「アマガミ」は本当にコミカライズに恵まれていますな!
ヤングアニマルあいらんどのはもう「キミキス」で立証されたように当然のごとく絶品ですし。
アンソロジーコミックは超有名所のエロ漫画家さんが軒を連ね、エロではない、しかしほのかにわくわくする少年的なエロティックを見事に描き上げています。
そう、いわば「リアルタイム」高校生がエロを見るのではなく、30代前後になった大人が、高校時代こうだったらいいなという憧憬的エロス……。エロいのに泣けてくる。
さてそんな中、メインヒロインの一人である絢辻さんを中心にした「アマガミ シンシアリーユアーズ」が発売されました。
そして開いて読んでみて、納得。
これは絢辻さんの物語だけではない。橘さんという変態紳士の物語だ!と。
●伝説の変態紳士主人公●
が、一番話題になったのは主人公の橘さんの変態っぷりでした。
お宝としてエロ本を愛好し、女の子に対しては平気で犬になり、またスカートの下の水着を見たいと堂々と言える男、それが橘さん。
アマガミ主人公・橘さんの紳士的言動集 - 好き好き大好きっ
犬の習性って凄いよな……。よし! 僕も飼い主の所に戻ろう
(なんてことだ……。もう犬ライフ最高じゃないか……)
「ちょっと……アイスをエッチな感じでなめてみたりとか……」
頭の中で思っても、普通は口に出さないことを平気で行動に移し、口に出す男、橘さん。
いかにすごいかはとにかくリンク先を見てください。
おそらく、ギャルゲー史上燦然と輝くレベルの変態紳士っぷりです。
まあそれでも「ギャルゲーはあんまり興味ないしなあ」という方は当然いると思います。
そんな人でも! 「アマガミ シンシアリーユアーズ」は橘さんの変態紳士っぷりを存分に楽しめるので、アマガミ未プレイの方でもおすすめします。
たとえば、冒頭、最初の1P目がこれです。
「ほほーう、これはなかなか…」
エロ本を吟味するところから始まる物語。それがアマガミ。
おかしい、おかしいよ。
おかしいけれどそれ高校生の男子そのものだよ!
まあ実際にこうやって見て広げていた人はあんまりいないかもしれませんが、「エロ本吟味大会をしたい!」という思いは絶対いっぱいあったはず。近くにかわいい女の子たちがいようとも、そこがボーナスステージ状態であることにも気づかずに(リスペクトby「恋忍」)エロ本を吟味する!
橘さんが「さん」付けで呼ばれる所以が1P目から全開フルスロットルです。
●橘さん変態紳士録●
ちょっと、どのくらい橘さんが「橘さん」なのか、見てみようと思います。
まずはこのシーン。
偶然幼なじみの茶道部少女梨穂子にぶつかってしまったところ。
よし
もう暫くこのままで居よう!
いや。
「よし」じゃねーよ。
ラブコメ的にはここは「うわあ!」とかなるところですが、橘さんは違うのです。
橘さんは「チャンスを逃さない」男! たとえ蔑まれようがなんだろうが、自分の欲望をさらけだす変態紳士です。
くっそう、自分がこの立場なら「あ、ごめん!」とか言いそうなところを正々堂々とポニョンポニョン出来る。
橘さんまじかっけえ。俺達の出来ないことを平然とやってのける。
次にこのシーン。
絢辻さんと偶然キスってしまい、そのことを考えていたらエロい妄想が膨らみ、「ひょっとして綾辻さんOKなんじゃね?!」と勘違いして白昼夢を見ているシーン。
白昼夢すぎて、別の女の子にキスを迫ってみたりします。
いただきまーすじゃねーよ。
キスされそうになっているのは、主人公の悪友(!)棚町薫。現時点では恋愛関係ではありませんが、男同士レベルのような感覚で接することのできる女友達です。
この「あ、ちょっと、やめて!」じゃなくて本気で拒絶しているのがいいんですよね。
多分これ橘さん、殴られるところまで納得してやってると思うというか、日常茶飯事に違いない。
さすが橘さん、俺達の出来ないことを平然とやってのける。
薫には容赦がないのも橘さんのいいところ。薫もまた橘さんには容赦がないのもいいところ。
薫と橘さんがラブラブになるルートもたまらんのですが、こういう「本当に悪友な男女友達」は見ていて小気味がいいです。
まだまだいきます。
憧れの絢辻さんを怒らせてしまって(その怒らせた理由も変態紳士すぎるんですが)謝りに言ったところ綾辻さんは寝ていました。
普通そこは気を使ったりときめいたりするところですが、橘さんはそんな甘っちょろい生き方はしません。
寝顔を拝見する!!!
じゃねーよ。
謝れよ!
セリフもインパクト絶大。
「なんとっ! 寝てらっしゃる!!」
基本的に絢辻さんに対しては下から目線な橘さんの素の言動がいちいち面白い。
ちなみに橘さん、そんな「拝見する」で済むわけがありません。
さすが橘さん、俺達の出来ないことを平然とやってのけ……すぎだと思います。
ああ、橘さんありがとう。
ぼくらの、「寝ている女の子のさらさらの髪の毛触りたい、匂い嗅ぎたい」という思いを実践してくれてありがとう!
本当にダメな男だな!(褒め言葉
もういっちょいきますか。
やはり言葉の使い方が特異な橘さん。その語彙力は天才の域に達しております。
まさに、橘さんにしか出来ない言葉を平然とはいてくる!
