たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

これが安心のねんど。クオリティ!「めがねでHで小生意気!」

エロマンガの話なので収納ー。
 
 

コアマガジンからは初の、ねんど。先生の単行本が出ました。
LOではロリメインでしたが、今回は小〜高ともう少し幅広く描かれています。
 
ねんど。先生といえば、かわいらしい女の子達がちょっと攻め気味に、明るく楽しく話を展開してくれるのが持ち味。
なんと言っても一番の特徴は、その安定感です。
「安定したエロマンガのよさ」について、ねんど。先生の作品を見ながらちょっと書いてみます。
 

●「エロマンガの需要」●

エロマンガは描く作家さんそれぞれ様々な意志をもって向き合い、魂を燃やしているわけですが、その姿勢には他のマンガとはちょっと違う、いろいろな考え方があります。

・自分好みの「エッチなこと」を楽しく描きたい。
・18禁だからこそできることをエロマンガでやりたい。
・読者の性的なニーズにいかに応えられるかに挑みたい。

などなど。
一般誌に行ってもやはりエロマンガが描きたい。エロマンガの舞台でこそ一生涯がんばりたい。そんな作家さんも多いですが、やはりこれらの面で何かしらの主義があるからだと思います。
どれがえらいとか、そういう問題ではないです。いずれも「描く原動力」です。
自分は変化球が好きなので、二つ目の意欲で挑んでいる作家さんをつい応援したくなるのですが、三羽目の「性的なニーズに応えられる作家」というのはものすごーく大切な、いわば男子の宝と言ってもよいのではないでしょうか。
おおげさ?
いやいや、重要です。生きるか死ぬかくらいに。
 
・・・あ、それはおおげさですね。「マスクをしたまま暮らすか、マスクを外して暮らすか」くらいは重要です。
のびのびと、自らの性的嗜好を受け入れてくれる場所、必要じゃないですか。特に少し逸脱した、写真では出来ないこととなったら、マンガですよ。今はまだ、エロマンガは性の駆け込み寺になってくれています。
 
そうなってくると、安定した供給が求められます。
定期性、クオリティ、流行にあったツボの押し方。
これがまたなんとも難しい。常に需要は変わり続けますが、それにあわせて、しかも毎月あるいは隔月で描けるのか?しかも特定のエロページ割合を守りながら?自らの体調やメンタリティとは別の次元で維持ができるのか?
これはものすごく大変なことだと思います。もちろんギャグマンガで笑いを追求するのも、シリアスマンガでストーリーを精選するのも大変ですが、「性」という中心テーマでいかに安定度を図るか、というのはとても難しい。
いわば、職人芸に近いのではないかと思うのです。
ちなみに、エロマンガでこの職人芸をほぼ完璧にこなしている作家さんとしては、たとえば猫玄先生などではないかなと思います。あのペースとクオリティと安心度は、すでに悟りの領域に近い気すらします。
 

●ねんど。先生の職人芸●

ここで、ねんど。先生の新刊の内容を見てみます。
先ほども書いたように、ねんど。先生の特徴は「ころころとしたかわいい女の子」が「少し攻め気味」なところです。
エロマンガで「男ががんがん責め立てる」というのが好きな人も多いですが、「女の子に色々されたい」願望は最近ものすごく増えていると思います。
自分なんかは特に「受け身」ものがたまらなく好きなわけですよ。幼女にはだしでぺちぺち踏まれたりしたいわけですよ。少女に振り回されたいわけですよ!
誰かこの欲求を満たして!
 
そこで!安心のねんど。クオリティ!

「S系彼女。」より。題名からしてばっちりじゃないですか。
友人の中学生の妹さんが、積極的にガンガン攻めていくこのマンガ、とにかくテンポよく「攻めますからね!攻めるからね!」と押し押しです。
読者は「早く攻められたい、でも少し焦らされたい」というアンビバレンツな感情を抱えながらマンガを読むわけです。早すぎてもだめ、遅すぎてもだめ。ここで!いまこそ!という重要なタイミングがあります。
そのテンポの押さえ方がすこぶる上手いんです。ここがまさに匠の技。

「迷える子羊の為の狂奏組曲」より。
他の男の子達にパシリにされている少年が、ふとしたきっかけで先輩に、いわば「喰われてしまう」お話。という時点でもうドキドキが止まらないんですが、この先輩の表情のほほえみっぷりが小悪魔でなりません。
このコマがとても象徴的だと思うのですが、ねんど。先生は言葉攻めを巧みに差し込んできます。とは言ってもあまりねちっこかったりくどかったりしないんですよ。一言二言でさくっとツボを突いてきます。
もちろんエロマンガなので「ねちっこいのが見たいぞよ!」という人も多いでしょう。そういう方には物足りないかもしれませんが、逆に言えば「それほど言葉攻めが好きではない」人でも安心して読める平均値を保っています。
個性を保ちつつ「平均値を打ち出す」のは、エロマンガでは重要なことの一つです。もちろん、平均値なんてしらねえ!とぶっちぎる作品にすばらしい物が多いのも書き添えておきますが。
 
