たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「デンキ街の本屋さん」の先生がちょっとかわいすぎて生きているのが楽しい。

デンキ街の本屋さん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
またしても、マンガの中でときめく相手を見つけてしまいました。
恋です。これは恋です。
だれかというと、デンキ街の本屋さん」に出てくる先生というキャラです。
まあ、先生と言っても本当の先生ではないです。あだ名です。

この子です! かわいい!
もっさりした感じの雰囲気。
しっかり者でありながら、気を抜くとやたら弱気な性格。
派手な衣装は着ないけど、そこそこ身だしなみに気を遣うハンパっぷり。
もくもくと一次創作同人をやっているけどそこまで精神的に強くない(弱くもない)生き方。
男っぽいしゃべりかた。
前髪ぱっつん。
めがね。
丸ペン
ジャージ。
大好きすぎる。
一目惚れというかストライクでした。まずは見た目が。次に性格が。
 
そんなわけで先生の話だけします。
本作の詳しい内容は他の紹介サイトを見てください。ぼくは先生の話がしたいんだ!
 

●オタク系マンガショップあるある大作戦●

いわゆる「あるある」ネタの宝庫なマンガです。どこのあるあるかというと、コミック専門書店。
広そうで狭いですね。かなりピンポイントです。

シュリンクなんかは書店だったらどこでもあるあるネタだと思います。実際こんな感じなんでしょうか。
書店員さんの話を聞くと「熱くてツライ」とはよく聞きますが。
特にコミック専門書店だと、同じ本を何十冊もまとめて入荷してタワーにしたりするので、なおのことかもしれません。
 
こんな感じで、全編にわたってオタク系ショップあるあるを軸にネタをつくっています。そこにアニメ・マンガ・ゲームネタも小ネタではさんでいるのでとにかく飽きない、面白い。
とはいえ、完全なリアル実録物ではないです。
どちらかというとあるあるネタ半分、ファンタジー半分という感じ。
このファンタジー分がどの方向に割かれているかというと、主にブコメ分です。
ヤッター!
まあ実際、水着で水を掛け合うイベントをデンキ街中ではやるわけないですが、そこはほら、せっかくの水着回を入れないといけないけどプールとか海にはいけないから!ほら!
その他にも、「同人誌即売会にオタクショップ店員が全員一斉に行くとか絶対ない!」というファンタジーもありますが、このへんは作者が「どういうシーンを見せたいか」がすごくはっきり出しているので、あんまり気になりません。
だってー。ショップで知り合った仲間たちでちょっときになる異性がいるような状態でコミケとか、ちょう見たいじゃーん。
 
で、中でも先生というキャラは割りと濃いめのオタク。
というか出てくるキャラみんな何かしらのオタクです。みんなアグレッシブに活動するようなキャラ揃いですが、本を自作しているキャラは先生くらい。
だから「先生」です。まあどうしてそう呼ばれるようになったかは読んでのお楽しみ。
・・・くーっ(そこを思い出して悶える)
 

●長い道のりも●

主人公の海雄くんは、ある同人作家の作品が大好きでした。
それが偶然にも(というか必然か?)先生ちゃん。
こんなファンがつくくらいですから、人気がある作家ではあるんですが、即売会のシーンを見ると「今日も完売しなかったー」と言っているあたりがリアル。「まあ始めは大手に行くから」というセリフもありますし中堅サークルってとこでしょうか。
加えて創作サークルだからなおのことかも。水あさと先生自体が創作同人誌をやっている方なのでこのへんの描写はやたらい生々しいんです。
んで、黙々と家で原稿やっているとき、真剣にはなっているものの全然大人っぽくなく「もう描けないよー」と駄々をこねる気持ち、わ、分かる、分かるよ!
最初はそんな先生ちゃんを、ヒロインのひおたん、先生ちゃんのファンの海雄くんで手伝いに行くんですが、終電が来たら当然帰らざるを得ません。
彼女は言いますよ。
「そろそろ上がっていいよー。うんありがとー。あとは一人でやるから」
これはもちろん本音でしょう。迷惑かけられないしなーと。
しかし、でもしかし、本当の本当の本音は・・・一人で原稿やるのツライに決まってる。

そんなときにこんな風にやってこられたら!!!
惚れてまうやろ!!!
なあ!!!
 
先生ちゃんは強気なことを言うし、無理矢理に頑張ろうとするキャラですが、すっごい弱いです。めちゃくちゃメンタル弱いです。
弱いのを隠していかに上手くやっていくかを学んできた先輩キャラなんですよ。
実際、本当に頑丈な人ってそうそういなくて、みんな折り合いをつけてなんとかやってる場合だってあります。
特にマンガを描くという孤独な作業だと、どこかで折り合いを付けないとたちあがれません。
先生ちゃんは今までは一人で(ひおたんが手伝ってはいたけど)前を向いて進んでいました。向いていないといけませんでした。だって気づいたらバイトでも先輩だし、本は出し続けないといけないし。
けれども今は違います。
自分のマンガを本当に好きだと言ってくれる人がいる。

「なんだよ急に女の子扱いするなよー・・・ 照れるだろー・・・平気で泊りに来たくせによー・・・」
こっちが照れますかわいい。先生ちゃんかわいい。しゃべりかたも含めてちょうかわいい。
先生ちゃんが孤独に戦ってきた道と、そこに手を差し伸べる仲間ができたことを考えると胸がキュンキュンします。
今まで適当にジャージ羽織っていた彼女が「あたしって女子力低いよね・・・」とか言い出したあたりから、なんというかもうかわいくてかわいくて気が狂いそうになりました。
いつもはそこそこ気が強い(ふりをしている)先生ちゃんですが、即売会だとやたら弱気なのもいいんですよ。

あるあるあるあるあるあるあるあ。
話しかけたくても話しかけられず本だけ買って帰ったこと何度もありますぼくも。痛いほど分かる。
 
なんだろう。
先生ちゃんが愛しいのは、彼女の恋愛模様がめんこいだけじゃなくて、自分の感覚にシンクロしているからかもしれません。
 

●マンガが好きだから●

先生ちゃんはひおたんと海雄の先輩としての行動を多くとる、リード型キャラでもあります。
(だからこそ弱いところが引き立ってかわいいんですが!)

こことか名シーンですね。
この本のもう一つのテーマは本を好きだとおもう気持ち、オタク系ショップで人に与えられるものはなにかです。
自分も割りと「迷ったら買う」派なので、すごく共感しますが、売る側だったらどうなんだろう?というのも先生ちゃんを通じて描いています。ここが他の書店員マンガとちょっと違うベクトル、狭いけどそのぶん面白いところ。

ひおたんは割りとストレートなタイプ。真っ正直です。
このセリフもいいなあ・・・この作品、いちいちセリフがいいんですよ。
さりげないシーンでもがっちりとマンガへの愛情を語っている。グッと来ます。
そんなひおたんを導いてくれるのが、先輩として、おそらく同じ道をたどったであろう先生ちゃん。
多分彼女は今、忙しいながらも幸せなはず。
がんばれ先生ちゃん!
 

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先生ちゃんと海雄くんの間にはまだ恋愛感情はないですが、フラグは結構立ってます。
他にもソムリエくんと腐ガールちゃんの間や、ひおたんとカントクの間とかにももやもやーっと。
まだまだわかりませんが、ニヤニヤ成分の強い作品です。
オタク愛+書店あるある+ラブコメ。いやあ、一粒で3度おいしい。

ぼくもエロ本大好き人間です!