たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ガルパンの音楽の話をしよう

ガールズ&パンツァー劇場版」みたよ!
そこでノロもらった可能性激大で、めっちゃ体調崩しました。いまだに崩してます。
助けて。
 

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なんか「具合悪い」ばっかり言っても仕方ないので、テンションのあがるガルパン音楽の元ネタを並べてみます。
 

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まずは、聖グロリアーナのテーマソング「ブリティッシュ・グレナディアーズ 行進曲」

結構古い曲です。1815年にはもう使われていて、「投擲弾近衛連隊」=グレナディガーズとなったことで、曲名が定まりました。
作曲者と作詞者は不明。

Some talk of Alexander,And some of Hercules
Of Hector and Lysander, And such great names as these.
But of all the world's great heroes, There's none that can compare
With a tow, row, row, row, row, row, To the British Grenadier.
 
アレクサンドロス大王
またヘラクレスヘクトル
リュサンドロスと人はいう
しかし、偉名は多くとも、
世界に絶する英雄も
比すものはいない
この英国の擲弾兵
比すものはいない
 
Those heroes of antiquity
Ne'er saw a cannon ball,
Or knew the force of powder
To slay their foes withal.
But our brave boys do know it,
And banish all their fears,
Sing tow, row, row, row, row, row,
For the British Grenadiers.
 
いにしえの英雄は
砲弾を見たことはない。
仇ら殄戮する
火薬の力を知らない。
だが、我らが勇士はそれを知っている
恐れを全て打ち棄てて。
いざ唱えよう
英国擲弾兵
 
Whene'er we are commanded
To storm the palisades,
Our leaders march with fusees,
And we with hand grenades.
We throw them from the glacis,
About the enemies' ears.
Sing tow, row, row, row, row, row,
The British Grenadiers.
 
防柵を強襲せよと
命令が下れば
隊長は信管を、
我らは手榴弾を手に持ち、進む。
我らはこれを投擲し、
敵の耳を驚かす。
いざ唱えよう
英国擲弾兵
 
And when the siege is over,
We to the town repair.
The townsmen cry, "Hurrah, boys,
Here comes a Grenadier!
Here come the Grenadiers, my boys,
Who know no doubts or fears!
Then sing tow, row, row, row, row, row,
The British Grenadiers.
 
包囲戦は終わり、
我らは街を取り戻す。
市民らは泣く
「万歳、兵士よ、擲弾兵がやってきたぞ!
我らが丈夫、疑念も恐怖も抱かぬ、擲弾兵が来たぞ!」
さあ歌声をあげよう
英国の擲弾兵
 
Then let us fill a bumper,
And drink a health to those
Who carry caps and pouches,
And wear the loupèd clothes.
May they and their commanders
Live happy all their years.
With a tow, row, row, row, row, row,
For the British Grenadiers.
 
縁まで杯を満たし
祝して乾杯する
軍帽と背嚢を身に着け
交紐の軍服を着る者達
兵達よ、指揮官らよ
末永く幸あれ
いざ称えよう
英国の擲弾兵
(参考・西洋軍歌蒐集館

ハデだー! 確かに過去の英雄は擲弾を知らないからねえ。
ただ今だとユーキャン思い出しますね。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 簡潔こそが英知の真髄である」
オレンジペコ「イギリスの小説家、シェイクスピアですね。その割にうちの学校、茶器が豪華ですね」
 

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サンダース大学付属高校はアメリカ式。テーマ曲は「リパブリック讃歌」「アメリカ野砲隊マーチ」

「ごんべさんのあかちゃんがかぜひいた」で有名な「リパブリック讃歌」は、1860年代の南北戦争で、北軍が歌っていた曲。作詞家はジュリア・ウォード・ハウ。珍しく女性。
 
日本だと亜流がマー多いのなんの。
もっとも有名なのは「ともだち讃歌」
「ひっとりっとひっとりが腕組めばー、みーんな誰でも仲良しさー」
あとヨドバシカメラ
「新宿西口 駅の前 カメラはヨドバシカメラ

じゃあ実際は?

Mine eyes have seen the glory of the coming of the Lord;
He is trampling out the vintage where the grapes of wrath are stored;
He hath loosed the fateful lightning of His terrible swift sword;
His truth is marching on.
 
Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
His truth is marching on.

