ボーイ・ミーツ・えらそうな女の子の”ぶるまくら”「つぐもも」
●カリスマ少女●
以前某雑誌でも書いたのですが、わたくし「えらそうな少女」あるいは「カリスマ少女」が大好きです。
気が強くて、えらそうで、人を下僕扱いしちゃう女の子。それでいてなんだか力にあふれていたりいなかったりするなら、読んでいて下僕にならざるをえません。
有名どころだと「サイバーボッツ」のデビロット姫や「狂乱家族日記」の凶華様、「アルカナハート」のきら様など。
マンガでも最近は「かんなぎ」「鬼切様の箱入り娘」「白雪ぱにみくす！」など、カリスマ少女がじわじわ盛り上がっている気がします。
そんな中、気が強いカリスマ少女と少年の様子を、独特のタッチで描いたステキ作品が現れました。浜田よしかづ先生の「つぐもも」です。
これがまた、カリスマ少女好きにはたまらないくらいツボをついているんです。
●えらそうな少女は、か細くあれ。●
カリスマ少女にとって重要な部分のひとつは、か細くて一見弱弱しそうであることです。
というのも、グラマーでぷりんぷりんなラムちゃんタイプだと、少年が出会う女の子としては、少年側が相当な肝っ玉の持ち主じゃないと流されっぱなしになってしまうから。加えてこれがマッチョだとそれもさすがにウーム。レイモンド？
しかし、実際は強くて力があって、言動も高いところから見下ろすような子で、年齢も計り知れないくらい上であっても、その外見が幼くか細いと、少年の位置が際立つんですよ。
「つぐもも」に出てくる少女桐葉は、着物の帯の付喪神です。いわば妖怪です。なのでとてつもない力を持っているのですが、なんせ浜田先生はこの子を非常にほっそりと描きます。
ずうずうしくベッドに入ってくる桐葉さんの図。
この脚の描写力！
少年が中学二年生で、この桐葉も同じくらいの姿という扱いなんですが、とにかく桐葉の脚の描写は一貫して細くて育ちかけです。ふくらはぎの部分には魂をこめて描かれているかのようです。
だからこそ、この作品で桐葉の傍若無人っぷりが引き立ちます。外見が年齢より幼そうだからこそ、周囲のキャラとの対比もあってどんどん魅力的になっていくのです。
また、少女がどんなに強くても、少年と似たような年代かそれ以下姿かたちであることで、少年の立ち位置が完全に下になることはありません。少年はそんな少女とトラブルを繰り返しながら、成長していけるのです。
にしても、浜田先生の描く少年少女の骨格は見事であります。
和風でマイペースな桐葉さん、脚を見せるシーンが非常に多いです。
加えて彼女、はだしのシーンがとても多いのも魅力のひとつ。制服に変装していたとき、はだしに革靴だったのには感動すらしました。すばらしきかな！
加えてそこは、彼女が無頓着であることも描き出します。恥じらい？知らんそんなもん。そもそも帯なんだもの、今までだってそんな隠したりなんてする必要なかったんだし、自分のペースでやってくよ。
風呂だって一緒に入ったって気にもしないよ！
ああうらやましい。すばらしい。これでこそ「つぐもも」。
●動け少女！●
カリスマ少女にとって重要なポイントの二つ目は、「えらそう」なりの自信に根ざすアクションです。
もちろんそれがなくても描かれていく作品もたくさんありますが、ここで思いっきり爽快で派手なシーンを見たいじゃないですか。
この桐葉は「帯」なので、とにかく動きがダイナミック。画面狭しとその帯の特性をいかして動きまくります。
今後この作品でのキモになると思いますが、「帯だからの限界」をいかに「帯だからの面白さ」で乗り越えるのかが興味深いところ。
やはり自信満々に駆け回る少女は見ていて気持ちがよいです。
もう一人のヒロイン、学級委員長の近石千里がまたステキなキャラです。
太眉、貧乳、メガネ。オタクのツボをつきまくったデザインに加えて、ハリセン片手にとにかくこの子も動き回ること動き回ること。
この作品、そんなわけで少年より少女の方があっちこっちへ自由自在に飛び回ります。
それを見ておたおたする少年。いいね、弱いね。これから成長するにしてもしないにしても、「女の子、弱そうだけど強い」は見ていてスカッとします。
●ぶるまくら●
ここから個人的な感想になります。
この作品エロシーンはほとんどないのに、ものすごくエッチな空気漂ってます。自分にとって、ちょうどツボにぐいっとめりこんだような気分です。
というのも、最初に書いたように浜田先生の絵がとても独特で緻密だから。
桐葉のこのはだしと脚の筋肉の描写ときたらもう。まだ女性になる前の、でも少女から成長しつつあるこの脚と肉のついていないおしりときたら。
脚の骨格と、ふくらはぎのお肉は必見です。自分はそこに詰め込まれたエロティシズムにやられたのですが、絵を描く人ならばこの描写方法は、なかなかグッとくる刺激的なものがあると思います。少年も少女も中学二年生なんですが、成長していな度合いでは現実のそれよりもあえて少し下の成長度合いでとどまっているのがまたうまい。
んで、この桐葉のおしりをじーっと見ましょう。よく見ましょう。本を買ったら穴が開くほど見ましょう。
この無防備な状態のブルマ尻を見たら、男の子なら夢がひとつ芽生えるでしょう。
そしてそれを、つぐももは描いたね。
ありがとお！浜田先生ありがとお！
これです。少年の夢です。
ん？あの状態ならつい手を出しそう？いやいや、少年の夢はこっちです。
そしておそるべきことに、浜田先生はこの後、さらなる「ぶるまくら」を描きます。
ぶるま好き必見。
えらそうな少女が家にいるって、本当にいいものですね。
絵柄に興味がわいた人は、こちらの動画も必見です。浜田先生ご自身であげられたイラストの製作の動画なんですが、非常に勉強になります。
〜関連リンク〜
浜田よしかづ「Yの食卓」
COMIC SEED
８月からCOMIC SEEDがなくなり、WEBコミックハイ！になるそうですが、予告の中に草野紅壱先生の名前が！これは楽しみ。
〜関連記事〜
マンガの異類恋愛譚と男の子の成長を「鬼切様の箱入娘」から考える。
えらそうな少女にとって、裸足は重要なポイントだと思います。うん。
