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「パンティ&ストッキング」8話Aパート「・・・オブ・ザ・デッド」は、非常によいゾンビ。

パンティ&ストッキングwithガーターベルト」の8話Aパート「...オブ・ザ・デッド」がもう、めちゃくちゃよくてですね。
まあ「めちゃくちゃ」という意味でよいのは毎回なんですが。めちゃくちゃじゃない回ないし。
そういうのをさておいても、ゾンビ映画のオマージュ物として非常によく出来ていたなあと思います。
 
で、タイトルなんですが「・・・オブ・ザ・デッド」とは、逆に前をとっぱらっちゃうとはやるなあ、と思ったらこれ元ネタあったんですね。
ゾンビに詳しい方に聞いたら「サバイバル・オブ・ザ・デッド」は最初「・・・オブ・ザ・デッド」という題名にする予定だったそうで。
そこからか! マニアックすぎだよ! わかんないよ!
……とはいえ、わからなくても全然平気なのがパンストクオリティ。多分誰かが分析解説している!はず!しらんけど!
それよりもゾンビ映画的に面白い内容だったので、ちょっとメモってみます。
盛大にネタバレなので収納。
 
 

●ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!●

「ゾンビ」というのがもう一ジャンルとして定着している、つーよりも「ゾンビという概念が定着している」くらいの時代だと思います。
モンスターもの、パニックもの、じゃなくて「ゾンビもの」なんですよね。
生きているのか死んでいるのか分からない、生ける屍の恐るべき魅力。
 
自分もゾンビ好きですが、映画とかそこまで全チェックしているわけじゃないのでてきとーにそれっぽいのを切りだしてみます。


ロメロ&カーペン・タウン。
言うまでもなく、ジョージ・A・ロメロジョン・カーペンターでしょう。
あれ、ジョン・カーペンターってゾンビ映画撮ってたっけ?と思いましたが、「警察に立てこもる」というあたり「要塞警察」ネタかもしれません。

ゾンビ映画といえば立てこもり!
噛まれる・ひっかかれると感染する、というタイプの場合は、ばらけるより立てこもって反撃に転じる方が有利なんですよねえ。なのでゾンビ映画では定番中の定番。
そして、入り込まれてえらいめにあうのも定番中の定番。

YES! ロメロ!
この構図は本当に偉大ですよね。ゾンビは数が多いのが怖いんだ。
おそらく光っているのが「ゾンビ化されたゴースト(ゴーストではない)」で、光ってないのが「感染者」でしょう。
……ぶっちゃけこのへんの設定は割とどーでもいいのがパンストクオリティ。
でもきっちり描き分けられています。
 

ゾンビを吹っ飛ばすといえばプロパンタンク! 鈍器にもなるよ!
今のゾンビ映画・ゲームだと定番中の定番ですが、発祥はどこなんでしょうね。
ムチでゾンビ倒すシーンもありますが、こちらも発祥気になります。
バイブでゾンビ倒すのはパンストが初だと思います多分。
追記・コメント欄から、情報に感謝!「ゾンビ」のリメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」(ザック・スナイダー監督)が発祥ではないかとのこと。またその前の「バイオハザード」シリーズにはすでにあったとの情報。
 
先程のカットより分かりやすいですね。全裸で光っているのが「ゾンビ化されたゴースト」、感染者は人間型で、服を着ています。
ここで注目すべきは、「感染=死んだ」とは限らない、ということです。
物理的には死んでるけど、動いているから生きていると認識するのか?
あと人間はこの回ではゾンビ化することで精神も失いますが、天使・悪魔・ゴーストはゾンビ化しても意識があるようですね。ゴーストはもともと攻撃的なので、ちょっと曖昧ですが。
 
 
ゾンビを倒すにはヘッドショット!
これもゾンビ映画の基本中の基本。もちろん作品によっては手や足だけでもうごくゾンビもいますが。
初出はなんだろう?詳しい人に任せた! ロメロの「ゾンビ」の頭潰すとこかなー?
ゾンビ (映画) - Wikipedia

ナタで頭を割られるゾンビ:レナード・ライズ

キャスト名で大笑い。

ナタで頭を割られるゾンビ役のレナード・ライズは、アメリカで開催されているホラー映画コンベンションの常連である。自分のブースでは、撮影に使ったナタと同型の模型や自分の頭を割られるシーンをプリントしたTシャツなどを販売している。

うーん素敵。ほしい。
とはいえ、木っ端みじんに砕けば襲って来られない(例・さっきのプロパンタンクなど)というのはわかるんですが、脳を破壊すればOKというのはつまり「生きている可能性がある」ということなんでしょうか。
あるいは噛み付かれないように?
このへん映画やゲームごとに設定異なりそうで面白いですね。
 

なぜかブルース・リーごっこをするストッキング。猫ゾンビの脳みそにバイブツッコンでブルブルさせてます。
ギリギリアウトー。でも面白いのでセーフ。
色々英語圏では逆に放送できない用語を、日本語圏だからと思って使い放題でした。ファッキン!
 

