たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「おしゃれしたね」と言われるのが、怖い。

東京に行ったとき少し友人としていた話です。
 
自分はものすごい帽子好きで、コレクションしたのを被るのが大好きです。
あんまりいつも帽子かぶっているので「はげてるの?」と疑問を持たれたみたいですが、はげてはいないです。好きなんです帽子。
ところが友人いわく「帽子はかぶるのが恥ずかしい」とのこと。
ええ、まじで?と思っていたら隣から別の友人が「うわ、わかるわ」との声。
 
頭に「?」をいっぱい浮かべていた自分。
なんで帽子かぶるのが恥ずかしいの?と思って話を聞いていたら、だんだんと分かってきました。
ようするに「おしゃれしてるね」と言われるのが恥ずかしいのですよ。
 
誤解を恐れずに書くと、ようは「自分のあまり分からないジャンルに対して、見た目に反映されるのが怖い」んです。
すごくそれで納得。あー、自分もあるわーと。
幼い頃、それこそ小学生くらいの時、自分はアホな男子だったので服装なんて全部親任せです。自分の労力は好きな漫画や読書に費やされましたから。
そんな適当な自分の格好ですが、マンガとかで見たのに憧れてちょっと洒落てみたりするわけですよ!帽子をちょっと斜めに被ったり。ベルトの締め方変えてみたり。
 
ちょっと気づいて欲しいなあとは思いつつも、実はこれがすごい怖い。だってそれが正しいかどうかの知識なんてないんだもの。気づいて欲しい反面、スルーしてほしい。
そこで気の利いた友人や大人が「お、ちょっとお洒落してるじゃん」とか言われたときの恐怖!
 
恐怖なんて大げさなと思うかもしれないですが、まごうかたなき恐怖です。「それ間違ってるんじゃないの」と言われたかのようなびっくりどっきり感!
個人差がある部分ですが、あまり詳しくないジャンルの服装だとビクビクしてしまうものなんです。
 
転じて言えば、学校でウンチョスをしたときに「お前学校でうんこするなよ!」と突っ込まれたり、修学旅行で過度に裸になるのを怖がる理由が「自分だけ陰毛が濃いんじゃないか」と思ったりするのと同じです。
だから、ちょっと背伸びしておしゃれしたものの、指摘されたらすぐ戻して、二度とやらなくなったりするんです。
まあかわいいもんなんですがー、これをこじらせると大人になってもそのファッションに踏み出せないのが繊細なところ。
ましてや帽子や靴など、指摘された経験があるならまだしも、万が一にも「笑われた」なんて経験があろうものなら、まずそこに凝らなくなりますよ。
 
ちなみに似たような物としてその時話題にあがったのが「楽器」でした。ギターケースとか間違っても担いで行くなんて恥ずかしすぎてできないと。未経験とか音楽恐怖症とかが相まっていくとたしかに、なるほど。
ちなみに自分がそういう面で未だに怖いのは髪型だったりします。「正しい髪型」という基準値なんてないんですが、くせっけなのもあってどうすればいいか分からなくなってからというもの、髪型にこだわる労力を裂けなくなりました。いい意味で大人になってからおとなしいままだったので、助かった感じもするなあというのは結果論。
 

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克服するのは案外簡単で、人に勧めてもらったり調べてみるだけなんですが。トラウマというほどでもない場合はちょっと踏み出すだけでファッションや趣味の扉は開ける物です。
これ逆にいえば、「一旦隠れオタクになった人が扉を開けない」とかオタク文化には詳しいけど怖くて音楽のライブに行けない」とかにも似ている気がしました。
特に前者。学校とかで「オタクなの?」と言われるだけですげーガクガクブルブルしてしまった経験のある人は、なかなか心を開けなくなります。
別の機会に詳しく書いてみたいんですが「らき☆すた」の7巻で新キャラがまさにそんな感じでした。

この作品のんびり癒し系に見えて、なにげに毒っけも強いよほんと。
 
よく言われる「オタクは服装を気にしない」という説ですが、最近のオタクは…びっくりするほどおしゃれだよ!
そもそも「凝り性」ということを考えたら、興味を持った服装にやたらこだわるのも分かる気がします。
そして興味を示さない場合は全く目も向けない両極端っぷりもまたオタクならでは。気にしない人は全く気にしなくなります。
いや語弊がありますね。
「気にはしてる」んです。でも、どうすればいいか分からないんです。おしゃれをするのが怖い。まさに自分の髪型なんかはそれです。
気にしているから当然調べたりするんですが、それを調べる行為を客観的に見てしまって妙に照れくさかったり。ましてや調べていることを笑われたりしたらもう立ち直れないヨ。
歳を経てみたら時間があっさり解決する場合も多いんですが、コンプレックスにまでなるとその一歩が踏み出せない。髪型はコンプレックスじゃなくなりましたが(帽子も好きだし)、自分の場合は球技かなあ…何かないと踏み出せないよう。
 
一つだけ蛇足で書いておくと、ファッションとか体型とかスポーツとか、20歳くらいの時は一つが苦手なだけで何もかも出来ないんじゃないかと思うくらいへこんだりしたものですが、視野が広がれば「それはごく一部でしかない」と気づいて気楽に踏み出せるようになったなーとつくづく感じます。
時間かかるけどナー。
 
脱オタクファッションガイド
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これも2005年発売。ずいぶん時間経っちゃいましたね。最新版とかでないのかしら。

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こんなのも出てましたね。
もっとも前作の「30歳の保健体育」の方(AA)は30歳前後?ヒロインの女性にときめきすぎてどうにかなってしまいそうでしたが。くそう、もっとやれ。
HOW TO本ってどうしても賛否両論出る物ですが、出て当然、だって初心者のためのものだもの。何も分からず踏み出せないよりは、興味のある人が選んで買うものがある方がはるかにいいんじゃないかなと。
個人的には「けいおん!」を見始めて音楽やりたいけど「アニメから音楽かよ」って言われるのが恥ずかしい人の背中を押してくれる、そんな本が出て欲しいです。アニメから音楽でいいじゃん。