たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

田舎住民から「オタク文化地域格差」についてヒトコト

オタク界の地域格差は本当に広がったのか? (りきおの雑記・ブログ)
オタクを文化として包括して見ている面白いエントリ。
では田舎住民の自分からも一言。といってもオタクといっても色々なものがあるので、「アニメ・ゲーム系」のみで。電車や写真オタクだと地域格差どころか田舎のほうがイイ!になることだってありますし今回は除外。
 

●田舎の現状●

マンガ・小説…格差はない。今は島だってamazonBK1が安い金額で届きます。すばらしいことです。あえていえば、発売が2、3日(土日をはさむと+2日)遅れるのが難点です。ネットを見ていると「その日に買わなきゃ!」的な強迫観念に駆られますが、冷静に考えたらなんてことないです。ネタバレだけは避けて通ります。
ちなみに郵送費に関しては「本州で住んでいるときの家賃や交通費」を考えるとそれほど気になりません。
 
インターネット…実は地域格差激大。時代は光ですって?ISDNしか通っていないところは山ほどあります。一応それでもごくわずかながら縮まりつつはありますが、いかんせん田舎にいくほど過疎でインターネット使用者がいないため光回線を通すメリットがない、という悪循環。むしろ田舎ほど光回線必要だと思うのですが、こればっかりはお金が莫大にかかるので…。
 
アニメ…壊滅的。まだ自分の住んでいる地域はテレ東系が入るのでましなほうですが、おそらく放映されているアニメのうち体感としては3分の2は視聴のしようがない感じ。今は録画している海の向こう(本州)の友人に送ってもらってます。いまだ地域によってはテレビ局の数が激少ないところもあるし…。せめて、Gyaoのようなネット放送をもっと増やしてほしいと願うばかりです。
 
同人誌…郵送費高いながらもとらのあなメロンブックスの通販があるのでかなりマシ。実際にイベントにいって買う快感が味わえない辛さはありますが、でもそれは都会部の人だって苦労しているので仕方ないかなー、という気持ちです。そもそも同人誌が気軽に買えたら、本来の同人誌の「わずかなタイミングで一生懸命売り買いする」という感覚から飛んでいる感じが自分はしたので、気にならないかなあ。というお年寄り思考。
 
ゲーム…これも2、3日遅れるので、ネタバレを避けて通るくらい。実際に買ってスピード攻略する人にはちょっとしんどいかもしれませんが、あんまり気にならないかなあ。なんでもとりあえずamazonで手に入るってすごいわ。ネットゲームは回線が細いところだとどうにもならず、ただ涙。
 
フィギュア…これもamazon…とはいかないのがクセモノ。ちゃんと店頭で選んでよい塗りのものを選びたい場合は辛い。調子こいてamazonでぽんぽん買っていると、ときどきおおはずれが届いて泣きを見ることもあります。
 
イベント…なにそれ、おいしいの?(涙ながらに今週末のコイルイベントを諦めた人)
 

●田舎が本当に問題なのか?●

あんまり「地域格差」という表現は好きじゃないです、勝ち負けみたいで。
しかしながらアニメに関してだけは「見られない」というどうにもならない事態があるので、こればっかりはなんとかしてほしい!と願うばかり。ネット放送とか…放映局拡大とか…。
 
そのほかに関してですが、ちょっと「初音ミク」で有名なクリプトンのインタビューでぐっと心にきたものがあったので再掲してみます。

北海道クローズアップ内のクリプトン・初音ミク紹介の内容ピックアップ。

・社長談「集中創作として北海道は適している。」
・インターネットの効力が大きいことを言及。僻地の壁がなくなることを強調。

あくまで企業としての話なのですが、この捉え方は目からうろこ。
回線の早い遅いはあるものの確かに情報のやりとりは田舎の島でもできます。外国からでもできます。
そんな中でこつこつとよいものを作ったり、よいものを探す事が出来る、というお話。
 
広く浅く押さえるという点では田舎は都会にかないません。それを全部格差を埋めてください、というのはお金がかかるのでムチャな話。
しかし自分がどう動くかを深く追求していくオタクの場合に格差はありません。むしろ情報が少し遅れて、かつ一定のタイムラグによるフィルターを通して届くため、厳選しやすい、なんて見方もできます。
また最近すごい絵師さんや作曲家さんが田舎在住なのをネットでよく見かけてほとほと驚きます。
イベントなども「地方にないから俺たちが作るんだ!」という情熱が見られます。ないところから作る情熱は本当に温度高いのです。
 
深く、何かに取り組む際は、やはり地域がどこかというのは関係ないどころか「田舎だから何が出来るだろう?」と見直すことで一層自分に力をつけることが出来るのだ、ということを励まされました。
田舎だから…!とだけ文句を言っていても前に進めないですものね。時々アニメとかアニメとかアニメですねちゃいますけど。
むしろ地域だからこそ自分の世界に没頭して作る環境がある(ジャミングが少ない)んじゃないの、と言われたらやる気もわきます。イベントに行くにはお金がかかっちゃうけど、その分すぐいける人よりはるかに情熱も旅行感も楽しめる!
 
「格差」を考える前に、改めて「自分は何をしたいのか」「何を求めているのか」を真剣に考えられるのが地方オタクの強み。情報の波に流されるだけが趣味人じゃない*1
そして寂しくなったならば。今はネットを介して仲間が地域・国境の壁を越えて作れるじゃないか。北海道の人と沖縄の人が一緒にすごい同人誌作ったりもできるんですよ。
鬱憤やヤケクソにも見えるかもしれない。けれどもそれでもいいじゃん、住んでいる場所と情熱は比例しないゼ!
常に前向きなオタクでありたいという思いは、地方であるからこそ強くなれると思うのです。
 
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余談。
プロアマ問わず、イラスト・マンガ・小説などの創作をされる方で地方在住の方は多い気がします。ネットでデータやり取りできる利点でしょうか。あとは一人で作れる音楽(打ち込み系)の人。
逆に演奏系の音楽の人、ライターさんは都会在住が多い様子。インタビューやルポなどはどうしてもフットワークが必要になりますし、スタジオがないと音がへちょくなってしまうのでこればかりは。あとは同人作家としての活動を広げたい人。そういう人はがんばって上京物語。
 

*1:とか言いつつ超流されてますが!