たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

凸守とモリサマーはやっぱり「光」属性だったんだ。

ぼくの大好きな女の子が傷ついていて、つらい。
その子の名前は

凸守早苗ちゃんデス!
 
10話から11話の展開ほんとつらすぎてもう。もうさあ。
本当はここで六花とゆーたの話をするべきなんでしょうけれども、ぼくは凸守の話しかしません。
だってだよ!
大好きな子が。
好きになった子がさ。
泣いてるんだぞ。
苦しんでるんだぞ。
他に何も考えられねえよ。この一週間。
 

●凸守の失……失なんだ?●

六花とゆーたが付き合い始めたのは、まあ予定調和というか原作どおりなので、いいとしましょう。
とてもいいシーンでしたよ。
 
じゃあ六花を慕っていた凸守はどうだったか。

 
まあ、切ないよね。
寂しいよね。
 
凸守にとって六花ってどういう存在なのか。
マスターとサーバント。とはいうけどぶっちゃけ何なのか。
恋愛?
いや、そういう考えも燃えるけど、ちょっと違う。
友情?
いや、そこまで行ってはいない。あるいはそれ以上の関係。
 
楽しいことを教えてくれる、お姉ちゃん、またはあんちゃんだったと思うのです。
凸守はクラスでも「デコちゃん」と呼ばれて愛されている存在。クラスメイトの友人は多いようです。
家族とは別の、欠かせない存在。
自分に楽しいものを教えてくれる人。
「楽しい」とはなんなのかを教えてくれる人。それが六花。
 
凸守にとっての嬉しいことはなにか。
それは六花が自分に何かをしてくれることではありません。
六花が喜んでいてくれることです。デス。
だから、ゆーたと付き合うのは、いいんですそれで。
いやだけど、寂しいけど、本当の本当は一緒にいてほしいけど。
お姉ちゃんに恋人ができて喜んでいてくれるなら、それは嬉しいことじゃないですか。
 
こうして凸守は、失恋ならぬ、失六花をしました。
この時点で、やっぱり寂しいですよ。辛いですよ。
一色の言うとおり「それだけ元気なら大丈夫だな」なんですが、モヤモヤは晴れるわけじゃない。
もし今後六花が一緒に遊んでくれても、六花はゆーたとの時間を優先するでしょう。
自分が六花の一番じゃない。二番目。
異性じゃないから、ふられたわけじゃないし、一緒にいられないわけじゃない。
けれども、今までのような時間はもう来ない。
それでも。
それでも凸守は、六花が笑っていてくれるのなら、よかったんです。

恋人の契約を二人が結んだ時、六花は凸守に電話をしています。
この時の凸守の気持ちがわかるか。
きっと六花は嬉しかったことでしょう。凸守が一番大事だったから電話したのでしょう。
凸守もそれをわかっていたのでしょう。
でも、同時にそれは凸守と六花の時間が失われることに他なりませんでした。
嫉妬というには幼い、でも強烈な感情があったこでしょう。
それでも、六花は喜んでいた。泣いて喜んでいた。
だから凸守も喜んだ。
凸守の幼年期の終り
彼女なりの、精一杯です。
 

●空っぽなマスターなんて見たくない●

ここまでは凸守が自分で処理し、昇華したものです。
がんばった。よくがんばったよ凸守。
 
でもね。
ここからさきは君一人に負わせるには荷が重すぎる。
ディスコミュニケーションな人間の集まるこの作品で、まっすぐに感情をぶつけられる君が一人で背負うべき問題じゃない。
最大のショックは、六花が凸守のことを「早苗ちゃん」と呼んだ時でしょう。

今まで親しく、一番の遊び友だちとして呼んでくれた「凸守」の名前。
彼女は自称も苗字(普通は名前のほう)という変わり種キャラですが、きっと理由は、六花がそう呼んでいたからだ、と思っています。
そんな六花が中二病的なことをやめ、卒業し、自分に対して呼んだ名前が「早苗ちゃん」。
 
