たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「あの花」のつるこが抱いている、誰にも言わない思いと、花のパッチン。

「あの花」の感想が全然まとまりません。
元からそんなうまく書けないけど、なんだろう、3話以降どうしても言葉にならなくて悶々としています。
なんとか書きたいと思ってるんですがどうも踏み出せないので、話単位で書くのをまず一旦やめて、小出しにして頭をまとめてから感想を書こうと思います。
まずは少しずつ糸をたぐってみたいと思います。
 
今回は7話で一番気になっていた、つるこの話をします。
超平和バスターズでは一番出番が少なくて、あまり語られていない子です。
とあるアイテムから、思っていたことを綴ってみます。
ネタバレってほどのものもないですが、一応収納。
 
 
 
 
 

●花形のパッチン●

7話で、つるこはあるものを髪に付けて勉強していました。


わかるでしょうか。
そう。ゆきあつが子供の頃捨てた、花形のパッチンです。
しかもめんまにあげる予定だったはずの。
 
ちょっと五話までさかのぼります。

ゆきあつはあの事件の日……めんまにじんたんが「ブス」って言ってしまったあの日。
花形のパッチンを彼女にプレゼントしようとしていました。
「おれの、大好きなめんまに」似合うと思って。
しかし、めんまが追っていったのは、じんたん。
ゆきあつの思いは、めんまには通じませんでした。まあ、幼かったしね。
その時捨てられたパッチンを拾っていたのは。

ゆきあつではなく、つるこでした。
見ての通り、すっごい丁寧にとってあるんですよ。
もうボロボロです。
 
じゃあゆきあつはどうしたかって?

ゆきあつが机にしまっていたものです。
限りなくそっくりな別物です。似たのを探して買いに行ったけどなかったんでしょう。花のつくりがリアルではなくポップで。新品ですね。
ゆきあつは、捨てたはずのパッチンとほぼ同じものを、もう一度買っていた、ということです。
全てが明らかになり、膿になっていたゆきあつの中のドロドロが出し切られたとき。
ゆきあつが「めんまのかつら」に、そのパッチンをつけるシーンがあります。

こうなってほしかった。
めんまにこうやって、プレゼントしてつけてほしかった。
でもできなかった。永遠にできなくなった。
ゆきあつは、望みを擬似的に叶えた瞬間、悲嘆にくれます。
 
でもね。

つるこは、つけてるんだよ。
つけはじめたのは、5話ですべてが一段落してから。
「めがねかけてるといまいちかしら」
つるこはファッションとかにあまり興味がないというか、割と無頓着気味。合理性を求めた服装のことが多いです。
アクセサリーとかはつけません。あ、眼鏡はちょっとオシャレだとおもう。
そんな彼女が、5話以降勉強を一人でしているときにさ。

ゆきあつから、じんたんやめんま絡みの電話を受けているときのつるこ。
すごく自然に、当たり前のように髪留め、パッチン、つけています。
ゆきあつからのお茶の誘いを断った後に、この髪留めをはずして、改めて勉強を始めるシーンも印象的。
 
つるこにとって、めんまどうこうというのは、現時点ではそれほど重要視されていません。
少なくとも、他のメンツよりは。気がかりなのは気がかりでしょうが「それはそれ、としよう」としているんですよね。
それよりも、つるこが気にかけているのはなによりもゆきあつです。
普段は「ゆきあつがめんまにあげるはずだったパッチン」を内緒で(多分内緒ですよね)つけていて、気持ちをリセットして勉強するときは「きちんと外して髪を縛る」というのが、彼女の心理をよく表現していると考えると、なんかもうね。
彼女らしい強さでもあり。彼女らしい弱さでもあり。
「あんたについていくのは、相当大変なんだから」
つるこのこのヒトコトは、「勉強」のことだけでしょうか。
 
それにしてもさ。
じんたんにいつも追いぬかれて二番手だったゆきあつが、学校の勉強では二位、ってのがまた……皮肉だよね。
 

●つることゆきあつ●

「つるこがゆきあつを好きか」と聞かれると、非常に悩ましいところがあります。
自分は多分、少なくとも気にかけているんだろうなとは思うんですが、「好き」という決定打は現時点ではまったくありません。
そうでもなかったらなんでここまでしてゆきあつに付き合うのか、というのはありますが、「幼なじみだから(かつ、成績面で同じだから)」で片付いてしまいます。
あえて邪推するなら、「あんたについていくのは〜」が「ゆきあつと同じ学校に入って順位に追いつくため」だとしたら、相当好意を持っているのは間違いありません。
しかし、「彼女」と言われるとすっごい嫌な顔するんですよね。