瞳は神の降臨と栄光を見た
彼は怒りの葡萄が蓄えられた貯蔵庫を踏みつけ
恐るべき神速の剣を振るい、宿命の稲妻を落としたのだ
彼の忠実は進撃する
 
栄光あれ!ハレルヤ!
栄光あれ!ハレルヤ!
栄光あれ!ハレルヤ!
主の真理は行進を続ける
(参考・Wikipedia リパブリック讃歌 歌詞

「ハレルヤ」は「神に栄光あれ」の意味。みーんな誰でも仲良しさどころじゃないから!
ちなみにこの曲なかなかやっかいな歴史を抱えていて、南北戦争の混乱の中で何度も変わっています。
最初は「兄弟よ、カナン(キリスト教の幸せの地)であわないか」という啓蒙ソングとして1856年に登場。
1861年に以降は、奴隷制度廃止論者「ジョン・ブラウン」の功績をたたえて、歌詞が変わります。
ジョン・ブラウンの屍は墓の中で朽ちた(×3) 彼の魂は前進し続ける! 栄光あれ、神に栄光あれ(×3)彼の魂は進撃する!」

一方で「アメリカ野砲隊」は1917年、スーザが作曲した曲。正式名「The U.S. Field Artillery March」。


『弾薬車の歌』という野砲隊歌のメロディを中間に入れており、長らく誰がそのメロディを作ったかは不明でしたが、後にエドマンド・グルーバーが1908年に作った物だと判明します。あんまり古くない。
やっぱ面白いのはスーザ版の演奏だと、大砲の空砲が楽器として使われているところ、かなーと。
ちなみに聞くとわかるのですが、ガルパン版はイントロとグルーバーの曲部分をつないだオリジナルアレンジ。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 私は決して失望などしない。なぜなら、どんな失敗も新たな一歩となるからだ」
オレンジペコ「アメリカの発明家、トーマス・エジソンですね。この前サンダースが空砲と実弾間違えたのはただの失敗でしょうけどね」
 

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イタリアンスタイルのアンツィオ。テーマ曲は「フニクリ・フニクラ」
これOVAで使っていたのサントラに入ってないんですよねえ惜しい。劇場版サントラには一部だけ入ってます。
(追記・ドラマCD3巻に入ってました)

「鬼ーのぱんつはいいぱんつー、強いぞー」で日本では有名。これは1980年に田中星児がシングルで発売したバージョン。でもぶっちゃけなーんの関係もない。
本来は1880年に作られた、ベスビオ山のケーブルカーの宣伝曲。世界最古のCMソングらしい。
ベスビオ火山といえば、ポンペイの遺跡で有名。NHK版では「行こう、行こう、火の山へー」になってます。活火山を登る歌なので、ここは非常に原語に忠実。

Ne n'è sagliuta, oie' Ne, se n'è sagliuta,
la capa già; la capa già;
E ghiuta, pòè tornata, e pò è venuta
sta sempe ccà! sta sempe ccà!
La capa vota vota attuorno, attuorno,
attuorno a te, attuorno a te,
Llo core canta sempe no taluorno:
Sposammo, oie Nè! Sposammo, oie Nè!

娘さん 登ったぞ
もう頂上だ!
引き返して そして戻って ここに到着だ!
ぼくの視線が向かうのは
君のほう 君のまわり
そして心は歌う でもせっかくだから
いっそ結婚しよう 娘さん!

イタリア人、情熱的です。
英語版でも歌詞の訳が全然違うので歌詞比較を見てみると面白いです。
ちなみに、1944年にケーブルカーは火山でぶっ壊れました。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 男は子どものようなものだと心得ている限り、あなたはあらゆることに精通していることになる」
オレンジペコ「フランスのファッションデザイナー、ココ・シャネルですね。山に連れて行かれた女性はそんな気分だったのでしょうね」
 

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プラウダはロシアンスタイル。テーマ曲はポーリュシカ・ポーレ「カチューシャ」。日本でもかなーりおなじみ。
ポーリュシカ・ポーレ」は1933年につくられた「交響曲第四番 コムソモール戦士の詩」第一楽章第二主題だけを独立させたもの。
赤軍の活躍を鼓舞する軍歌としての歌詞が付けられています。

Полюшко-поле,
Полюшко, широко поле.
Едут по полю герои,
Эх-да Красной армии герои.
 
野原よ、草原よ
野原よ、広大なる草原よ
草原を英雄が駆けて行く
そう、赤軍の英雄たちが
 
Девушки плачут,
Девушкам сегодня грустно,
Милый надолго уехал,
Эх-да милый в армию уехал.
 