おっ、おしりが生(な)ってるッッ!!
バキのセリフみたいですね。しかも「生ってる」と書いて「なってる」って。
橘さんの脳内は成人男子の「高校生男子の時こんなことしたかったなー」の凝縮であると同時に「ちょっとそれは思いつかないよ!」という部分までカバーしてくれます。
橘△。
●変態「紳士」と呼ばれるワケ●
さて、マンガ版の彼は極めて変態ではありますが、それでも男子女子共に割と愛される存在です。
いや、言い換えます。愛されてはいませんです。嫌われない存在、です。
彼は「変態」なんじゃないんですよ。「変態紳士」なんです。
分かるでしょうか。「変態」であれば自分の欲求を通すだけです。
しかし自分の変態性に誇りを持ち、かつ周囲への配慮を持ってたくましく生きている、そしてムードメーカーとして道化らしさも買って出る。
つまり「単なる変態」か「心根のいいピュアな変態か」の違いです。
周りに迷惑はかけていても、その分いい人間らしさをも持っている、それが橘さん。だから魅力もあるのです。
特に「シンシアリーユアーズ」では親友とのやりとりがすっげー楽しい!
愛してるぞブラザー!
ここで「任せとけ!」と親友が言ってくれるのも、橘さんが人助けのために動こうという純粋な親切心の持ち主だからに他なりません。
橘さんほんとピュアなんですよ。だからこそ思ったことすぐ口に出しちゃうんですが、同時に「助けてあげなきゃ」とか思ったらすぐ助けに行ける。すっげーいいやつなんです。この親友もナイスキャラですが、橘さんはぶっちゃけ友達にしたい。
男に人気にあるタイプの人間だと思います。女の子には嫌がられるかもしらん。
骨は俺が拾ってやるぞ!
オマケに砕いてタイルにして女子更衣室の床に敷いてやるよ!
泣ける話じゃないか!!
・・・泣けるよね?男なら。
そんなわけで、橘さんかっこいいのです。男から見て。
まさに「高校時代こうしたかった」という体現でありつつ「高校時代の俺たちはこんなことばかり考えていた」という記憶の権化でもあり、さらに「高校時代の男子としてのありかた」をも持ち合わせたナイスガイです。だからすげー笑いながら許せちゃうんですよ。
女性から見たらどうなんでしょうね、橘さん。変態発言多すぎますが、紳士分がプラスになるかマイナスになるか。
そばにいると割と楽しいタイプだと思いますが……。
ちなみに絢辻さんはそんな立場さんを、一巻では素でバカにしてます。
というかバカにしてくれないと困る。
だってバカだから。
かっこつけてみたふりをしている橘さんに対して「なにやってんのコイツッ」と笑える綾辻さん。
だよね。これが現実だよね。
絢辻さんの反応が非常に正しいので、ほっとします。と同時に橘さんの変態紳士っぷりがクローズアップされまくり。
もっとも、綾辻さんも相当に歪んだ性格の持ち主なので、この漫画においてはかなーりいいコンビっぷりを発揮してくれます。
これがヒロインなんだからすごいよね。
変態紳士と仮面優等生の奇妙な関係。
表紙の見た目は爽やかだけど、非常にトンチンカンなラブコメに仕上がっています。お見事。
是非とも「アマガミ」体験ない人でも、このコミックスから「変態紳士」の魅力を堪能していただきたい。
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ここからはゲームやっている人向け。
他のキャラですが、非常に出番少ないです。
薫が友人役としてそこそこ絡む程度。七咲達後輩陣はまだ出てきません。梨穂子は幼なじみなのに出番は上のコマくらい。くそうーー、梨穂子にもっと出番を!むしろ梨穂子をヒロインに!(血涙
とはいっても、薫や梨穂子は確かに絢辻さんとの接触自体があまりないため、物語に絡ませづらいので、このくらいばっさり切るのは正解だとは思います。まあね。あんまり梨穂子出番多いと逆にそっちに気をとられて綾辻さんルートにいけなくなるものね。モジャもね。
ところがそんな人間関係を余裕で飛び越えてくる凄まじい人がいます。
森島はるか先輩です。
さすが! 主人公と犬ライフを繰り広げるだけのことはある!
橘さんの頭の沸きっぷりもすごいが、森島先輩の沸きっぷりもすごい。
それがダイレクトに漫画にねじこまれて、不自然じゃないのがおそろしい。さすがだぜ森島先輩。
気をつけないと橘さん、漫画でも森島先輩ルートにいきそうな勢いです。
あと、異常なほどに愛を持って描かれているのが妹の美也。
自分も梨穂子の次に好きな子です。かわいいよ美也!
美也の天然っぷりは、この変態紳士兄あって、この妹有りという感じです。そこがいい。
非常にいい妹として随所で登場するので、美也ファンは楽しみにしていていいと思います。
というか、作者の発言がすごい。
ヒロインを美也で単行本3冊くらい出したいって言ったら担当に一蹴された
美也は意地でも出すっ!! これだけはゆずれないっ
桜小鉄先生。
あんた……紳士の中の紳士だよ!(涙を流しながら
関連?
幼馴染…それは近いから戸惑う存在。ぽっちゃり幼馴染、桜井梨穂子さんに愛をこめて
いまだに梨穂子ルート以外を選ぶと心が痛んで前に進めない自分が通ります。