たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「酒気帯びひき逃げ」はどう罰すればいい?

  • 最近の毎日の新聞記事で。

最近やけに「飲酒運転」記事を目にするようになりました。
今世界はそれどころじゃないだろう?なんてうがった見方をしちゃったりもするんですが、それでも事件は事件ですしね。飲酒運転は、ヨクナイ。まずここはおさえておきマス。
 
トイレに“ろう城”検知拒んだ酒気帯び運転男を逮捕 (読売新聞)

調べによると、高田容疑者は1日午前3時30分ごろ、小山市城東の県道で、軽乗用車を運転。反対車線に大きくはみ出して左折したため、パトロール中の小山署員が停止を求めたが、高田容疑者は無視して逃げ、近くのコンビニエンスストアのトイレに鍵をかけて立てこもった。
 約30分後、署員が合鍵でドアを開けると、酒臭かったため、飲酒検知をしようとしたが拒否した。

あんたはのび太ですか。
最近こういう「酒気ごまかし事件」多発してますね。
 
「今飲んだ!今飲んだ!」 警官前で缶酎ハイ飲んだ26歳男、飲酒運転で逮捕…横浜市
こちらも記憶に新しいところ。なにこのコメディという感じですが。
それより889の発言が釣りなのかどうか気になって仕方ありません。
 
「飲酒運転」自体は昔から結構多いと思うのですが、その質が悪化しています。素直にお縄頂戴すればすむ話なんですが、それから逃げるためにパトカーから逃げたり、なんて話がとても増えています。

  • 逃げる飲酒運転手

ここしばらくで急増しているのは「酒気おびでひき逃げ」事件。ものすごい増えています。もう耳にタコできるほどみなさん聞き飽きた事件だと思いますが、チョット並べてみます。
 
大阪の酒気帯びひき逃げ事件、酒を出した経営者を逮捕
ひき逃げでロシア人逮捕 酒気帯び発覚おそれ逃げる?
5年前にも事故-酒気帯びひき逃げ・奈良市男性職員
飲酒ひき逃げ、酒提供のスナック店長を幇助容疑で逮捕
飲酒ひき逃げ事件の同乗者、幇助容疑で逮捕 北九州市
 
うーん、多いなあ。まだまだありますが、ソースはニュースなのであらかた消えてます。
なぜ「ひき逃げ」が多くなったかというと、酒気帯びの罰則が強化され、ぶっちゃけ酒気帯び人身事故よりも、ひき逃げにして酒気なくなってから検挙されたほうが罪が軽くなるから。
 
こちらのひき逃げ事件発生件数を見てください。
ちょ!1999年から2000年にかけて増えすぎ!しかも90年代減り続けてたのに、21世紀になってから増えっぱなしじゃないですか。
なぜ減ったのにこんなに勢いよく増えたの?
 
交通安全セーフティーキャンペーン
平成13年に「危険運転致死傷罪」というものが新設されました。
飲酒運転で人をはねるとこれになります。

●対象となる悪質運転
①アルコールまたは薬物の影響で、正常な運転が困難な状態で運 転
②車を制御することが困難なハイスピードで運転
③人や車の通行を妨害する目的での割込み
④危険なスピードでの信号無視

●罰則
①被害者が死亡した場合は、 「1年以上の有期懲役で、最長15年の懲役」
②被害者が傷を負った場合は、「10年以下の懲役」 となります。

 
一方ひき逃げ

道路交通法117条「第72条第1項前段の規定に違反した時は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する」

ここだけだとよくわからないけど、お金払えばいい、という仕組み。(これだけではないとは思いますが、詳しくはわかりません)。
法律詳しくないのであんまり突っ込んだこといえませんが、これは軽い気がしてなりません。
まあ、これが殺人じゃなければ(対物とかなら)気持ちはわからんでもないです。少しでも助かりたい!という気持ちが働くのはもっとも。しかし、これは「殺人」です。人を殺して、わかって逃げた。
そして5年以下の懲役か50万はらって終わり。
いいのか?本当にそれでいいのか?

  • もし、自分が関係者ならば 

頼む。本当に飲んだら乗らないで欲しい。RinRin王国より)
社会派なんて気取れないくらいアホな自分が、今回のエントリ書くきっかけになった記事。
当事者になったとき、飲酒運転をして、しかもひき逃げをされたとき、自分ならどうする?
たぶん、目玉えぐりとってもまだ許さないと思う。両腕もぎとってもまだ許せないと思う。あ、すいません、ちょっとこれは感情的すぎですネ。
しかし、読んでみてください。そして、それぞれが自分の中に感じる感情に正直に向かい合ってみてほしいのです。
 