店員さんに「彼女」と言われて。
すっげえいやそうな顔。ぽっぽ的にはそこがいいらしい。ぼくもそこがいいと思う。けどね。そうじゃなくて。
この時つるこが嫌がっていたのは、「めんまに囚われて性根から腐っていたゆきあつの彼女扱いされること」だとしたらすんなり納得は出来ます。

中学校の頃。
もうさ。……「いもしない彼女にプレゼントするフリをして、白いめんま似のワンピースを買っているゆきあつ」(この時点でもう痛々しい)に、付き添って見守っているつるこ、ですよ。
しかも持っている服みたら、バレバレだよ。めんまのだって。
つるこ的には中学生時代の頃からわかっていたんでしょうけれども、それでも、一緒にいたかったんだ、って思うとなんかもう色々辛くなります。
 
一連の事件が終わってからは、ゆきあつもつるこにはすっかり頭があがらないようで。

ゆきあつの「お前相手にしちゃ、どんないいわけもきかないだろ」がいいですよね。
素直に腹の中の、一番ドロドロした部分、じんたんに対する強烈な苛立ちを吐露できる貴重な仲間です。
そう、仲間ね。
ゆきあつとあなるは席を向かいにして座れるけど、ゆきあつとつるこは、隣り合わせにも向かいあわせにも座りません。ゆきあつもその距離感をきちんと踏まえている。
それでいて深夜に喫茶店に誘う、ってのがいまいちよくわからないんですが……まあ、このへんはおいおい描かれるんでしょう。
少なくとも、現時点では「友達ではある」「恋愛関係は一切ない」「ゆきあつは今全部出し切って空っぽの状態」ここです。
二人の関係がかわるなら、これからでしょう。
 
まあね。
なんもかんも「恋愛」とか「友情」ってまとめちゃおうとするのは、よくないよね。
そうじゃない不思議な、その二人にしかわからない関係だって、あるもんね。
というか、みんなそう。
じんたんも、あなるも、つるこも、ゆきあつも、ぽっぽも、何らかのステータスが欲しいわけじゃないんだよなあ。
 

●つることえんぴつ●

つるこを見るとき、パッチンの他にもう一個大切なアイテムがあります。

えんぴつと、色エンピツです。
彼女は幼い頃からずっと、絵を描くのが好きでした。

OPより。常にスケッチブック持って、あの秘密基地に行っていたんですよね。
その趣味は今も続いているようで、非常に彼女は絵がうまいです。

最初に出てきたつるこの描いた、めんまの絵。
めんまのこと、つるこも好きだったんだねー……と言いたいところですが。
よく見てください。
このめんましていないはずのゆきあつの花のパッチンしてます。
つるこは解ってるんですよ。
ゆきあつはめんまが好きで、めんまに花のパッチンをプレゼントして付けて欲しいと思っていたことを。
つまりこの絵は、「つるこの見ためんま」ではなくて「ゆきあつの見ためんま」なんです。
 
もう一度授業中にらくがきしている時も、非常に見事な絵を描き上げます。

めんまですね。
いや、おかしい。
この体格と肩幅。これゆきあつのめんまの格好です。
 
なるほど。
今の時点では二枚しか出ていませんが、両方共に「ゆきあつの世界」をつるこは描いています。
なぜ?
なぜでしょう。今は分かりません。
もう少し彼女の絵を見たいです。
 
もし。
めんまに縛られている、というのをゆきあつがじんたんに言ったのが、ゆきあつ自身に跳ね返ってきているのならば。
つるこにとっても、ゆきあつのことは全部自分に跳ね返ってきているんでしょうか。
なんだかんだで、ゆきあつの行動に寄り添ってマメに行動するつるこ、あなるにはもうすっかり「分かられている」ようで、「ゆきあつるこ」なんて呼ばれたり「あいつらも来ればいいのにね、じんたんのこと気になるくせに」と言われたりします。
つるこは、まだまだ分からない所多いです。人によってはストンと彼女の気持ちが理解出来る人もいるかもしれませんが、僕にはまだ見えません。
ただ一つ願うのは、ゆきあつが何もかも吐き出せるようになったように、彼女が感情を吐露できるようになってほしいな、ということです。
もしかしたら、もうしているのかもしれないけれども。