たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ゲームの生理的嫌悪感の起こし方

  • うじゃうじゃ。

『SIMPLE 2000シリーズ Vol.113 THE 大量地獄』を作ったD3パブリッシャーの企画者出てこい!ゴルゴ31より)(蟲グロ注意ほんとに注意でも18禁じゃないんだな)
もうほんと、何考えてるの!客を気持ち悪がらせてドウスルノ!もうっ、見ちゃったじゃないの!少し常識をわきまえなさいよね!もう、こんな、こんな最悪なゲーム・・・買う☆SIMPLE2000大好き。
D3パブリッシャーズ SIMPLE2000シリーズタイトル一覧
SIMPLE2000を作る人たちはインタビューで「びっくりさせるのがモットー」と自ら語る冒険集団。「the大美人」では巨大美人というマイナーなフェティズムをあえてゲーム化していました。漫画家の金平氏は大美人の股間に戦車で弾を撃つのが日課だとか言ってましたが、そういう「ゲームとしての面白さ」以外の人々(の中でも一部の人)の何かに語りかけるパワーがあります。
「theお姉チャンバラ」シリーズはゾンビの腐肉を水着美女がばっさばっさと切り、刀に肉がこびりついたら払い落とし、半裸の体に血を浴びると暴走するという、どっかの飲み屋で一晩かけて飲みながら考えた妄想を全部詰め込んでしかも2000としては良作すぎるゲームに仕上がり、熱狂的なファンを集めました。具体的には自分とか。X箱360で出るってんだから驚きだぁね。イロイロあおりを食らって、18禁になっちゃいました。ぽてちん。
「the男たちの機銃砲座」とか、名前とコンセプトだけでしびれます。主役が何かをするのが大事じゃない、機銃砲座に座って機銃を撃つのが大事なんです。燃えるー。
D3パブリッシャー今後もっとがんばってください。でも「the 大量地獄」みたいのばっかりだとさすがに参ってしまいそうです。それでも買いそうな自分がいるのが複雑なキモチ。

  • 快楽装置としてのゲームのグロテスク

はて、「感動」「爽快感」から一歩離れて、「刺激的な快楽」を生み出す作品を求めていくと、エロか悪趣味に走るのは世の常。
全ての人がそうではないですけどネ。新しいメディア(CD−ROM、DVD、インターネットなど)の普及がAVが火付けになるのは見てきました。インターネットも、優良なサイトがエロサイトにはどうやっても適わないくらい、力ありますしね。雑誌もエロ・悪趣味が入っているかいないかで大きく変わると思います。
ではゲームは?というと、やっぱりエロ+悪趣味でレッツゴーってことになってきます。
個人的には自分は大人だし、生理的に合わなければ買わないし興味があればやる、と選べるのがありがたいですが、教育者・親たちの立場になるとそうもならないのも、わからなくはないです。家で「the 大量地獄」や「モータルコンバット」やって大喜びする子どもを見るのは、なんとも微妙すぎです。
 
今日友人と話しているときに「そういや『デッドライジング』や『お姉チャンバラ』でゾンビなぎ倒すのと、モータルコンバットのフェイタリティ決めるのだと、なんか違わない?」って話になりました。
なるほど、確かに「デッドライジング」はゾンビがうじゃうじゃでてきて、画質がめちゃくちゃきれいで、ゾンビやキチガイさん達の描かれ方も不気味極まりないです。このシチュエーションにいたらちびりそうです。でも、なーんかさっぱりしてるんですよね。血や内臓が出ないせいもあるんですが、思ったほど生理的嫌悪感が自分はわきません。しかし、モータルコンバットのフェイタリティは、似たようなことしているのに、なんでか妙に後味が悪くって。

