たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

さあ、その手をつなごう。「プリキュア5第24話」


新アイテムキターーーーーー!

…ってあれ?

でかっ!
 
それが素直な感想な回でした。いやあ、びびった。ほんとに。
先日ようやく、ギリンマの哀しみをだらだらとつづれたことで、ようやく少しふっきれました。もうここまでショックだとは思ってなくて焦りました。没頭しすぎです。
とにかくみどころ満載すぎる24話ですが、なんといっても「手をつなぐ」という、プリキュアにとって一番大切なところが今回とうとう描かれたので、その点について思うことを書こうと思います。
 

●のぞみの「絶望」●

前回は、他の4人が今まで描かれて救われてきたエピソードを徹底的に逆手にとるという手法で、4人が絶望に陥るというとんでもない事態になっていました。
もうこのへんのトラウマ描写はファンの間でも話題騒然でした。そのトラウマっぷりに。かれんなんかにいたっては、文字通りのトラウマを穿り返しているので、なかなかハードな描写でした。
そこにきて、この笑顔が恐ろしい。

絶望という名の架空の逃避所です。だから、全体的に色がぼやけています。
絶望の世界なのに、こんなにもみんな幸せそうなんですよね。というのも、それは5人の中の脳内花畑だから。というか、のぞみから見た現実逃避のビジョンがこれ、だと思われます。

はて、他の4人の絶望はわりと前回語られていましたが、んじゃのぞみにとっての絶望ってなによ?という話です。そもそも最初は絶望の仮面を拒絶するのですが、押し負けちゃうんですよね。
のぞみにとって一番恐ろしいことは、信じていた仲間が消え去ることと、思い描いていた夢を失うことでしょう。特に前者は彼女にとって命にかかわるほど重要なことです。
りん・うらら・こまち・かれん、そしてココ・ナッツ・ミルク。
全員の心がバラバラになることが、彼女にとっての一番の恐怖です。今までも仲間内でのトラブルがあっても、なかなかまじめに踏み込めずパニックになるシーンが実は多いんですよネ。取りまとめるというよりも、「まあまあ、ここは穏便に」みたいなオタオタ感が強かったのがのぞみさんでした。

みんなで、おいしいものを食べる。
プリキュア5では昼食のシーンがものすごく多かったですよねえ。それは今になってみると「みんながつながる象徴的な場」だったのでしょう。みんなでごはん食べてニコニコしていれば、とりあえず大食い戦隊としては幸せなように見えます。でも前回、はじめてそれが崩れ去り、言葉以上のショックが彼女にあったことを想像するのは容易。
彼女もまた、一度は脳内で見る幸せな、虚偽の夢に身を任せてしまうわけです。
抜け出した人が一人もいない世界。このへん、「マトリックス」や「吸血姫美夕」の感覚と同じでしょうね。見方によっては、このまま幸せな夢を見続けて眠るのも、ひとつの幸せ。…か?
 

●握られた手、その1●

はて、プリキュアシリーズで大切なシーンとして、「手をつなぐ」というものがあります。
これは、初代の二人も、SplashStarの二人も、手をしっかりと結んできました。そしてプリキュア5でも、個々の関係をあらわすために手をつないできました。
関連・その手をしっかりと握り締めて。〜プリキュアSSの手の握り方〜

こまちとかれん。のぞみとりん。
それぞれの濃密な関係を持った間柄では、今までもつながれていたその手。
 
今回の騒動で最初に手を握り締めたのはなんと。

ココでした。これは意外。わざわざこのために、ココはケモノ形態から人間型に!何そのドリーミン!おいらが抱きしめるんだ!とか言う余地すらないくらいのかっこよさ。

正直、ドキドキとかハラハラじゃなくて、ぐっときた!
今回はとにかくココが大活躍だったのですが、確かにのぞみを、4人を目覚めさせることができるとするならば、彼しかいないんですよね。彼の必死さ、愚直で真剣で一点を見つめるような視線。それはのぞみの生き方とえらくリンクしているんじゃないかなあと思います。大人な分、のぞみよりはるかに落ち着き、冷静さがありますが、熱さという面でのベクトルは同じ。だから彼は「引き止める」という形でのぞみの手をにぎり、抱きしめることができる人材でした。

と思ったけど、やっぱりジェラシー!のぞみはりんちゃんの嫁だ!でも…ココなら…うーん(変な葛藤中
 

●握られた手、その2●

今まで、5人全員がつないだことってなかったんですよね。
今回、半分まで話がすすんで、とうとうそれがかなう日が来ました。といってもやはり、握るのにはかなりの抵抗が存在しました。

のぞみ以上に、絶望から逃避していた彼女たちの目はすっかりにごり、希望を失ってただ今は脳内の安息地に逃げ込んでいる状態。これはなかなか簡単に動かせるもんじゃないです。
これ、結構見ていて軽い恐怖を覚えます。でもこのくらい追い込まれているからこそ、次のシーンが生きてくる。

のぞみの差し出す手に、一回躊躇するんですよ。そこがものすごいうまい。これSplashStarのEDの時も同じような演出がされていました。
絆としての手は、握ればいいというものではありません。自分の意思で、相手とつながろうとしてはじめてしっかり握られるもの。いったんは躊躇するのが当然なんですよね。

そして、握る。
とうとう握ったんだよ!長かった!