飲酒運転については、多くの人が「なんで飲んでから運転するんだよ?」「わかっているんだからやめろ!」と言うでしょう。
当たり前ですよネ。他人に迷惑をかけるのももちろん、自分も死んでしまう可能性が間違いなく大きい。家族が飲酒運転しているのをみたら、必死にとめるのは当然の行為です。それだけ恐ろしい危険があることを知ってるから。
 

  • 飲酒運転をする人々の心中は、他人事じゃない。

酒気帯び運転の心理とは(今井亮一の交通違反相談センター2)

酒を飲みたい。飲む事情があった…。
車は便利。運転して帰りたい…。
そうそう捕まるもんじゃない。大丈夫、捕まらないさ。実際いつも捕まらない…。
事故を起こさないよう、注意して運転すればいいんだ…。

つかまってないですよネ。実際。そのわりにスピード違反は10kmオーバーとかで捕まえるんだからよくわからないデス交通ルール。
酒気帯びは特に調べるのが非常に難しいとは思います。
大阪での酒気帯びチェックは、一台一台とめて「んじゃ息かけてくださいー」といって、おまわりさんの鼻に向けて息を吐くというものでした。アー、おいらその仕事絶対イヤー!おまわりさんご苦労様です!今度は食べた後歯磨いて車に乗るヨ!
 
そんなこんなで、正直飲酒運転は「見つからない」のが現実です。だから、一回やっちゃったら、二度三度とやっている、というのが逮捕者の実情。
そして、ひき逃げしてしまってから、見つかるのが非常に時間がかかるというのもまた、現実。
 

  • 実際、どうするの?

ひき逃げを厳罰化すれば酒気帯び運転事故は減るか?(法と常識の狭間で考えようネットワーカー弁護士の独り言)

ただ、これは最近になって、急にこの種の事故が増えたのではなく、これまでほとんど報道されていなかったが、8月25日の福岡の事故以来、マスコミが急に取り上げて報道するようになったことから、そのように感じるだけではないかと思われる。

実際には、たくさんあった「酒気帯びひき逃げ事件」。
飲酒運転の罰があまりにも「厳しい」から、反射的に逃げ出す人が増え続けていますが、実際に先ほどのようにニュースになっているのはごく一部だったりします。
また、急に最近マスコミがこれを取り上げ始めるようになったから、なおさら逃げるんでしょうね。にしても、なんで最近急に報道しまくるようになったのカナ?
・・・ん?刑罰が「厳しい」?
厳しいなんてことあるか!
と、いいたいとこですが、ちょっと感情をおさえます。どうも今日は興奮気味です。フウ。
単純に重罰にしたところで、減らないみたいなんですヨ。こういうのって。
死刑とかなら別でしょうけど、まあ死刑にはできない範囲で罰を重くしても、減るかといったらそんなことはない。逃げ続けるだけです。
ひき逃げ重罰化はひき逃げ抑止に役立つか?(Matimulog)
もともと逃げる人に罰を増やしても、また逃げるだけ。根本的解決にはなりません。もっとも、被害者としては殺しても殺しきれないでしょう。
 
先ほどのエントリにもありましたが、アルコールを含んだ呼気によって車がロックされる機能のついた車がもうできているそうです。それを使うのがスウェーデンでは法律で決定されるそうですね。
確かにそれを「すりぬける」方法はあるでしょうが、そうすることで「重罰」よりもさらによい形で「意識付け」できると思います。
飲酒運転の考え方を本質的に変えるには、何かを大きく変えなければならない、と強く感じます。報道すればいいってものじゃない、罰を強くすればいいってものじゃない。あるいはその2つが、ひき逃げの数を加速させているような気がしてなりません。
本当はどうするべきなのかを、車の構造そのものから考え直すべき時期なんでしょう。「ダメ」では直らない、そんな日本。
 

  • どうにもおさえがたい感情論。

ただね。
自分が酒気帯びひき逃げの被害者だったら。
やっぱり「罰が重いどうのこうの」じゃないですヨ。
たまたまの事故じゃないわけですもの。
法律のことはアホなのでよくわかりませんが、そういう感情を考慮にいれず、刑罰論だけを語るのはやはり間違っていると思うナ。
 
刑罰云々に関しては、どうも考えがうまくまとまらないので、気づいたらメモしていきたいです。どうしても感情に走っちゃってイカン。

なぜ、他の事故を起こした人達が自分より運転がヘタ、
酒に弱いと思い込むのだろうか。
なぜ、自分は事故を起こさないと思い込めるのだろうか。

自惚れるな。
(異次元のツボ)

 
関連
そうして、明日もキチガイが量産されていく(きじるしの不思議)
>飲酒を社会が認める限り、自制の範囲だけでは決して片付かない問題です。
この見方は非常に興味深いデス。お酒がある限り、なくならない問題なのカナ。