再掲。モータルコンバットのフェイタリティシーン。グロ注意・・・うーん微妙。でも18禁ってことにしておきます。
コミカルといえばコミカルなんですが。いやコミカルじゃあないかなあ。このへんは見る人の判断にお任せしますが、苦手な人には見ること自体をすすめません。
ただ、これが海外ではウケがよくて、かつ自分もなんだかんだで見入ってしまうあたり、ゲームの悪趣味は一つの売り込みポイントなんだなあと感じてしまいます。この動画のview数が異常に多いんですよ。人気だネー。みんな好きねー。
もちろんこれを見て「とんでもない!」という人がいるのも、納得です。これは教育的にすばらしい、と思う人はさすがにいないでしょうしネ。(人によっては、全然たいしたことないからもっとやれーという人もいるかもしれません。)
しかし、ぶっちゃけRPGでモンスター切り刻んだり、アクションゲームで刀を振るったりしてざっくざっくするのは、絵的に違いはあるものの同じようなものなはずなんです。はずなのに、なんでしょうこのノドにつっかかるような、「あ、これは18禁だね」と思わず言ってしまうような生理的な何か。ゾンビ物なんかよりも「これはヤバい?」と思わせてしまうのは何だろう?と思って友人と話していた中で出ていた差異をちょっと並べてみると、

・爽快感のベクトルが違う。バーン!倒した!と言うのとネチネチしているのとの差。
・派手にぶっ飛ばしたり爆発させると割りとエグくならないが、近距離でぐじゅぐじゅいたぶるSっぷりは後味がよろしくない。
・作り手が「スカッとさせるため」作っているか、「生理的嫌悪感を抱かせるため」作っているかの違い

このへんは個々の判断で大きく違うでしょうし、一概には言えませんが、自分の解釈はこんな感じ。
とはいえ、多くの人に愛される(?)類のB級ゾンビ映画は、この中間地点をいっているのかな?なんて思いました。ゲームで言えばそれこそ「デッドライジング」なんかは、好奇心でウキウキさせるグロい部分もあり、イカレたホーンテッドハウス的な騒がしさもあり、コメディタッチだったりもあり、で見事にそのラインを全部クリアしているなーと思いました。やりようによっては、できるだけえげつなくグロくクリアする方法なんかもあると思いますがどうでしょう。逆にお菓子やオモチャで戦うコメディプレイしばりでクリアとかネ。どうかな。

ゲームレビュー ポスタル2
review for gamers.net ポスタル2(画像あり)
ポスタル2動画(+18)
これを極端に悪趣味だけ詰め込むと、こんなふうになるのかなあと思いました。ストレスたまったら市民をぶち殺して、しかも小便をかけるという鬼畜極まりないゲーム。と見せかけて、これ実はプレイヤーが残虐であればあるほど残虐になる、平和にすごそうとすればするほどそんなに過激じゃないというゲームのようです。あ、でも結局は惨殺するみたいですけどネ。
これは製作者も「悪趣味だヨ☆」と言っているような気がするので、そういうのを求める人のみが買うでしょうね。ゲーム脳という言葉は本当にはないという話を聞きましたが、こういうの見てるとあるような気がしてくるから不思議。音楽がないのがまた不快感アップ=爽快感になるのかなあ。
最初はね。グロいし悪趣味すぎて、びびりました。でもこういうのって「慣れちゃう」んですよね。慣れてくると次の刺激が欲しくなるというもの。でもグチャグチャのドロドロで悪趣味の極みまで描いた後に、それを慣れてしまったプレイヤーは何を求めればいいんでしょう。
人でも食べますか?でもそれも1週間もしたら慣れそうで怖いです。

  • 本当の意味で生理的嫌悪感を求めるならば。

日本のホラーゲームが高い評価を受けているのは、そういうグロさじゃないベクトルで怖さを感じる作りこみをしているからかもしれません。とは言ってもホラーゲームらしいホラーゲームって「零〜紅い蝶〜」くらいしかやってないのであんまり分かりません。あれも百合目的で買ったので自分的には動機が不純、いや純粋。
 