あんまりだ。
 
六花も心の整理がついていないのでしょう。おそらく「どうしゃべればいいか」すらわかっていない。
それにしても、今まで二人で一緒にすごし、この人なら任せられると信じたゆーたとの交際も飲み込み、六花が笑っていてくれるならとがんばっていた凸守がですよ。
「早苗ちゃん」なんてよそよそしく呼ばれた上にさ。

こんなからっぽな顔されちゃ、どうすればいいっていうんだよ。
 
凸守はほんと、六花がうれしそうならそれだけでいいんですよ。
それだけなんですよ。

これは凸守があつめてきたガラスのかけら。
通称「魔導石」。もちろん魔力なんてありません。
けど、六花はきらきらと目を輝かせていました。
ゆーたが、中二病を卒業してもなお、六花の部屋で見つけたモーゼルを見て目を輝かせたように。
でも六花は、顔を戻し、心をおさえつけ、結社の解散を言います。
そこに、微笑みも喜びもありません。
「そうしなければいけない」。ただそれだけ。
 
違う。
凸守の見たいマスターはそんなんじゃない。

打っても、打っても、打っても打っても打っても打っても、響かない。
なんて悔しいんだろう。
今は、今六花の心を響かせられるのは、ゆーたしかいない。
でもゆーたも、意地になってそれができない。
凸守は激情をおさえられません。幼いからじゃない。彼女の信念ゆえにです。
 
でも、打ちかかる、とめることのできない凸守の思いを、ゆーたはたしなめます。
「言ってあいつを喜ばせてなんになるって言うんだよ! 不可視境界線なんてないんだよ、あいつの父親は墓の中なんだよ」
「お前の攻撃が一度だって通じたことがあるのか? 本当に武器が出てきたことがあるのか? ないんだよ。いくら思っても、いくら信じても、そんなものないんだよ!」
たしなめる、じゃないよね。
ゆーたの叫びは、自分への自傷行為にも似ていました。
あんなマスター見たくない。
こんなダークフレイムマスター、見たくない。

「そんなの・・・・・・わかってるデスよ・・・・・・」
 
ぼくは、凸守になにもしてあげられない。
泣いているのに。なにも。
なにもだ。
 

●光の中二病

ぼくが凸守に必要以上に感情移入してしまうのは、自分もまた「好き」だったことを否定され、苦しんだ経験が多々あるからです。
それをオープンにしていることもあれば、こっそり隠れていたこともあります。
でも、好きなモノを否定され、正論でねじ伏せられる時の心の痛みは耐えられないものです。
「そんなの、わかってるんだよ」
そう、わかってるんだよ。無駄だとか、役にたたないとか、意味が無いとか。
わかってるけど、好きで、楽しくて、そしてただただ笑われるのが苦しくて。
 
【たまごまごのツボアニ!】『中二病でも恋がしたい!』石原立也監督に直撃インタビュー!
以前このインタビューで、どうしても心に残っていた部分があります。

石原監督「六花とも勇太とも違うタイプというのは僕も正解だと思います。「闇属性」の六花を師と仰ぐ凸守ですが、彼女自身は実は「光属性」ではないかと思っています。これは僕の個人的な設定です。その方が六花と二人でいる時に良いコントラストがつくのです。」

石原監督:「丹生谷と凸守はご覧の通りとても気の合う二人です。一見すると「元中二病」「現在中二病」ということで対局の位置になるのだと思いますが、僕も本質は似ていると思います。先にも言ったように二人とも「光属性」ではないかと思います。
大人になった時に「高校生の時はいつもケンカしてたねー」って思い出すのでしょう。
この二人を見て「本質は同じなのか」というご質問はなかなかスルドイと思います。僕も当初強く気にしていたわけではないですが、今後のストーリー展開とキャラクターの関係性を「闇」と「光」で見ていくと面白いかもしれません。」

