たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「放浪息子」5巻みんなの赤面デイズ。 

  • 放浪息子」を読んで、みんなどきどきしましょう。

最近買ったもの。

スーパーロボット大戦MX
海から来た機械(吾妻ひでお
BLOOD ALONE 3巻(高野真之
ロコ!思うままに(大槻ケンヂ
放浪息子 5巻(志村貴子
POODLE HAT ("WEIRD AL"YANKOVIC)
ガチャガチャの、ハルハラハル子さんフィギュア(フリクリ
 
サナギさん」はサブリミナルです。
個人的にはどれも大当たりなので、じっくり楽しもうと思ってます。とくにスパロボ。500円ってやっすいなあ。それでマンダラガンダムラーゼフォンを堪能できるんだから満足満足です。
 
さて、この中でも特に楽しみにしていたのは放浪息子。知ってる人にはより深く、知らない人には作品の魅力を伝えたく、ここにカンタンな紹介をしてみたいと思います。


主人公、二鳥修一くん。どうですか!かわいいでしょう?かわいいだろう?かわいいじゃないか!こんなこと言われたら、しこたま怒って泣いたとこをよしよししてやりたいですね!してやりたくないですか?ほらしたくなった。
見てのとおり、紅顔の美少年です。そして、彼の今もっぱらの願望は「女の子になりたい」。最初のうちはやはり「女装」に抵抗があり、欲求と現実のギャップにとまどうのですが、高槻さんと千葉さんの後押しで一気に転げ落ちて行きます。実際、彼の女装はかわいすぎるんですわこれが。どんな風に変貌するかは、コミックスを見てのお楽しみにってことで!

最近ではこんな笑顔ができるようになりました。信頼する仲間が増え、彼も自分の好きな女装をするように・・・なったようでならないんだなこれが。いかんせん気がよわよわな子です、体の変化にあわせて、心も揺られまくり。まあ、そこがかわいいんですけどネ。
 

友人以上恋人未満な高槻よしのさん。こちらは逆に、「男の子になりたい」男装の美少女。しかし彼女もまた、体の成長や周囲の目と戦い、心からわきあがる欲求になかなか答えることができません。高槻くん(あだ名)と二鳥くんはお互いの欲求をさらけだしあい、大切な同志を得ることになります。

二鳥くんよりはしっかりした子ですが、それでもいつもびっくりどっきりしてるので、赤面してるシーンがものすごく多いです。とても中性的なキャラなんですが、描かれ方がえらくかわいい。ってか、かわいいですよね?高槻くん。あ、でも本人はそういわれたくないのか。
  

通称「デンジャラスビューティー」千葉さおり。二鳥くんが女装への一歩を踏み出せた、その立役者です。クールで知的、キラキラするくらいの美少女なんですが、こいつがぁーまた、ジャックナイフみたいに、触るものみな傷つけるぎらぎらした刃だったりします。

この目!このさげすんだかのような目!叱られ隊な人にはたまらないですね。こんな目で「私のこときらいなくせに」って言われたら、2・3日立ち直れそうにありません。
最初は空回りしっぱなしでしたが、最近はカサをのど元に突きつけて脅迫したり、先輩にウソをついて口論したりと結構過激派。たまらないですね。ものすごい勢いで二鳥くんのことが好きです。そのためには何もかも辞さないという感じなので、どんな平安な日々が続いても、彼女が全力でぶっこわしにきます。その破壊神っぷりっといったら、シヴァもびっくりです。
 

新キャラ、更級千鶴さん。通称ちーちゃん、てか自称。
後ろにいるのは金魚のフン状態の白井さんとデンジャラスビューティ千葉さん。千葉さん怖かわいいよ千葉さん。
背が高くてスタイルがよくて明るくてみんなのことが大好きでポジティブ。こんなかっこいい人が自分のこと「ちーちゃん」って言うんだから、かーわーいーいー。
二鳥くんや高槻くんからみたら、そのマイペースっぷりが理想形なわけです。こと、いつもぐだぐだと停滞してしまいがちな高槻くんとしては、この永久機関ダイナモみたいな彼女が心強い支えになります。

だけどちょっとアホの子です。まあでも、こんなとこが、まためんこいんだーなー(`・ω・´)
 

二鳥くんの親友、有賀誠くん。通称「マコちゃん」。もう一人の「女の子になりたい男の子」です。いつも乙女チックで、かわいい自分やかっこいい男性にあこがれつつも、二鳥くんのように美しい外見をしていないことにいつも悩んでいます。しかし彼は二鳥くんよりその欲求を昇華させており、いったりきたりで迷走しっぱなしの二鳥くんにとっての、大きな心の支えになっています。男の親友っていいネー。二人集まるといつも女装ですが。
 