「平均値」は読者のニーズをよく押さえていないとなかなか描けるものではありません。
そのへんは作家さんと編集さんのアンテナの高さがポイントになると思われます。あんまり「媚びてる」だけでもだめです。かつ、作家さんが「楽しい」と感じながら描いているのが伝わるような熱い雰囲気も重要です。
なんだか綱渡りをするかのようなバランスですが、そこに挑む作家さん達はたくさんいます。ねんど。先生の作品が安心して読めるのは、その平均値をうまくつかんでいるからだけではなく、作者が楽しそうにしているのも紙面から伝わってくるからに他なりません。

「CRAZY ROMANCE」より。
ストーカー状態の兄を踏んづける妹の図です。
兄妹ものもよく描かれるねんど。先生ですが、コアマガジン掲載の方は「過激すぎず」「でもちょっと・・・ぐりぐりして☆」というバランスの保ち方をしっかり押さえています。
またこの後の展開がいいんだなー。妹の方が主導権を握りつつ、お兄ちゃんが襲う。しかも「妹>兄」な力関係でラブラブというびっくりするほどの安心感。
 
帯のコピーがそれをうまく表しています。
「基本的に微乳ですが、問題はありません。」
LOの方は比較的過激な挑戦もしているのですが、コアマガジンの方は「誰でも楽しめるよ、ウェルカム」な空気をきちんと保っています。
胸のサイズもコアマガジンの方は大きすぎず小さすぎない、微妙な柔らかさのポイントをつかんでいますので、貧乳好きも巨乳好きも安心ですね!
 

●コメディとラブラブのバランス●

今のエロマンガは「ラブラブもの7:強姦もの3」くらいの割合です。圧倒的にラブラブものの方が多いです。加えて、ただラブラブなだけではなく、起承転結がはっきりしていて、コメディタッチなものが好まれる傾向があります。
そして、ヒロインが何かしらの属性もちで、短編の中にしっかりした個性を持っているとさらにGOOD。

「現象」より。
オカルト好きな少女が、好きな男の子に呪いをかけるという、かなり突拍子もないお話。
しかし「無口っ子」はかなりの需要があるジャンルです。それをいかに短い中でかわいく描くか!
匠の腕が光る瞬間です。
 
ねんど。先生はコメディタッチな作風も得意としています。
主立った物としては、頭身の変化があるデフォルメ絵。

これがまた、ぬいぐるみみたいでころころしてかわいいんだ。
メリハリのつけどころがしっかり分かって描かれているので、ほとんどぐだぐだになりません。すいすいと読めるのはコメディを使った緩急の付け方がうまいから。
しかし、オバカばっかりじゃあやっぱりものたりない。攻めたり攻められたりする短いページの中に、愛が欲しいよ!

「完走」より。あまずっぱいねー。
先ほど「起承転結」と書きましたが、「結」の部分にどのくらい愛情表現を盛り込めるかは重要なポイント。
「エロければいい」というのは重要な方向性ですが、そのエロを引き立てる重要な味付けが「愛情」です。
エロ、コメディ、ラブ。それぞれが適度に配合され、きちんとポイントを絞ってバランスを保っているからこそ、安心して読めるのです。
「安心して読めるエロマンガ」は、長い期間エロマンガを描き続けることで得られる職人芸です。そんな職人芸が手に出来ることは幸せでありますよ。
 

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今手に入りやすいのはLOとコアマガのもの。
コアマガの新作は非常に「安心感」あふれており、文句なしにオススメしやすいのですが、LOの方は元気に過激にはっちゃけてくれています。安定したマンガも、クセのあるマンガもばりばりこなす。このへんがねんど。先生らしさを感じて、好きだなあー。
LO5月号の「尿道カテーテルプレイ」はMっけある人にはたまらないのではないかと。
 
〜関連リンク〜
まんがさんぽ  ■めがねでHで小生意気! (ねんど。)
ヘドバンしながらエロ漫画!  ねんど。『めがねでHで小生意気!』
「クセや雑味が少なく、適度に萌え系のあざとさもある(誉めてます)標準的な漫画絵柄」まさにこれだと思うんですよ。
言葉攻めって最高だよな(2ch)
最高です。