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律の、失いたくない夏の思い出「けいおん!!」第12話 その2

夏フェスで最高の思い出をつくろう!「けいおん!!」第12話 その1
先程は澪の「ひらけた」話を書きましたが、今度は逆に律の表情に注目しながら12話を見てみます。
 
 
ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
 
 
 

●ローテンション●

夏フェスです!

もちろん律も楽しみますよ!!!!
……ところが、今回の律すごく変なんですよ。
 
第一話の「バンドやろうよ、バンド!」と澪に持ちかけたシーン覚えているでしょうか。
あれは律が「ウッドストック」のDVDを見て興奮し、ザ・フーキース・ムーンに憧れたから、でした。
だから当然、彼女にとってフェスは楽しみでしょうがないイベント、のはずです。
実際、上のカットのように音楽の最中はものっすごく楽しんでいます。
 
ところが今回、りっちゃんめちゃくちゃローテンションなんですよね。
なんで?と聞かれたら「ツッコミ役だから」「澪のハイテンションを浮き立たせるため」が正解かもしれませんが、どうもそれだけとはとても思えない。
だって澪とおなじくらいはしゃいでいいはずじゃないの?

浮き足立つさわ子を見て、妙に冷静なりっちゃん。
まあツッコミ役としては正しい反応ですが、ふだんの律なら「おー!」「さわちゃんくどい!」とか口に出しちゃうくらいの勢いなはずなのに、言わないんです彼女。

ここでもさわ子に対して妙に冷めているんですよね。
まあさわちゃんの友人がみんなキャンセルした、というのは原作でもあった話なのでそのままではあるんですが(多分さわ子がテントで騒ぎすぎて付いてこれなかったか、逆に生徒のこと考えて気を使ったと読んでます)にしても律、ちょっと冷静すぎる。
相手のテンションが上がり過ぎると自分が下がってしまう、というのもありますね。だからこそさわ子と澪を見て、一歩引いているのか?
 

●律の視線●

律が夏フェスを楽しんでいなかったかと言うと、間違いなく楽しんではいました。
しかし、一歩引いているんです。少なくとも中心にいない。
このカットが非常に分かりやすいと思います。

澪がものすごいテンション上がった瞬間、彼女は一緒にはしゃぐ前に澪のことを見ているんですよね。
 
律にとって、澪はかけがえの無い大事な存在です。
その彼女が、今までになかったくらいにハイテンションで楽しんでいる様を見ているこの目線、まるで親兄弟のようです。
第一期の学園祭ライブで、人前で歌うのが嫌だった澪がおもいっきり歌っているのを見ている時の視線にそっくりじゃないですか。
ただし、学園祭ライブではモノローグが入りましたが、今回は入りません。

バスの中ではしゃぐ澪に対しても似た様な視線を贈ります。
「オープニング間に合うよな!?」「大丈夫だってー」
律が夏フェス経験あるからなのか?会話だけ聞いていると梓ですら夏フェス経験ないようですが、律は妙に知っていたので体験済みなのかもしれませんが……。
 

はしゃいで次のステージに走っていく澪を追いかける律の顔。
楽しさに乗り切ってませんね。
澪がもう、自分の力なしでも一人で元気に楽しめるようになった、という思いもあるでしょう。
しかし同時に、彼女の心には何かリミッターがかかったままになっています。
むしろ、3年生の最後の夏だからこそ、彼女の心にリミッターがかかってしまっています。
 

●最後の夏●


これは、夏の合宿の打ち合わせをしている軽音部の面々のシーン。
みんな正座なのに、律だけみょーにリラックスしてるんですよね。しかも夏フェスのうんちくを語ってみたり。
 