二鳥くんのお姉ちゃん、二鳥真穂。5巻にはあまりでてきませんが、その前には山のように出てきます。二鳥くんの女装を「気持ち悪いから!!」と言いつつ、その美しさに嫉妬したり、かと思ったら自分がモデルになるダシに女装させてオーディション受けさせたり、と、姉横暴っぷりをいかんなく発揮。悩んだりもしますが、弟がネガティブなのにくらべて、彼女は超ハイテンション暴走機関車です。なんだかんだで、仲はいい、と思う。
 

影の主役佐々かなこ。ぶっちゃけこの子にしか、デンジャラスクイーン千葉さんの暴走はとめられない・・・!!みんなのことが本当に大好きな、えー子ですヨ。あまりに悩んで体を痛めるくらい。基本的にポジティブなので、みんなに愛されています。「佐々はかすがい」という感じデス。お茶目っ子で、考え事をすると頭がかゆくなる、というナゾなくせがあります。あんたは金田一耕介か。

足なんて飾りです、偉い人にはそれがわからんのです!(ぷー

ぼくの知ってるサラさんはそんなこといわない!気品がない!(ぷー

あやまれ!レイラさんにあやまれ!(ぷー
ささちゃんカワイイナあ。
 
このマンガ、ものすごくそれぞれのキャラクターの描き方に、やさしさがあります。出てくるキャラみんなみんな愛しい。ぐだぐだなダメ先生ですら、その愚直さが好感持ててしまいます。ほかの志村貴子マンガにもこれは言えることです。人間を見つめる視線が、とても前向きなんでしょうね。もちろんネガティブな部分もよくない部分も描きますが、なんだかこっけいでかわいらしく見えてしまいます。
 
二鳥くんと高槻くんを主軸に5巻は展開していきます。二人にも、恐れていた「成長」がやってきて、性そのものとの衝突に激しく心を乱されます。まあ、ここまでショック受けないでしょうけど、誰もが同じような思いの芽は見たことがあるはず。自分もここまでショックは受けませんでしたが、「死ぬんじゃないか!」とか思いました。いや、まあ、考えすぎなんだけどネ。
多分二人だけだったら、お互いにへこみあっちゃって、ぜんぜん前をみようとはできなかったでしょう。しかし、4巻までの間に二人の心も大きく成長し、親友も増えていきます。特にマコちゃん、さささん、ちーちゃんの存在は大きいでしょう。二人の価値観を根本からゆさぶることができる3人。女装・男装したいという思いは、時として視野がギューっと狭められます。しかし彼らの開いた視点は、二人のアイデンティティを確立する重要な栄養素となっていくのではないでしょうか。
 
んで、そこに入り込んでダイナマイトをしかける、デンジャラスプリンセス千葉さん。ちーちゃんのような「全肯定派」の人がみんなの「テーゼ」であるならば、彼女は流れに乗らない「アンチテーゼ」です。普通ならそこでバイバイするわけですが、ある子のおかげで千葉さんの魅力や、いなければいけない意味などをみんなは感じ取ります。そう、佐々ちゃん。
確かにみんなに歯向かい、みんなの心をかき乱す存在な千葉さんなのですが、自分たちのまだあやふやな欲望や自我を育てている人の一人が、まぎれもなく彼女なのを佐々さんは知っているようです。一番子供っぽく見えるけど一番大人なんだヨ。高槻くんもちゃんとそれは理解できているようです。いや、そうなったのは佐々さんのおかげかなあ?
一方二鳥くんはー、・・・流されるままですwマコちゃんがわりとしっかり客観的になれる人間なので、この二人が今後成長していく過程が見れるといいなあ。今後はまた倒錯劇をやるようですが、波乱の予感。続きが楽しみです。
 
とにかく、志村さんの描く少年少女は、ものすごく「性」の香りがします。とはいってもギタギタあぶらぎった性ではなく、かさかさとかわいた客観的な「性」。そこに自分視点の心惑わす「性」のエッセンスを加えて、軽やかに描きます。かろやかとはいえ、誰もが感じたことのある行き場のない性、いや「個性」の惑いが綿密に描かれています。読んでいるうちに、イヤミなく共感できるのがスゴイ!
「青い花」「どうにかなる日々」も、性の敏感な動きを描いた傑作中の傑作ですが、できれば読みやすく、キャラがみんな愛しい「放浪息子」から読むのをオススメしたいのです。もー、みんなかわいすぎですから!あーもう!あーもう!

ぷー。

放浪息子(5) (BEAM COMIX)

放浪息子(5) (BEAM COMIX)