たまごまごごはん

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おっさん、少女、銃器。これぞソノケン!「ブレット・ザ・ウィザード」

園田健一先生、通称「ソノケン」メッチャ好きなんですよ。
もちろんはまったのは「ガンスミスキャッツ」から。なにがいいってミニー・メイがいいよね!
賞金稼ぎのインド系イギリス人ラリー・ビンセントもかっこいいんですが、ミニーはキャラ的に別格中の別格。
だってね、ミニーの特徴書いていきますよ。

・恋人のケンのために、幼い容姿のままでいられるよう漢方の秘薬で成長を止めている。
・娼館で働いていたので、超絶ベッドテクニックの持ち主。
・爆弾の専門家でボムフリークス。

ね!
ガチなんだよ色々とさ!
え、ガチだったら「幼い容姿のまま留めるんじゃなくてリアル少女のほうがいいだろう」って?
いやいや。言い訳が入っているからこそ、ガチっぽくていいんですよ。
銃器や爆弾の方のネタもガチンコ。特にソノケンの銃狂いっぷりはハンパではないので、銃好きにはたまらんものがあります。
 
そんなソノケンの新作が「ブレット・ザ・ウィザード」。
ブレット・ザ・ウィザード(1) (アフタヌーンKC)

もうね。
一分足りとも期待を裏切らぬソノケンでした。
 

●銃ってのはなあ、銃ってのはなあ!●

今作の舞台は60年代アメリカ。色々鬱屈がたまってデンジャラスだった時代です。
もちろん基本はガンアクション。
で、ソノケンといえば銃器のディティールへのこだわりなんですが。

はい、今回も滅茶苦茶細かいです。
ここに描かれているリボルバーは特にこだわりのある・・・というか秘密のある逸品なんですが、それに対してのキャラのセリフがいいんですよ。

「ふむ……やはりS&WのKフレームはスマートで良い。357マグナムじゃなく38SPというのもいい。マグナムじゃフレームが長持ちしないからな。
それに何と言っても素晴らしいのはシンプルな溝サイトだ。どんな体勢でどこから抜いてもリアサイトでひっかける事も切る事も無い。M19はみ出たリアサイトで少し切るケガをした事がある身としてはありがたい。
そして最も魅力的なのはこの太いヘビーバレルだ。38SP弾でこのフロントヘビーはすばらしい安定性を生むだろうな。」

まだまだ続きます。
もうなんか、すごいでしょ。
用語がさっぱり分からなくて頭に大量のはてなが浮かびまくりますがな。
銃一本を説明するのにこの分量。それを実際に絵に描くこだわり。
銃好きという域を超えてますよ。銃フェチですよ。
 
雑魚敵の持っている銃も一本一本ばらばら。
銃器を見るだけで好きな人にはたまらない。これぞソノケン作品の醍醐味の一つです。
サブキャラでそこそこ強いライフル使いとショットガン使いも出てきますが、このスナイパーライフルとショットガンの使い方描写も素晴らしい。
いやあ、たまらんね。本から硝煙の匂いがぷんぷんするぜ。
で、先程のリボルバーの秘密ですが・・・それは読んでのお楽しみ。
ただのガンアクションではないです。ヒントは「ブレット・ザ・ウィザード」というタイトル。ギミックと使い方が非常に面白いのなんの。ちょっとした能力バトルの性質ももった作品になっています。
 

●ようじょ●

さて、先程のミニー・メイの話のように、ソノケン作品の少女は重要!
おっさんと少女の組み合わせはなぜこうもロマンをそそるのか。
だってこのコマ見てくださいよ。

いやっほう!
イカ腹体型バンザイ!
・・・すいません取り乱しました。
別にエロいことをしているシーンじゃないです。むしろ死にそうなシーンです。
ですが、この少女の天使っぷりが半端じゃない。主人公が人殺しをも厭わないハードボイルド男だからこそ、対比としてこの少女が輝きまくります。
実はこの子も色々ギミックがあるのですが、それも読んで確かめてください。なるほど「ブレット・ザ・ウィザード」だなと感じるはず。
そして、その設定のおかげで面白い話の展開にどんどん転がっていきます。
 
もう本当にねえ。
魅力的な少女を描くためによくここまでやったなあーと。
ソノケン素晴らしいですよ。
エロとか一切抜きにしても、「おっさんと少女」という組み合わせにロマンを感じる大人って多いと思うんです。おっさんは男らしくてハードボイルドであればあるほどいい。
性をあからさまに出さずに(とある理由のせいで)、それを魅力的に描いているので、私大満足でございます。
しかもほら、ソノケンだからさ。

いためつけるときも、容赦無いですしね。
真上からスナイパーライフルで撃ちぬかれたシーンです。
うむ。素晴らしい。色々よく分かっていらっしゃる。
どうなったかは・・・これも言えないので読んでみてのお楽しみ。
 
ソノケン好きならマストバイ、そうじゃなくても「銃+おっさん+少女」が好きならまず買って損の無いマンガだと思います。あとは能力バトルや知的ガンアクションが好きな人向け。
当然世界観は殺伐としていますが、なんだろうね、ブラックラグーンなんかもそうですが、殺伐としているものを見るとホッとすることってありますよね。