹いてみて」と言われた律が一番ビビっていたのが印象的です。こういう時りっちゃん隊員意外と弱いですよね。まあいくらなんでも火は吹けないけども、うまくいなしきれず一番ビビっちゃう子かも。
そしてあずにゃんが一番夢中になってさわ子を見ているのがものすごくいい! ジャズ寄りな子ですが、メタルに目覚めるか?目覚めちゃうか? それを見守る唯とムギがいいですね。
にしても唯の髪型はなんか寝癖みたいになってますな。
 
余談その7。

エス! メロイックサイン!
メタルのあかし!

こっちも。
つか下級生は統一してハウス名作劇場顔なんですね。唯達から見たらこんな感じ……ということなんでしょう。
 
余談その8。

花嫁はメタラー。新婚で明らかになる嫁の熱い趣味!
乗り切れてないけれども一生懸命になってる新郎がやたらカワイイと思ったのは自分だけでしょうか。
 
余談その9。

ムギの手が、ぷにぷにで、やばい。
ぷにぷにー。
 

即効発売、まさかのDEATH DEVIL新曲。
結婚式にあわせての題名「LOVE」ですが、呪われそうでなりませんがそこんとこどうなんだか。
あいかわらす「メタルCDっぽい」デザインでイカしています。やっぱメタルといえば炎ですなー。
 
今日もやられやく 『けいおん!!』第10話 平沢唯ちゃんの新曲だと思ったらさわちゃんの新曲だったでござる
今日もやられやく 『けいおん!!』第10話で特定した物や場所
ベースの特定は勉強になるのでうれしいなあ。
 
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一巻表紙きた!
一期の表紙にそっくりですが、梓がまじって、桜の花びらで遊んでいるという変形型。
にしても、ブルーレイ特典がえらいことに。

封入1:描き下ろし等身大布ポスター(唯)

ええええええええええ・・・・!?
封入って、でかくね!?
 

 

figma けいおん!  中野梓 制服ver.
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※本感想は、本放送放送地域在住の友人が録画したものを送ってもらった上でキャプチャ・引用しております。