たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「ばらかもん」のなるが、いかにかわいいかを全力で説明してみる。

つうかね。
ばらかもん」のなるがかわいすぎるんですよ。
突然何を言い出すんだこいつはと思われるかもしれませんが、今なるに夢中でございます。
しかも、自分がロリコンなのを自覚した上で、そういう気持ちを乗り越えた上で純粋に「なる、かわいい!」と思えてしまったんだからこれはびっくりだ!(自分が。
 
まあいきなり意気込んでもアレなので、とりあえず簡単な説明から。
ばらかもん」は長崎のド田舎の島に引っ越したエリート書道家のお話。
そこで、元気はつらつ健康少女なるをはじめ、数多くの島の住人に出会い、共に暮らすことになります。
こう書くと「田舎賛歌ですかハイハイ」とつい思ってしまうのですが、この作品のすごいところは「田舎」の不便なところ、よくないところも描きつつ、その苦労を乗り越えて人間関係を作ってこその田舎のよさ、というのをきちんと丁寧に描いているところです。田舎を盲信しないんですよ。
『田舎』がいいって、本当ですか?「ばらかもん」
田舎は不便も多いからね・・・。
四苦八苦を繰り返しながらじわじわと馴染んで行く主人公の半田がこれまた、ツンデレというか、おぼっちゃまデレというか、しかも文系なので超もやしっこといういいキャラしております。
そんなもやしっこ兄さんを振り回すちびっこ少女なるが、本気で、かわいい!
 

●1、元気っ子なる!●

まずはなんといっても、見た目。
すまんのう。やっぱり少女のかわいさのポイントのひとつは見た目じゃよ。というか少女はかわいいと周囲に思われているから、感覚描写も含めてマンガ内ではかわいく描かれていて当然なのじゃよ!

もう一人の子ひなは黒髪ロングのおとなしそうな子(でも言う事は結構過激)。なるはそれに相対するように元気の固まりのように描かれています。
ルックスも、Tシャツに短パンにサンダル、髪の毛適当しばり、後ろ髪ぴんぴんはね。短パンは紐でしばってます。腕にはミサンガ。
はい! ツボに入りました! ストライク!
 
大雑把な言い方でアレなんですが、ようするにプリキュアのなぎさの立ち位置みたいな感じなんですよね。
「女の子二人」というのは、この作品ではテーマではないですが、漫画を描く際に核になる描写の一つでもあります。何が起きるわけでもないけど、二人一組の女の子、というのはとても重要。実際二人で動く女の子多いですしね。
そうなると、絶対的な「元気」ではなく、相対的に「こっちが元気」「こっちが大人しい」という対比が生まれます。
なるは確かにあらゆる島民に認められる元気っ子ですが、それはひなという大人しい友人との対比や、中学生の少女達との比較でのぱたぱたした小動物っぽさから「感じられる」ものでもあります。
誰がか?もちろんそれは主人公半田であり、読者です。

また元気のポイントをよくつかんでいるんですよ描写の一つ一つが!
このコマなんか秀逸ですよね・・・。満面の笑みで、しかも一輪車。ほっそい手足がかわいらしい。
こんな子みたら頭ぐしぐしなでたくなるというものです。
 

●2、ピュアな幼さ●

なるのかわいさは「純・子供」という感じの極めて嘘偽りのない子供っぽさにもあります。。
なんというんでしょう、「この子は子供ですよ」という匂いをわざわざ属性化してつけるキャラクターの作り方も味があるのですが、なるにはそういうのが一切ありません。

たとえばこんなコマ。二人で遊んでいたら暑くてつかれてきた時に、「暑くない体勢をとる」という行動に出たなるの様子。なんだそれ。
子供って大人が考え得ない(あるいは忘れてしまった)行動を不意にとることがありますが、なるはまさにその「考え得ない行動」を取り続けて主人公を翻弄します。
 
