たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「オトメン(乙男)」から、男の子はなぜ少女マンガが買いにくいかを考える。

あちこちで評判の高い「オトメン」。ほんとに面白いです。これ「少女マンガは読みずらいなあ」という男性にこそ必見だと思いました。
オトメン(乙男) 第1巻 (花とゆめCOMICS)
もう表紙が反則すぎますよね。実際、本文を読み進めると誰よりも男らしいはずの飛鳥ちゃんが誰よりもかわいいから、…ほれる!
しかも「恋愛は少女マンガで教わった」的思考の彼です。その乙女っぷりたるや。

うおお、ほれる!もうなんか抱きしめられたい!
とにかく彼が赤面するたびに、こっちまで赤面します。ああ、ときめくってこういうことなんですね。
 
はて、こんな「オトメン(乙男)」な主人公ですが、開き直ってオープンに暮らせるだけのパワーを持っているかというと、

全然だったりします。
裁縫したりかわいいものが大好き、だけど「隠したい」。少女マンガに共感し感動する、けど「隠したい」。
父親がニューハーフになっちゃって、その反動で母が「男らしくなれ!」と押し付けた反動もあるのですが、この行動身に覚えるのある男性は多いのではないでしょうか。
あわてて言った事→「妹が!」「クラスの子に借りて…さ!」「先輩がすすめてくるから…」
事実→自分で誰もいない時を見計らって書店で買った。

 
以前の記事へのコメントを読んでいて、少女マンガが大好きな男性が多いことを知りました。みんなオトメンですね。ラブリー。

男性が少女マンガを読むのは、おそらく女の子に萌えるから&恋愛がしたいから、だと思います。
初音島情報局さん)

男の子も恋愛物語が大好きなのです。
そんなに多いのに、なぜ「少女マンガ」を買うのが恥ずかしい、と反射的に感じるのか、ちょっといただいたコメントと「オトメン」を参考に考えて見ました。
 

●少女マンガ売り場のハードルの高さ●

zen 『女に生まれて得だったのは、少女漫画だろうが少年漫画だろうが平気で立ち読みできることだな。と、小学生の頃思ったことがあります。』
 
kari『普通の書店よりも、立ち読みしてる女性に混じってお目当てを探さなきゃならないブックオフとかの方が敷居が高いかも…
そんな自分は通販にはホント頼りっきりです。』
 
アルバオ 『仰るとおり通販のおかげで少女マンガを買える様になりました。それまでは知り合いに姉がいる奴に頼んで貸してもらったりしてました。今は人の少ない時間帯を狙って少女コミック棚に行けるくらいまで成長?しました。』
 
本屋 『自分は、「桜蘭高校ホスト部」「遙時」「今日マ!」などアニメイトで買っています。時々少女漫画を手に取ると後ろから女性の笑い声があってちょっと嫌だと思うけどそこは我慢して買っています。』

コメント欄より)

男性からしても、女性からしても。少女マンガゾーンは「女性のための物」と無意識に感じることがあります。いや、もちろん「そんなことは思わない」方の方が圧倒的に多いと思いますが、なーんか刷り込まれた感覚のようにそう感じちゃうんですよね。笑うのはちょっと寂しいナア。
女性には「男の子が少女マンガ読んでもいいと思うよ?」と言う人も多いと思いますが、ひっくり返すと「普通は読まないけど読む人もいるし、それもいいよね」という場合になるんじゃないか!…なんて考える時点で、かなーり女性の目を気にする自分はチキンです。「女の子も少年マンガ読んでもいいと思うよ?」ってあんまり言わないですもんね。
とはいってもこれは考えすぎのすけ。女性はたいてい気にしません。
なのに、男性は気にしちゃうんだな。
 

●男性が少女マンガに無意識に感じちゃうモノ●

ちょっとその心理の予想を立てて見ました。

1、多くの「少女マンガを読む男なんておかしい」という理論に過剰反応してしまう。
2、女性から見た場合の目を必要以上に考えてしまう。
3、「男らしくない」という考えが脳裏を横切る。

小学生のとき「うわ、男のくせに少女マンガ読んでる」とか言われたら一発で心に傷がつきます。だってオトメンはナイーブなんだモン。
そういう経験をすると1の「読んでるのっておかしい」と言う独自価値観がうまれるんですよね。
実際、オトメンに出てくる男達の価値観もそうだったりします。

裁縫が好きなのは「男らしくない」。ぬいぐるみが好きなのは「男らしくない」等々。大人が子供に言ってしまうこともあります。なんの悪気も無しに。
そういうのって案外残っちゃうんですよネ。そして「少女マンガを男が好きになってはいけない…!」とすりこまれることもまた。
2については先ほども書いたように、女性は大抵気にしてないはず。むしろ友人の場合とかなら、自分と同じマンガを好きになって会話できたら楽しいなあくらいなもんです。中には「男が少女マンガ読むのなんて絶対いや!」って人もいるかもしれませんが、今のところそういう人は自分は見たことないなあ。
あ、「大人がマンガ読むなんてありえない!」って言う人にはあったことがあります。
その時感じた気持ちが「へこむ」でも「恥ずかしい」でもなくて「も、もったいない!」だった自分はもう元に戻れないと思いました。だーってもったいないじゃん。面白いのに。