これわからないんですよね。
ショットガンを撃つ際にガーターがバイブで引き金を引いているというアホなシーンなんですが。
そもそも引き金を指ではない別の棒で引く、っていうのが何か元ネタありそうで。ゾンビ映画にあるのかしら。
追記・コメント欄より、情報に感謝!「フロム・ダスク・ティル・ドーン」で十字架ショットガンが! あと削岩機バイブのネタもここからっぽいですね。
フロム・ダスク・ティル・ドーン|ロバート・ロドリゲス - Heartfield
あわせて、最初に炎椅子で突っ切ろうとしていた囚人の一人がダニー・トレホそっくり。「フロム・ダスク・ティル・ドーン」好きすぎですね。
 

●どーでもいいんじゃね?●

で、問題なのがこの後のシーンです。
ゾンビをいかに倒すかが重要なはずなんですが、途中から方向がガラっと変わります。

はい、バッチリ感染しました!おめでとう!
なにやってんだー!
しかしすごいですね。天使に感染するゾンビて。
理屈を超えたものを感じます。まあ肉欲の強い天使様達なのでごもっともかもしれませんがー。
あんまり深く考えても仕方ないんですが、死んだ二人が天使になって、肉体に憑依している、と考えることもできるかもしれません。

悪魔ですらもゾンビになります。
ニーソックスさんの脚は腐ってもげ落ちています。こっちは正体いまいちわからないですが、悪魔をもゾンビ化させるとなると、生死をこえた「ゾンビという状態」が最高度に強い、ということです。
そういえばガーターさんがブードゥー教の話を出していましたが、こちらの元祖ゾンビ(生ける屍ではないほう)はゾンビ・パウダーをつかって仮死状態を作って操るという、「自発的意思のない人間=ゾンビ」というのが定説。
つまりパンストも、デイモン姉妹も、今生きているか死んでいるか分からないわけです。その曖昧さをさして「ゾンビ化」と呼ぶ。
「レフトフォーデッド」「デッドライジング」は感染・寄生なので、生きている人間の精神を乗っ取って操っている、という考え方もあります。
死体をゴーレム化させると同時に、噛まれたあと死なずにすぐゾンビ化するあたり、パンストの方も「感染型」の可能性大。
この曖昧さをしっかり押さえているからこそ、今回のゾンビパロディは、「やるな!」とうならざるを得ません。

興味深いのはこのカット。
他の感染者と違い、生前の記憶を持っているパンティとストッキングですが、「生きた人間を食べたい」というカニバリズム欲求に突き動かされているんですよね。そう、半分はパンストのままだけど、半分はもう自らの意思ではない!
盛り上がってまいりました!
ぼくが!
 
ここ、ここがゾンビの魅力。
「ゾンビという状態」は恐怖なわけでしょう。
襲われてどんどん仲間がゾンビになっていく!
噛まれたら自分もゾンビになる!
怖い!
……ほんとに? ほんとにこわい?

肉は削げ落ち、ストッキングに至ってはなんか串刺しになったままなうえ右腕がないというえらい有様。
食っているのは「生肉」であることを考えると、最後まで生き残ったガーターでありましょう。いやーんカニバル。

パンティ「朝んなってももどんねえじゃねえかよ」
ストッキング「困ったね」
パンティ「どうする?これから」
パンティ&ストッキング「うーん」
パンティ「どうでもいっか」

END。
 
え、END!?
酷い投げっぱなし!
その次にすぐに元に戻っているのがなぜかは考えても仕方ないので「ギャラクシーエンジェルみたいなもんだ」と押さえておいちゃおう!イエス
きちんと考えるなら、「通販悪魔生活」の「ゾンビリキッド」の効果がキレたからでしょうか……あれ、腕は? 
やっぱ考えるのやーめた。
 
そこが大事なんじゃない。
「意外とゾンビ生活快適そうじゃない?」ってところですよ。
要するに、食料確保と腐敗の進行さえおさえられて、街全体がゾンビなら、それはすこぶる平和だってことですよ。
つまりこういうことですよ。
ぞんびだいすき

行く手を阻む数々の困難を乗り越え、
ぞんびたちは平和な牧場での日々を取り戻せるのでしょうか?

みんなゾンビなら平和なんですよ。
これって理想郷?
 
新井素子の作品で、全員が吸血鬼になる世界を描いた小説がありましたが、似たようなものですね。
パンストが最終的に選んだのは、「ゾンビ生活もいいんじゃね?」というオチ。
さて、これをよしとするか否とするか、それは見る人に託されます。
……ってほど真剣に見なくてもいいんですが、そういう含みがあってこその「ゾンビ」作品群の面白さ。このボーダーのハンパ感がゾンビの面白さなんですよねえ。
だいすきゾンビ!
 

Panty&Stocking withGarterbelt The Original Soundtrack
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画像キター! 逆作画崩壊パンストが好きすぎて頭がおかしくなりそうです。
Bパートも面白かったなあー。元ネタは「12人の怒れる男」だとして、サルとかあたり元ネタいっぱいありそうで。