たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「読書感想文」をなんで書かなきゃいけないの?

●感想文中毒患者●

ネットを日々さまよっていると、自分の徘徊しているところが「感想サイト」が多いため、感想文を書く・読むのが当たり前に感じる日々が続いています。
まあ、レビューというとかっこいいのですが、基本感想文の方が自分は好きです。
やべーよ!もう面白くて仕方ないよ!読んでよ!っていう情熱あふれる笑顔の声を見るのがなによりも楽しい日々の糧になっています。だからアマゾンレビューでも、ものすごい数をこなしている人の「好き」さ加減を見てニヨニヨしたりします。
しかし不思議なもので、大人になってから自分も毎日のように感想文*1を書いているわけですが、子供のころそこまで好きでもなかったんです。
というか、感想文、小中学校時代書いてました?
 

●変わりつつある感想文事情●

「もちろん!大好きだったよ!」という人もいっぱいいらっしゃると思います。
しかし、なかば「はい宿題だからね、マンガ禁止」と言われると反射的に「えー」となってしまう人もまたいらっしゃるはず。
自分は本の虫っ子だったので、ツボにはまった本があったら原稿用紙10枚くらいガツガツ書いていましたが、ツボにはまった本がない時期もやっぱりあるわけですよ。そうしたらもう苦痛で苦痛で、頼むからその推薦図書とかっていうのやめてくださいよ、手塚治虫を読んで感想書きたいよ、ということもありました。
 
んで、ちょっと今さらさらっと「読書感想文」で検索したらこんなものが。
自由に使える読書感想文・著作権フリー
もうできあがっている感想文を、学校提出の場合のみ著作権フリーという、びっくりなしろもの。
最初見たときは「それはどうよ!」と思ったんですが、よく見てみると「バレたらしかられてね」「貫き通す根性を持ってね」というスタンスの様子。
ははあなるほど、よく考えたら「読書感想文」一発で出てくるサイトですし、内容もできすぎているのでバレて当然ということなのですね。むしろここにある文を自分なりにアレンジできるだけの能力があるのなら、そりゃーたいした文章力です。立派なものです。
 
最近は大学の感想文レポートでもコピペできちゃう時代です。さすがにそれはどうかなーと思っていたら、教授たち側もしっかり「コピペじゃないかチェック」をしているようで、これが情報戦なのかしらと思いました。
もちろんこれは、パクり側がダメなわけですが、何を持って「よい感想」なのか、何で書くのか、そもそもそこの問題なんですよねこれ。
 

●何を読んでもかまわない●

WEB拍手の意見より。

今の中高生はラノベで読書感想文書けるのかなぁ〜

自分は大いにありだと思います。
むしろ変に純文学をチョイスして背伸びしまくって、「戦争はいけないと思います」「ボランティアは大事だと思います」という型にはまった答えをしない人間の方が好きです。
ちょっと学生と先生の立場から「感想文でマンガ・ラノベはだめなのかどうか」について書いてみます。
 
自分個人の意見としては、結論は「何で書いてもいい」です。
むしろマンガを読んでそれに対しての思いを熱くつづれる小学生とか、すげーっすよ。ワンピースを読んで「面白かった!」じゃなく、なぜ面白いのかを分析して書けたらそれは金賞ものです。
ただ、その段階に至るまでには小学生では文章を書く回数があまりにも足りません。
加えて、現実問題あまりにもあまりにも文章が読めない子供が多いのも事実です。3行読んだら集中力切れる子もいます。高校生でもいます。
なので、読書感想文の本当の狙いはおそらく、「とりあえずいいから本読めよ」なんだと思います。
が、それによって読書嫌いが増える悪循環。だめじゃーん。
 
加えて、どの学生にもある「感想文コンクール」。これもくせもので、あまりにもアナーキーなことを書くと大体アウトです。そりゃまあね、「澁澤龍彦の『人形塚』からロリコンのコレクション心理と罪悪感を探る」とかを中学生が書いていたら心配します。その子の将来について。でもその子好きかも。
そんなのよりはどちらかというと、自分の生活とからめてこんなことを思いいった、こうしていくべきではなかろうか、という文のほうが「よい感想文」しているんじゃないかなあ、というのはこちら側ですら刷り込まれてしまっています。
 
まあ、最近の先生は柔軟な方も多いので、むしろそういう紋切り型を嫌い、自由な感想かける子を拾ったりもしますが、それだけのものを書けるならそりゃその子はたいしたものです。
 

