たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

新生!「杉浦次郎」先生の放つ暴走インパクトと、弱きもの達へのエール。

今までLOでマンガを描いていた裏次郎先生。
先日改名されて杉浦次郎先生になりました。
つまり「杉浦先生」です。うわ、違和感!
 
元・裏次郎先生は「ひよこのたまご」と「ちぃさな恋ゴコロ」というエロマンガ単行本二冊を出しておられます。
これがまた両方、ロリエロい上に熱くいい話が多いので是非読んでいただきたいのですが、改名し「杉浦次郎」先生になって、パワフルさ3倍増しになっております。いやー、気持ちいい!
最近出た物だと裏次郎名義の「つぼみ2」の百合マンガ(一般作)と、今月のLOのエロマンガがありますが・・・どちらも強烈です。
なんと言っても、掲載誌全部のページ、それぞれの作品がとてもよくて印象に残るはずなのに、一番最初に思い出してしまうのが杉浦先生なんじゃないか、ってほどのインパクトがあるということ。「頭から離れないよ!」ってなわけです。
 

●杉浦流百合マンガ●

芳文社から出た「つぼみ」シリーズは百合アンソロジーなんですが、とにかく許容の幅が広いのなんの。繊細な女の子同士の心の機微を描いた作品はもちろんがっちり載っていますが、同時に「こういう百合もいいよね!」という遊び心で満ちた作品集になっています。
その代表格が、もう百合だか欲情だか分からないけど面白くて仕方ない吉富昭仁先生なんですが(新聞のパンツってなに!?)、杉浦先生*1の百合作品も負けず劣らず強烈なインパクトを持っています。


主役になるのはこの二人。片方は優等生でクラス委員の女の子。もう一人は鼻水垂らしたりずぶぬれになったりしちゃう女の子。埴輪ルックなのが超絶ポイント高いです。
もちろん百合ですから、女の子同士の心の触れあいがあるわけですが、杉浦先生は「好きだから」の表現を恐ろしいほど明確に描きました。
特に百合の好きって、伝わりづらいじゃないですか。
なんというかもじもじしていたり、言えないことがいっぱいあったり。そこがいいんですが、それをどう料理するかが最大の悩みどころ。
じれったさを表現する作家さんもいますが、杉浦先生は直球できたね。

ベロベロなめたね!
これはわかりやすい。
 
種明かしをすると「飼っていた犬が乗り移った」のが原因。
この設定はうまいです。だって犬の「好き」ってすごくわかりやすいじゃないですか。そう、しっぽしっぽ。
言葉ではツンツンしていても、しっぽをバチンバチン振り回していたらそりゃーもう「好きなんだねー、うふふ」です。
物語はこの後、「犬」を介してつながった二人の間の機微を描き・・・おっと、続きは読んでみてください。
見た目のインパクトは絶大ですが、百合の一番大事な「距離感」が丁寧に描かれています。
 

●ママは小学42才●

んで、今月のLOの「ババァは小学4年生に見える」
最近は「のじゃロリ」とか「ロリババァ」がぷちブームですが、そんなにめじゃないです。
「どう見ても小学生にしか見えないお母さんとエロいことをする!」という、理由は投げっぱなしジャーマン、大事なのはシチュエーションだろう!的な、猛進ハリケーンミキサーをかましてくれます。

このコマだけ見て理解出来る人がいたら、エスパーすぎです。
つまりあれだ、後ろの幼女が「42才のお母さん」ですな。
特に病気でもないし、タイムスリップしたわけでもないです。こういう設定なのです。
やった!かっこいい!

うーん、確かに言っていることを見るとお母さんっぽいですね。うん。
でもどう見ても、幼女にしかられているM男君にしか見えません。
でも42才。つまりこれは無にも問題ありません。やったね!・・・あ、お母さんだっけか。
 
42才ってことは、心は熟女ですよ。熟れた女性ですよ。
一見大きく見えるけれども実のところまだまだ青い息子なんかより遙かに性に長けています。
性に長けていたずらっぽい笑みを浮かべるロリっ子・・・絵柄だけ見たらかなりの興奮度です(ソース俺

「攻め幼女」好きな自分としてはたまりません。この目!この言葉攻め!
暴走度合いのみならず、絵も確実にうまくなり、「杉浦次郎節」とも言うべきマンガのテンポも手にしたようです。
面白い!エロい!ありえない!
いやあ、すばらしいじゃないですか。
 