のぞみを見守る4人の瞳。しっかりとつながれた5人の手。前回今回の困難を越えて、はじめてひとつになれた瞬間でした。
 
今までも確かにチームワークのいい戦闘と、仲良しぬるま湯な生活を送ってきた彼女たちですが、実際には甘えがあったり心を開ききっていない部分が多々ありました。結構それぞれわがまましてましたしね。
しかし、ようやくつながれた手によって、それを乗り越え次のステップへ。このとき、やはりのぞみが中心なのが興味深いところです。彼女は誰よりも「普通」だけれども、5人をつなぐカギになっていることが強調されたかのようです。
 

●りんちゃんとのぞみ。●

5人がつながった、とはいえ、りんちゃんの絆の強さはやはり別格。え、りんちゃん好きアイが発動しているだろうと?それは少しありますが、この作品でのりん・のぞみの関係はやっぱり一山超えた濃厚なものになっていると思います。

りんちゃんは、今まで「私がいないとのぞみはだめだねー」という思考のキャラでした。心にぼんやりとそうではないことは浮かんでいましたが、「のぞみのために」というのを言い訳にしていたのは事実だと思います。
しかしようやく、自分こそがのぞみに依存いていたことを認めます。
これって、友人関係で地味に難しすぎることですよね。なかなか認められませんて。少なからず友人関係での依存度ってあると思うのですが、りんちゃんののぞみ依存度はかなり高い部類に入ると思います。のぞみがいるからプリキュアやってるし、のぞみがいるから「それを助けるわたし」という自分もいますし。
それがすべてではないし、よいことかどうかも見る人の判断だと思います。しかしりんちゃんは、どうあれ「認める」ことでのぞみとの絆を深めたと言えると思います。そして、叫ぶ。
「私はのぞみと一緒にいたいのよ!」
こんなにストレートに告白されたら…ときめくし燃えるじゃないかっ。

長い夫婦のような息の合い方は、すれ違ったときに崩壊してしまうこともあります。だけど彼女らは、今までの関係から一歩踏み出して、新しい二人の関係をまた築いていくのだと信じています。いま、この瞬間から。

同じことが、こまちとかれんの間にも芽生えました。
かれんを一人にしない。私がいる!こまちにしては珍しい告白的な熱い言葉。かれんの孤独はひとつのトラウマ状態ですから、これは彼女の今後の人生を変えるくらい大きな出来事になりそうです。
 

●握ったその手のことを忘れないで。●


彼女たちが握ったお互いの手。ふたりのときのプリキュアとは違い、こうやって5人で握るのは今後もあまりないと思います(必殺技バンクのは手を握ってないので)。
しかし、この瞬間があったことを覚えていてくれれば。彼女たちはさらに前に進むことができると信じたい。そして、この鈴とビーズは、手をつないだ証として、今後のお守りになるのかな。
絶対ケンカだってするし、さらに絶望したりもするとは思います。またその過程がまたちょっと見てみたいなというおっかなびっくり感もあります。
ただ、こうして手を握ることができるなら、いつでも思い出すことも、できるでしょうネ。
現実逃避を否定し、現実を真剣に見る瞳。今後の5人の関係がどうからんでいくのか楽しみです。
 

●カワリーノさんの恐怖●

みどころ多すぎるのですが、ピックアップ。
 
その1

カワリーノさん、強すぎ凶悪すぎ。これが本当の戦い方ってやつなのかしら!
にしても、プリキュアやカワリーノさんに「本部が壊れちゃう!」とあわてるブンビーさんが萌えすぎです。こんなに中間管理職している敵、そうそういなさそう。なごむわあ。
 
その2

ブンビーさんでもひきはなせないナッツのしっぽとミルクの耳。
以前しっぽでココを殴ったこととかありましたよねそういえば。なにげにケモノ状態でも強い彼らです。
 
その3

お花畑!女の子の夢!
このカットだけみると「どんな夢だよ!」と言いたくなりますが、いかんせん今回のココは本当にかっこいいので仕方ない。助けてくれるのは彼しかいないから。ココは総攻め、ってことでひとつ。
 
その4

こまちさん、最強説がまた一段と加算されました。一人で受け止められるって、かなりのものです。どすこいこまち。
 
その5

今最大の謎である仮面の社員たち。こいつらが感情っぽいなにかを表すのは今回がはじめてなんですよね。もしかしたら今まで普通の人間で、仮面をかぶらされているだけなのかなあ?
 
その6

ツンデレミルク。やっと成長が見られたミルクですが、まだまだ。今後彼女が愛されキャラになっていくのかなあ。人間化は五分五分といった感じでしょうか。うーん…。
 
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