●感想を話してみよう●

でもね、感想を人に伝えることって、死ぬほど楽しいんですよ。
あと、聞くのも死ぬほど楽しいです。
ものすごく面白いマンガを読んだら、「このマンガすっごい面白いんだよ!」って友人に言うじゃないですか、子供でも。それをこじらせて今自分はこんなサイトやってるんですが、日々メッセやチャットなどで「この本最高だった!」「あのアニメのあのシーンはこう思うんだよ」「この動画のここがすごくよくでてて」って話すのが楽しくて楽しくて。自分が興奮したのを伝えるのも楽しいですし、相手から新しいことを聞くのも楽しいです。
 
お子さんがいる方や、あるいは今学生の人へ。
感想文を書くのは無理に好きにならなくていいと思います。
でも、どんな作品でもいいので「面白かった」ことは誰かに伝えてほしいと思うのです。
 
あえて感想文がもっている最大の効果を探すとしたら「ほかの人に何かを伝える」ことです。
でもそれなら別にたいそうな感想文じゃなくてもいいわけです。何も見ず何も読まず、相手に何も伝えないよりは、ほんのちょっとでも相手に自分の感情を伝えられる技術があったら、それは一生の宝物です。
だから最初は「書けないから嫌い!」ならそれでよくて、まずは昨日見たアニメのどこに興奮したかを、友人と話すことの楽しさを知るのが一番だと思うのですよ。
そのうち、パンパンに膨れ上がってくるので、いやでも文章に書くようになるもんです。
 

●アニメ・マンガの感想を書く楽しさ●

こっから先は「いい感想文」関係ないです。自分が好き勝手に書きます。
自分が感想を書きたくて仕方なくなるのは、興奮したことを誰かに伝えたいからです。
たとえば自分はプリキュアとかみつどもえが好きです。好きだから見ます。見たら「ここが気になる」と言います。
言ったあとに誰かが「こうじゃない?」「こういうのもあるよ」「元ネタはこんなのが」となってくると。
もう鼻血出ますね。一人じゃわからないところがどんどん見えてくる!
また好きな作品の話をして、それに対して「これも好きだと思いますよ」と教えてもらって、そこで一生ものの出会いになるような本があったときにはもうどうしようもない。書いてよかった!話せてよかった!ってなります。
おそらく「共有したい型」なんだと思います。
 
加えて、自分であとから見直すことも大いにあります。
やはり文章で感想書いているときって、相当興奮しているわけですよ。その記録をあとから見直すことは本当に楽しいです。だって楽しい瞬間のこと書いてあるんですから、そりゃいやになるわけがないです。
 
また、書いていると最初は「好き」だった作品を何度も読み直すことになるので「好き好き好き」くらいに膨れ上がるんですよね。
これもまた楽しいです。好きなものをもっと好きになれるのは幸せなことです。
 
じゃあそれが「よい感想」なのかというと、そうではないと思います。
偏っているから。
ある程度バランスをとって、いいものも悪いものも摂取しながら自分を立てて見つめていける方が、視点に幅が出ます。
が、正直「好き」なこと話すのでいっぱいいっぱいです。
それでいいかな、と思っています。楽しいことしたいもの。
 

●楽しい感想文●

学校の感想文の話に戻ります。
ある程度友人たちと感想を話せるレベルになると、感想文はわりとお手の物になっていると思います。
賞狙いなら、先生の好みを攻略する必要もありますが(この先生は自戒と生活観が入ってるのが好きだ!とか)賞を気にしないならドギモを抜くような作品作った方が、大人になってから楽しいです。思い出すのが。
 
1行読むだけで読書感想文を書くために
超有名サイトですが、いつ読んでも面白いので紹介。
「正しいテーマを探さない」というのは本当に面白いポイントだと思います。
 
たとえば「よつばと!」の感想を書くとして、「よつばととーちゃんの生活が面白い」と書いてもちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
しかしそこで「風香の体重を予測してみる」とか「よつばの自転車の値段の推測から、小岩井家の財政事情を考える」とか変にピンポイントに絞った方が面白そうです。てかもうやってる人いそうですね。
どうせやるなら「感動した!」とド直球飾り気なしでぶつけるか、すっごく視点を変えてその好きを表現したほうが自分が楽しいと思います。というのが自分に足りないところなので、がんばっていきたいなあと。
 

●結論●

つまり何を言いたいかというと、「よつばと!」と「サナギさん」を学級文庫に置こうぜという話です。
 
おわり。

*1:レビューとか批評なんてしろものじゃないです、感想文。