裏次郎先生の描く愛情●

今までの作品でも数多くの「幼妻」を描いてきた元・裏次郎先生。チャンピオン烈ではその名も「おさなづま」という作品を、同人誌では「ショタなづま」という作品を描いておられました。
「ひよこのたまご」では子供を身ごもった妹と兄が、愛を持って家庭を育む様子を描いていますし、「ちぃさな恋ゴコロ」では猫の少女との家族を作るまでの熱いドラマが描かれています。
現時点で、杉浦先生のテーマの一つは「家族」。と「ロリ」。
少女が懐妊するシーンがあるため、内容をきちんと読んでいない人がびっくりしたのかなんなのか、「ひよこのたまご」はアマゾンで扱われていません。
しかし、そもそもフィクションな上に、その懐妊をレイプや陵辱ではなく、本当に愛情の証として大事に大事に慈しみ、育む作品なわけですよ!
アマゾンにないからー、と言わずに、是非書店で「ひよこのたまご」読んでください。時折ギャグ混じりですが、愛情が溢れ出るくらいの「家族」を大切にした作品です。兄妹ものですが、最後のシーンの両親も巻き込んだ幸せっぷりは偉大です。
 

●弱きものたちへ●

家族と共に、杉浦先生の作品のテーマの一つは、「弱きもの」の心の救済です。
たとえば「つぼみ2」の方ではこんなシーンが。

飼っていた犬を亡くした少女は、非常に弱い子なんです。
ずぶ濡れになって犬かついでまわるあたり、一見強そうですが、心がやさしいのと気が強いのは別物です。
その犬のことを好きで、愛していましたが、同時に自分の弱さをその犬といることで隠れ蓑にしていたわけです。
人が怖い。学校が怖い。世界が怖い。
飼っていた犬がいればなんとか自分を保てたけれども、いなくなったら自分を見失ってしまいそうだよ。
 
杉浦先生作品では他にも、たくさんの「弱いもの」達が登場します。
先ほどの42才のロリ母さんも、一見淫乱でキュートで明るく見えますが、なぜこうなったのかがじわじわ描かれていくうちに、その「弱さ」が明るみに出てきます。
いや、「弱いキャラ」が出てくる訳じゃないですね。
人間みんな「弱いところがある」んです。それを杉浦先生は決して隠さない。おばかなことをしたり、むちゃくちゃな展開を爆発させたりしながら、「でも人間は弱いよ!弱いところでいっぱいだよ!」と堂々と描いてくれます。
それってすっごく読んでいて安心なんですよ。「なんでそんなことも出来ないの?」と言わない。「大丈夫、みんな弱いよ。弱いからあがいて前に出るんだよ」とささやきかけてくるんです。
その「前に出る一歩」ってどこから生まれる?

もちろん、人間同士のつながりからです。
 
杉浦作品の「弱きもの」達は、時に行き惑い、時に鼻水流して泣き叫び、時にうちひしがれる。大人も、子供も。
だからこそ、前に進めるよ。「弱い」ってことは、上に広がっている可能性が無限にあるってことだ。
裏次郎杉浦次郎作品はゲラゲラ笑いながら、ちんちん大きくしながら楽しめますが、最後にギュッと抱きしめ合うような温かみが本当に心地よいです。
つまり、エロマンガの場合ちんちんの温かさは人間の心の温かさってことです。   たぶん。
百合は、つないだ手とほっぺたね。ここ大事。
 

                                                                                                                                            • -

 
にしても。今月のLOは良作てんこもりだったのですが、ぶっちゃけ杉浦先生のこのシーンだけで何もかも持って行かれました。

すげぇ興奮する!イェー!
いやー。なぜこんな絵が頭に浮かぶのか。惚れ惚れしますわ。
 

「つぼみ」のエロマンガ関連作家さんの多さは異常。杉浦先生、関谷あさみ先生、宮内由香先生、大朋めがね先生・・・と。考えてみたらナヲコ先生や森永みるく先生、玄鉄先生もそうですね。
先生!うさくん先生の百合マンガが読みたいです!
 
〜関連リンク〜
姉の結婚式行ってきました - LO作家限定ラクガキ掲示板(+18)
文章と絵の落差が強烈すぎるよ!そこがいい。お姉様ご結婚おめでとうございます!
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「杉浦 次郎(裏次郎)」のイラスト (pixiv)
 

*1:つぼみでは「裏次郎」名義