光属性? 闇属性?
当初このインタビューをお聞きしたときは「天使と悪魔かー」くらいに思っていたのですが、やっとわかりました。
ここにきて、やっと。
 

モリサマーは、光属性です。
まあ魔術師とか精霊とかそっち系統なので、単純に属性わけしても光ですね。
でも、モリサマーは六花と決定的な違いがあります。
 
六花は、単純に中二病的なグッズやもの、ゴスチックなものが「好き」ではあります。
と同時に、それは逃避行動でもありました。
六花にとっての「中二病的行動」は、心の穴を埋めるための選択、でもあります。
負を埋める。
例えば孤独とか、苦しみとか、悲しみとか。
だから闇属性なのではないかと感じたんです。
それをゆーたもわかっているから、止めさせた。
 
しかしモリサマーは占いを「楽しみ」に昇華させています。
「そんなものはない」と分かった上で、あくまでも「好きで仕方ないもの」として受け止めて、趣味にしています。
今も風水で部屋を片づけたりするあたりいいですよね。だから中二病云々を超えた、大人な楽しみ方ができています。
そして、決定的な違いなんですが、彼女には、しがらみがない。
楽しいのプラスしかない。
だから光属性なんです。

モリサマーが凸守の気持ちを一番理解できるのも、ここにあるんだと思います。
凸守は友達も多いし、勉強もできるし、部屋を見るとお金持ちっぽい。幸せいっぱいの子です。
ひたすら純粋に、六花といるのが、中二病ごっこが楽しいんですよ。
これって、しがらみのないモリサマーとすごく似ている。
モリサマーがネット上にいたとき、凸守に響いたのも、裏表ない、しがらみのない、自分と同じ「好き」が言葉になって書き綴られていたからなんじゃないだろうか?
マビノギオンは、モリサマーにしてみたら黒歴史かもしれないけど、そこにあるのはマイナスの感情のない、ひたすら100%「楽しい」が詰まったものなんじゃないか。
 
正論でいえば、ゆーたの言うとおり。
一度精算して、六花も心の闇から脱しないといけない。
六花も「父は死んでいる」という事実は、わかっているはず。でもそうしないと自分が保てないのでは自我に影響が出ているから、一回壊して建てなおさないといけない。
凸守も、わかっている。
 
わかっているけど、それで空っぽになってどうする?!
そうじゃない。一回壊したら、そこから自分たちのいるプラスの場所に、戻ってきて欲しい。あるいはもっと喜んでほしい。
それがどうすればいいのかわからないけど、少なくとも自分に「楽しい」を教えてくれたのは六花だ。
なら自分も! 「楽しい」を、「楽しめる」を、マスターにちょっとでもいいから、伝えられれば!
……伝えられれば。
伝わらない。
この無力感は本当にどうしようもない。
 
モリサマーは、凸守の気持ちを唯一分かる存在です。
今、凸守は精一杯になってゆーたと六花の苦しみと忍耐を背負おうと、少しでもそこに風穴を開けようと、必死になっています。
でも重いよ。重すぎるよ。彼女一人では荷が重すぎるんだよ。
だから、抱きしめて、受け止めてくれる、同じ「楽しい」を知っている光属性のモリサマーの存在は、こんなにも温かくて優しい。
 
あとラスト一回。
くみん先輩が「楽しいねー」と言うように、純粋に楽しめるようになれば、物事は解決するでしょう。
けれどもわからない。
たとえ物語がハッピーエンドに向かっても、凸守と六花が過ごす二人の時間は、戻って来ません。
そういう意味では、一番つらく苦しいキャラになってしまいました。
でも、凸守は、六花が笑ってくれたら、喜んでくれたら、それだけでいいんだよ。
それだけで。
モリサマー、お願いだ。
凸守を幸せに、そして君も幸せになってください。
お願いします。
 
この作品は中二病でも恋がしたい!んじゃなくて。
『「中二病」に恋がしたい!』なんじゃないかなって、ふっと思いました。
 

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