このへん非常に描写の難しいところでもあるんですよね。あんまり大げさに盛り込むとわざとらしくなってしまう。しかし少なすぎると大人っぽくなってしまう。
なるの「子供っぽさ」は非常にさじ加減がうまい。

これなんかは目線がもう「年上から見た子供」の目線ですよね。
ああ、この子は純粋なんだ、幼いんだ、と理解しながらカメラをあわせています。
なるとひな以外、出てくるキャラは中学生・高校生・大人・老人と年上ばかり。同年代の子は殆ど出てきません。
そのため、なるの行動の幼さが他と比較されることで、ひときわ目立ちまくります。
目立つ上に、みんながそれを見て受け入れているから、描写がいちいちかわいいんですよ!

気が強そうに見えて、実はビビリなのがまた魅力的。
主人公を翻弄するキャラでありながら、中学生のお姉さんたちには翻弄される側にまわります。
両方を兼ね備えているのに、全く難しいことを考えずのびのび生きている。だからなるはかわいい。
 

●3、なるは しんけん だ!●

なるはおふざけをおふざけだと思っていません。もう常に全力、真剣、マジです。
そこがもうかわいいんだなー。

子供らしさの一つが「なんでも信じ込んでしまう」というところだと思いますが、彼女の信じやすさはあまりにもストレートすぎて、かえって安心してしまいます。
普通なら「また騙される・・・」と不安になりそうなんですが、なぜだか「なるは、大丈夫だな!」って誰しもが感じてしまうんですよ。
その証拠というわけではないですが、学校のみんなには防犯ブザーを一応もたせているのに、なるだけ足りなかったから浮きを持たされた、なんていう話もあったりします。
・・・いやだめだろそれ!と思いますが、なんかマンガ読んでみると「まあ、なるなら大丈夫だな」という安心感が確かに不思議とあります。
その安心感は、なるのみならず周囲の島民の力にもよるんですけどもね。
いろんな人に愛されている少女だからこそ、なるは「色々なことを信じてもいい子」として描写されます。
他の子もそうでしょうけれども、特になるはこの島の人全員に知られているんじゃないでしょうか。いつも全力全開な子として。

全力全開なので、主人公のことも全力全開で好きになります。
この「好き」がねー、もうねー、かわいいんだー(ニヤニヤしながら)
結婚したいとか、付き合いたいとか、そういう知識すらないんですよなるは。
なんというか「ませている」という位置から遥か遠い位置にいます。ある意味行動はませているんですが、本質がませてない。
だから「先生好き!」とはいうものの、やることは恋愛的なことでもなんでもないです。遊び仲間の友達に対してするのと全く同じこと。
そこ! そこが大事!
子供にとっての「好き」は、「お父さん大好き!」だったり「○○ちゃん大好き!」だったりなわけです。その「好き」をそのまま主人公に投影しているのが、いい! 
ここも、なるのもつ安心感の一つ。
もっとも、もうちょい歳をとったらなるにも色々目覚めてくるのかなーなんて思うと、ニヤニヤが止まりませんなー。
ちなみに後述しますが、中学生二人の少女達も先生が好きでスキンシップをはかったりしますが、そういう恋愛感情的なものが一切におわないのが清々しいです。むしろここまで仲がいいと、そのまま恋愛部分を飛ばしてスルンと結婚しちゃったりするのもありなんじゃないかと思うくらい。ありだなー。ありだよー。
 

●4、なるは水先案内人。●

はて、子供を描いた秀逸な作品といえば「よつばと!」や「はなまる幼稚園」などが浮かぶと思います。「女性」ではなく、「少女」にもなっていない、「子供」カテゴリーの女の子たちです。
なるも、カテゴリー的にはおそらく「子供」でしょう。「少女」というにはまだちょっと幼い。「幼女」?うーん、幼女が正しいのかもしれませんが、ちょっとちがうんですよ。
むしろ、おばあちゃんに近い。
 