律は部長です。
そしてものすごい機動力を持ったエンジンでありながら、同時に非常に繊細で脆い心の持ち主でもあります。

ふっとした瞬間に、それが出るんですよね。
妙に冷めてしまった自分。
実は冷めているんじゃなくて、不安なんじゃないだろうか。何かが怖いんじゃないだろうか。
 
律が「けいおん!!」第一話で、ひとりだけ妙に校歌をローテンションで歌ったの覚えているでしょうか。

これにすっごい今回近いものを感じてならないんです。あくまでも自分の感覚ですが。
この一年を貪りつくすほどに楽しもうと一生懸命なムギ。
それに対して一つ一つのイベントごとに慎重になる律。一期とある意味逆です。
 
終わりくる3年生の、軽音部の時間に対してもっとも不安を抱いているのは律なんじゃないだろうか?
今、こんなに楽しい。
そしてどんどん新しい世界に飛び出していく自分たちがいる。
広い世界に足を突っ込んで、前に向かって大人になっていく自分がいる。
唯も同じようなところでつっかかりを持って、アンニュイになるシーンがありました。
大人になったら大人になれるのかな。「けいおん!!」第10話
「大人になったら大人になれるのかな」
けいおん!!」を体現するかのような言葉だと思います。
しかし唯は「大人」になることに対して割とポジティブです。

唯もまた、最後の夏であることをすごく理解しているんですよ。
だから、こうして遠くから聞こえる音楽を一人で聞いています。
一人でですよ。途中からみんなが来るとは言え、あの唯が一人で聞いているんですよ。
他の子にちょっかいを出したり遊んだりしないで、一人で明かりを見ている。
これってすごいことだと思うのです。今自分たちが3年生であることを噛み締めているんです。

唯の周りには輪ができますそして言います。
「私たちの演奏の方がすごいよね」
プロ相手に!と笑えるシーンなんですが、これは原作でもキモになっている重要なシーンです。

自分たちの演奏の、一体感の心地良さは、私たちの中では一番だ!
唯だからこそ言えるシーンです。
そもそも最初、「目指せ武道館!」と言っていたのは律でしたが、ここでは逆に律が引け腰になっちゃうんです。私たちの方がいいバンドだ、という唯の言葉に対してそれはないと。
ここが、唯と律の「未来」に対しての思いの違いだと思います。
 
唯は比較的、不安を持ちつつも「大丈夫だ」と言葉に出来る子です。
無論図太いわけじゃないんです。たーくさん不安持っている子なんです。じゃなきゃ一人で丘に座っていたりしません。
だけど、言葉にすることで乗り越えようとする力がある。残念ながら人を巻き込む推進力まではないけれども、「一歩」を踏み出す力を持っている子です。
反対に律はいざという時の「一歩」が極めて苦手な子です。
動き始めた時の推進力やリーダーシップはあるのですが、踏み出す勇気が湧かない、不安に負けそうになる子です。

唯の屈託の無い言葉を聞いて、律はこんな顔するんですよ。
「そう、オーラが!」と唯がいうのを聞いて、こうやって微笑むんです。
「オーラって、意味わかってるのか?」「さぁ?」
唯の「さぁ?」は二期では意図的に繰り返し使われていますね。一期一話の和ちゃんとの会話のトーンそのままに。
 
律はおそらく、唯の気持ちを痛いほど分かっているんだと思います。この二人ものすごく似ているところがある。
律はエンジン。唯は鍵。二人がセットになることで、唯はまっすぐ修正をしながら進めるし、律は背中を押されて勢いづくことが出来る。かけがえの無い仲間なんです。


このシーンの律の顔!
青春って、楽しいし、面白いし、ふわふわしてたりもするけど、甘酸っぱくて、時々苦い。
その苦味に対してほのかに怯えている律が、唯によって弾みがついた。
「今度は聞くほうじゃなく、演奏する方で夏フェスに参加する!」
澪の言葉が本音かどうか、それはどうでもいいんです。律も一旦は突っ込みますが、それが実現するかどうかは別問題だというのを理解できるんです。
澪だって、唯だって、梓だって、ムギだって、自分たちを過大評価してるわけじゃない。そうじゃないんだよ。
じゃあなに?なんなの?
それは言葉にするのは野暮ってもんですね。
オーラ
それでいいんじゃないかな。