娘達は泣いている
今日は寂しい日だ
愛する人は長い旅に、
そう、軍隊へ行ってしまった
 
Девушки, гляньте,
Гляньте на дорогу нашу,
Вьётся дальняя дорога,
Эх-да развесёлая дорога.
 
娘達よ、見るがいい
見るがいい、我らの行く道を
曲がりくねり、遠く伸びていく
そう、この心楽しき道を
 
Едем мы, едем,
Едем-а кругом колхозы,
Наши, девушки, колхозы,
Эх-да молодые наши сёла.
 
進む、我らは進む
辺りは一面コルホーズ
娘達よ、我らがコルホーズ
そう、我らが若き村々だ
 
(参考・ソヴィエト・ロシア 軍歌集積所

長いので4番まで。10番まであるので、リンク先是非参照を。コルホーズの話も出ています。
戦う赤軍に対して、娘達を励ましているのも特徴。
 
これは「カチューシャ」にも通じる思想です。


途中に出てくるツインテールの女の子が死ぬほどかわいい。

Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой.
Выходила на берег Катюша,
На высокий берег на крутой.
 
リンゴとナシの花が咲き
川面を霧が漂っていた
カチューシャは岸辺に立っていた
川岸の高い崖の上に
 
Выходила, песню заводила
Про степного, сизого орла,
Про того, которого любила,
Про того, чьи письма берегла.
 
そこで歌っていたのは
草原と青灰色の鷲の歌
愛する人
大切にしまっている、手紙をくれる人の歌
 
Ой ты, песня, песенка девичья,
Ты лети за ясным солнцем вслед.
И бойцу на дальнем пограничье
От Катюши передай привет.
 
どうか乙女の小さな歌よ
飛んで行け、陽の光の向こうへ
はるか国境にいる兵士の元へ
カチューシャからの便りを届けておくれ
 
Пусть он вспомнит девушку простую,
Пусть услышит, как она поет,
Пусть он землю бережет родную,
А любовь Катюша сбережет.
 
素朴なあの娘のことを思い出すように
あの娘の歌が届くように
故郷の大地を守れるように
カチューシャの愛がいつまでも在るように
(参考・ソヴィエト・ロシア 軍歌集積所

1938年に作られた、幼い少女カチューシャの恋物語
もともとは2番までしかなくて、戦争が間近になったことで、3・4番の「国境警備隊の兵士を、恋人が待っている」という歌になったそうな。へー。
今ではすっかり「カチューシャ」という女の子の名前は愛称化してますね。「エカテリーナ」を崩すと「カチューシャ」になるそうな。
こういう恋を用いた軍歌は割りと多い。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 人間は恋をしている時には、他のいかなる時よりも、じっとよく耐える。つまり、すべてのことを甘受するのである」
オレンジペコ「ドイツの哲学者ニーチェですね。もっとも私たち恋をしたことないのでわからないですね。アリサさんならわかるんですかね」
 

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ドイツ式の黒森峰のテーマは「エーリカ」「パンツァー・リート」。規則正しい靴音が大変気持ちいい。
「エーリカ」は「カチューシャ」と似ており、祖国に残してきた恋人を想う歌になっています。正式名「Auf der Heide blüht ein kleines Blümelein」訳して「荒野に咲く一輪の小さな花」。

Auf der Heide blüht ein kleines Blümelein
Und das heißt, Erika.
Heiß von hunderttausend kleinen Bienelein
Wird umschwärmt, Erika.
Denn ihr Herz ist voller Süßigkeit,
Zarter Duft entströmt dem Blütenkleid.
Auf der Heide blüht ein kleines Blümelein
Und das heißt, Erika.
 
荒野に咲いた一輪の花
その名はエリカ
たくさんのミツバチが
熱を上げて群れなす花、エリカ
ハチが求めているのは
その甘い心と、かぐわしき香り
荒野に咲いた一輪の花
その名はエリカ
 
In der Heimat wohnt ein kleines Mägdelein
Und das heißt, Erika.
Dieses Mädel ist mein treues Schätzelein
Und mein Glück, Erika.
Wenn das Heidekraut rotlila blüht,
Singe ich zum Gruß ihr dieses Lied.
Auf der Heide blüht ein kleines Blümelein
Und das heißt, Erika.
 