何を言っているのかさっぱりわからないかと思いますが、なるは誰よりも幼いのと同時に、主人公半田にとってみたら、この全く知らない未知の世界の水先案内人なわけですよ。

すごく小さくて、誰よりも幼くて子どもっぽい彼女ですが、主人公よりはるかにこの土地のことを知っている。だからこの絵なんかとくに特徴的だと思いますが、見た目は小さいけど存在感がでかいんです。
また、学力は子供レベルではあるものの、生活知識や知恵の非常に働く子でもあります。

この自慢げなのがたまらないですね・・・。
計算ができるとか難しい字が読めるとかはありません。でも生きる知恵はたくさん持っていますし(少なくとも主人公より遥かに)、ふとした時の機転もききます。
だからこそ、極めて幼いのに極めておばあちゃんっぽいキャラとして成立してしまっています。
ここがなる最大の魅力だと思うのです。
 
そんな純真で元気で、しかもなんだか自分の中の新しいことを時々引っ張り出してくれそうな子が、せんせー!と毎日のように慕って遊びに来てくれたら、最初は「うざい」と思ってはいてもどんどん気にかかって当然じゃあないですか。ねぇ。
1巻時点ではやはりなるは「極端に元気なわけのわからない子」として描かれていますが、2巻での魅力の爆発の仕方が半端じゃない。
これは主人公がなるに慣れて来て、なるのことを好きになってきているからに他なりません。実際ストーリーでもそう描かれていますし、距離感の取り方が急激に近くなっています。
 
つまりだ。
「なるがかわいい!」と思うのは主人公視点だから、読者も「なるがかわいい!」と思って当然なのです!!
 

●そして中学生ズがかわいい。●

そして、なるのお姉さんポジションにあたる中学生二人組の少女達がえんらいかわいい。

すいません、こっちはもう「女性としてかわいい」という性的な意味でのかわいさも含ませてください。さすがに、ツボ、なんだよ。
 
またここも「女の子ふたり」行動なのが憎いですね・・・。島は人数が少ないからというのもあるかもしれませんが、この作品基本的に子どもたちは二人セットが多いです。二人セットを核にして、どんどんつながり連鎖していく感覚は、おそらく作者自身の人間関係の感覚なんじゃないかと感じます。

美和ねえはまったく臆さない性格、なるを妹分として振り回す豪胆さ、適当な割にそこそこ気が回ると、非常に魅力的極まりない少女です結婚したい
このシーン、水着より体操服で泳いだ方が楽だろ、ということで運動着で海で泳いでいるシーンなんですが、それなんといいましょうか・・・私たちにとっては逆にサービスシーンですから!
 
一方、2巻で大変なことに目覚めてしまったのがタマ。
これは・・・うん、実際に読んでもらった方が面白いと思うので内緒。
 

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ばらかもん」は大きなカテゴリで言えば「人情物」に当たるのかもしれません。
でもどうにも自分は「人情物」に単純に分けてしまいたくない。
どちらかというと、もっと行動原理が単純明快な、ドタバタ群像劇なんじゃないかと思うのです。
なんでもかんでも「良い話」にしようとしない。でも色々組み合わせた結果「良い話」になることもある、それでいいんじゃない?と気軽に手を差し伸べてくれるので、肩肘張った「がんばろう!」という空気がないんですよ。
正直「がんばろう!」「やさしくしよう!」というのも嫌いじゃないですが、本気でわー!っとやっておきながら、空振りしたらしたで「それでいいんじゃね?」くらいの軽い感覚の方が個人的には楽です。なので「ばらかもん」からとてつもない癒し効果を得ています。
いやし効果なんて個人差ありまくりなんですが、自分にはこのくらいがちょうどいいなー。
 

中心になるのは、なるをはじめとした若い子チームですが、この漫画じいさんばあさんの味の出方がハンパないです。主人公の視点がまだそちらに向いていないためあまり描写されませんが、さりげなくひょこっと現れてはイキなはからいをしてくれるジジババにキュンとなります。