律「そうだよな、ここで演奏できたら、すごいよな!」
唯「これからもずっと、みんなでバンド出来たらいいね」

唯と律は事あるごとに、これからの心配をします。
今楽しいことは、終りが来る。
だがそうか? 終りが来るのか?
違う。もしかしたら終わるかもしれない、もしかしたら終わらないかもしれない。そもそも近くにさわ子先生という素敵な存在がいるじゃないか。
唯と律の会話は本当にぎゅんぎゅん泣けてきます。
いいじゃん。終わるかもしれないし終わらないかもしれない。どっちもでいい。
ただ言葉にしよう。
これからもずっと、一緒にバンドやりたいね。

「そうだな」
部長として、相槌を打てればそれで十分。
りっちゃん。
大丈夫だよ。
今は「そうだな」でいいんだよ。
 

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余談コーナー
 
余談その1。

ムギさん眉毛充実しすぎ回でした。
どんだけ焼きそば!
やっぱり焼きそばパンつながりなのか!?
今の楽しい時間のこと、大人になったら忘れちゃうのかな。「けいおん!!」第七話
青春+焼きそばってきくとどうしても川本真琴を思い出してしまう。
っつーか、焼きそば屋さんは掃いて捨てるほど夏フェスであると思うんですが、特別においしそうな焼きそばだったんでしょうか。
逆に唯が選んだのがマリナーラピザとかマニアックすぎだよ。
夏フェスだと、ケバブとかカレーとか、エスニックなのがうまいよ!
北海道のライジングサンに来る人はスープカレーも食べてね!
 
余談その2

またしてもムギです。
ムギファン大喜びの回だったと思います。どんだけムギ楽しみまくってるの!!
でも夏フェスの楽しみ方って「音楽を聞く」だけじゃないので、これは正しい楽しみ方だとぼくは思います。
ただし、服装は気をつけよう、な! 来年からは、な!
(来年も来ること前提で!)
 
余談その3

熱狂の渦にいるのも夏フェスの面白さなんですが、個人的にこうやって一瞬休んで、遠くから俯瞰して見るのはすごくおすすめ。
きっと30でも40でも50でも、しんみりと幸せな気分になれること間違い無し。
そう、夏フェスは子供でも、50代でも楽しめる自由で幸せなイベントなんだ。
 
余談その4

山の夏フェスは川が流れてたりします。
海の近くの夏フェスは車で途中抜けて海に行くのも楽しい。
楽しみ方は色々。
 
余談その5。

原作では「プレイング・マンティス」のTシャツでした。
プレイング・マンティス - Wikipedia
「PLAYING MANTIS」と「R」と「L」が違います。

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ただそのままだとアレなので、「KAMAKIRI」。音楽ネタ挟んできますねー。
  
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夏フェスで最高の思い出をつくろう!「けいおん!!」第12話 その1
律の、失いたくない夏の思い出「けいおん!!」第12話 その2
 
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大体のイベントが2000年前後から始まって、大体10年。
夏フェスは毎年進化しながら、でかくなっていきます。
今回の「けいおん!!」で興味を持った人も、思い切って飛び込んでほしいなあと願うばかり。
そして自分はコミケと重なったのでライジングサンに行けないのを悔やむばかり。キィーっ!いっそ一週間前から行ってサマソニに参加するべきなのか!
 
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お?なんだろう。
今回のロックフェスの曲の完全版とか収録されていたらちょっと欲しい。ゆいあずの曲とか。
 お金振りこんできたよ!!!
届くの楽しみペロペロ(^ω^)
 


 
※本感想は、本放送放送地域在住の友人が録画したものを送ってもらった上でキャプチャ・引用しております。