「怖い」じゃなくて「生理的嫌悪感」という意味では、一番最初にあげた「the大量地獄」は今までにないポイントを狙い打ったなーと思いました。もうほんとダメな人はとことんダメだと思います。これは、慣れないかもしれないですネ。平気な人はそれでも慣れてしまいそうです。
個人的に慣れなくて生理的嫌悪感を感じるのは、「密閉系」のゲーム。出られないやつ。よくネットのflashゲームなんかであるとついついやっちゃうのですが、もうイライライライラして色々行動するんだけど、それでも部屋から出られない。この解決できないときのイライラ感はとことん苦手です。そしてだんだん鬱になっていきます。しかもそういうゲームって大抵音楽がなくて、延々とギイギイなる音を聞かされたりしてもうほんとゲロゲロになっちゃうんだよぅ。そんなにキライならやるなよって話ですが、やっちゃうんだよね。ゲームって怖いね。
これからは「ジリジリ追い詰められるけど正体がわからない」とか、「どう考えてもハッピーエンドがないんだけどそこに向かわないといけない」というのが中心になっていくかな、と思いました。さすがにこれはシナリオやゲーム性次第で、なかなかそう簡単には慣れないと思います。しかも、血や内臓が出て「まあいけないゲームね」って規制されることもなく、かつ精神的にクる楽しさがあるでしょう。「ひぐらしのなく頃に」はそういう面で、生理的嫌悪感と萌えと爽快感を詰め込んだ結晶なのかもしれませんネ。
と、ここまで書いて思いましたが、自分が「これは生理的嫌悪感を感じるかもね」と書いたものは、いずれも受身だな、と思いました。自分の中のM属性を刺激して痛いよ痛いよというゲームでしょうか。ポスタルやモーコンは、外側に向けた暴力性で気分を悪くさせつつ快感を得るサディスティックなゲーム。
自身のS感覚を引き起こさせるか。
自身のM感覚に訴えかけるか。
これが生理的嫌悪感で楽しむゲームのカギなのかなと思いました。嫌悪感で楽しむって妙な表現ですが、そうとしかいえません。気持ち悪くなるならやらなければいいのに、と思いつつも人間はそういうものに惹かれがち。不思議ですネ。

  • 悪趣味ゲーが評価されるかどうかは、ゲーム性だと思うのですのだ。

エロもグロもそうですが、そこにポイントを絞るのはある種テクニックだと思いますので、わりと賛成だったりします。本当の意味でのエロやグロを追求して描ききるのは非常に難しいことだと思うのですよ。だからとことんまでそれを追求したゲームは、評価できると思います。
しかしそれでも「ゲーム」は「ゲーム」。まずはゲーム性とストーリーと操作性ありきでしょう。どんなに悪趣味さを追求してすばらしい完成度を誇ったとしても、ゲームとして成立していなかったら、やっぱり評価されないかもしれませんネ。


ところで今気になってるのはコレなんですが、バグが多いとのコトで買うの悩んでます。ただ雰囲気は最高なのでぜひとも欲しいところです。中古がなくてやたら高いので、ベスト版にならないかと思ってますがどうかなあ。微妙だなあ。

痛いニュースより)
 
あと、コレ。こういうのだ!いやあ、すごいキモい!ステキ。でも夜寝れなくなりそう。
サイレントヒル3(グロ注意)

 
ここまで書いておいてなんですが、正直なところゲームやるのならハッピーエンドで心の底から感動できるゲームや、本当の意味でのヒーローを描けるゲームの方がやっぱり好きです。ヒーローのいるゲーム:キモゲーム=95:5くらいでやれればいいな、という自分です。たまにこっそりやるから面白いんですよネ。
手前味噌リンクあなたの「ヒーロー」は誰ですか。

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規制に関しては難しいところなので、なんともいえないんですが、18禁マークがつくとその分欲しがる人が増えるというトリックがあるとは思います。いっそ18禁にしてもっとボリューム増やして、みんなでお姉チャンバラやろうゼ。