ヒロインのりょうちゃんは本当にいい子だね!でも「かわいいじゃん」ってのはあります。男から見ても「かわいいじゃん」です。そして「かわいくて」いいんですよね。男ってロマンチストな生き物ですもの。
そこで「女性がいるから読みずらい…」「女性店員に本を出しずらい…」と反射的に感じるのは、過去になにか言われた経験があるか、あるいは「男性として見られたい」という防御反応なのかな、と思いました。
そして、3番。
最近の学校では「男らしい」「女らしい」という言葉はNGなところがあります。でもそれはとても正しいことですよね。ある程度の「たくましさ」や「やさしさ」は身に着けるべき、と言う考えは大賛成ですが、イコールそれが「男らしさ・女らしさ」ではないわけですもん。全て好みは個性。性格も個性。こうでなければ「性別にあっていない」なんてのは、ねえ。
とはいってもそれはここ10年前後くらいのこと。自分も子供の頃は「もっと男らしい遊びをしなさい」と先生に言われたものです。うるさいうるさいうるさい!(cv.釘宮)自分は人形とシルバニアファミリーが大好きなんですよ悪いかっ!
まあ、それが今の自分のスーパードルフィーのお世話へと進化していっちゃったわけですが。
男らしさ、というのはなかなか難しい考え方。やはり異性に「男性・女性らしさ」を求めてしまうのは動物だから仕方ない部分ありますしね。あるいは日本の歴史の中で生きてきた日本人だから、というのも。
そのへんのジェンダー論はよう分からないのでスルーしますが、「少女マンガ」という分野がそれを濃く持っているのは事実かな、なんて思いました。
 

●わりとこえるのが簡単な、カベ。●

上に書いたのは「少女マンガゾーン」にカベを感じる人の話。
しかし「全くカベを感じずに読んできた」人もまた多いです。

私は漫画を読む姉という土台があるのが大きかったと思います。一条ゆかり作品読みまくり。
ゴルゴ31さん)
 
OKO 『私は小学生の頃は「リリカ」を妹から、中学生の頃は同級生の女子から「ジュネ」を借りて読んでたぐらいだったので、結構いい年になってる今でも、少女マンガだろうがBLだろうが普通に書店で買えます。チョットおかしいでしょうか?』

姉妹、クラスメイト、恋人などが読んでいるとハードルがグッ!と下がります。なにせ、手を伸ばしたところに少年マンガも少女マンガも同列にありますしね。しかも楽しそうに読んでいたら一緒に読みたくなるっちゅうもんです。
自分も今少女マンガが好きなのは、妹達が読んでいたからです。一緒に集めたりしましたし。まわりの目はちょっと気にはなっても「同士」がいるのでそんなに抵抗感はないんですよね。
また、こんなのも。

morimori 『小学生の頃に「こどちゃ」のアニメ、中学生の頃に「カレカノ」のアニメと、ギャグも面白く、見るのに障害が少ないテレビを通して触れることで抵抗はなくなりました。そして高校時代は友人が学校に持ってきたもの(「赤ちゃんと僕」「ママレードボーイ」etc)を読んで面白いと思っていたので、少女漫画を受け入れる素地はわりと早くからあったと思います
よく言われるような少女漫画を買う恥ずかしさっていうのは地元の書店でもない限りないですね。大学に行くついでに、自宅から離れた都内の漫画に強い大型書店で買うことが殆どなので、ある程度周りの人にも理解されるだろうと思うからです。どうせ親しい知人には合わないという開き直りもありますが。』

アニメ化・映画化は少女マンガと少年たちのハードルを取っ払ってくれます。カレカノ、赤ぼく、ママレ、フルバ、赤チャ、こどちゃ、NANA、ハチクロラブ☆コン等々…。今でいうと「のだめ」かと思いましたが、のだめはすでに全性別対象なノリで並んでいるので買いやすいですね。
また、有名になったマンガは「理解されている」というのはmorimoriさんのおっしゃるとおりだと思います。
ア○メイトみたいなオタクご用達の店はもちろんのこと、町の大きなお店に行くと最近は、少女マンガコーナーで本を買う人の姿をよく見るようになりました。少年マンガと少女マンガの棚が離れていないで、スムーズに並んでいるのがポイント。
オトメンな方は、「買いやすいお店」を見つけておくのも一つの手かもしれませんネ。…はっ、通販か。
 

●番外編な人。●

>「水色時代」に強烈なトラウマっぽいなにかを埋め込まれる  身に覚えがありすぎる。
カトゆー家断絶さん)
 
某漫画の強烈なトラウマというところが非常に私の体験とそっくりなんですが(笑)
痕跡症候群さん)

ですよね!(握りこぶしをわなわなと振るわせつつ
やぶうち優先生は、少年少女マンガではくくれない何かを持っているということでFA。
 
〜関連記事〜
少女マンガが大好きな男の子、手あげて。
〜関連リンク〜
2007年のモテ・ジャンル「オトメン(乙男)」(マンガがあればいーのだ。)
男子は皆、乙男。 - オトメン(乙男)(1)(真・業魔殿書庫)
菅野文/オトメン(乙男)(マンガ一巻読破)
再掲ですヨー。