故郷に住まう可愛い乙女、
その名もエリカ
ああ私の大事な宝物よ
幸福の女神、エリカよ
赤くエリカの花が咲くのを見て
貴女にこの歌を送りたい
荒野に咲いた一輪の花、
その名はエリカ

In mein'm Kämmerlein blüht auch ein Blümelein
Und das heißt, Erika.
Schon beim Morgengrau'n sowie beim Dämmerschein
Schaut's mich an, Erika.
Und dann ist es nur, als spräch es laut:
Denkst du auch an deine kleine Braut?
In der Heimat weint um dich ein Mägdelein
Und das heißt, Erika.
 
私の部屋にも咲いた一輪の花
その名はエリカ。
夕方も夜明も いつだって
私を見つめるエリカ
まるで私に語りかけているかのようだ
「可愛い花嫁のこと、想ってくれていますか?
故郷であなたの為に泣く乙女
エリカのことを」と
(参考・動画より)

歌詞見るとわかります、本来戦争の歌じゃない。
戦争が激しくなったことで、これを行進曲としてアレンジ。すっかり有名なドイツ軍歌になりました。
フィンランドでは「カーリナ」、ハンガリーでは「ロージカ」と替え歌があるそうな。やっぱり「故郷に残した少女」は題材になりますわな。
そういや「ストライク・ウィッチーズ」のエーリカ・ハルトマンの曲にもなってる……ってか名前そのままでした。
 
「パンツァーリート」は、1933年につくられたごりごりの戦車行進曲。


第三帝国時代に作ったこの行進歌、曲を作られた当時のドイツはヴェルサイユ条約で戦車が作れなかったそうな(こっそり「トラクター」として開発はしていました)。

Ob's stürmt oder schneit,
Ob die Sonne uns lacht,
Der Tag glühend heiß
Oder eiskalt die Nacht.
Bestaubt sind die Gesichter,
Doch froh ist unser Sinn,
Ist unser Sinn;
Es braust unser Panzer
Im Sturmwind dahin.
 
嵐の日も雪の日も、
太陽 我らを照らす日も、
炎熱の真昼も
極寒の夜半も
顔が埃に塗れようと、
陽気な我らの心
陽気な我らの心
轟然と進む戦車は
暴風の中へと進みゆく。
 
Mit donnernden Motoren,
Geschwind wie der Blitz,
Dem Feinde entgegen,
Im Panzer geschützt.
Voraus den Kameraden,
Im Kampf steh'n wir allein,
Steh'n wir allein,
So stoßen wir tief
In die feindlichen Reihn.
 
発動機の唸りと共に
疾風迅雷の如く
敵に立ち向かい
装甲をもって身を守り
味方に先駆けて
戦場に我等は独り立つ
戦場に我等は独り立つ
斯くて我等は
敵陣を深く突き進む
 
Wenn vor uns ein feindliches
Heer dann erscheint,
Wird Vollgas gegeben
Und ran an den Feind!
Was gilt denn unser Leben
Für unsres Reiches Heer?
Ja Reiches Heer?
Für Deutschland zu sterben
Ist uns höchste Ehr.
 
我等の目の前に
敵の軍勢の現われたなら
全力をもって
向かい討たん!
帝国陸軍の為
我等の命を賭するに値せん
然り、帝国陸軍のため
ドイツの為に散る、
それは至上の栄誉なり
 
Mit Sperren und Minen
Hält der Gegner uns auf,
Wir lachen darüber
Und fahren nicht drauf.
Und droh'n vor uns Geschütze,
Versteckt im gelben Sand,
Im gelben Sand,
Wir suchen uns Wege,
Die keiner sonst fand.
 
障害物や地雷など
敵が我等を阻むとも、
我等はそれを嘲笑しながら
回避して先に進まん。
敵の火砲が
黄砂に潜むも
然り、火砲が吼えるも
我らは未だ誰も見ぬ
道を探るのみ
 
Und läßt uns im Stich
Einst das treulose Glück,
Und kehren wir nicht mehr
Zur Heimat zurück,
Trifft uns die Todeskugel,
Ruft uns das Schicksal ab,
Ja Schicksal ab,
Dann wird uns der Panzer
Ein ehernes Grab.
 
天に見放され、
もはや故国に
帰ることができなくなった
弾丸は我らを貫いて
運命に従うしか無い
然り、運命に従おう
その時、戦車は
我らの鋼鉄の
栄誉の墓標とならん
(参考・Wikipedia パンツァーリート 歌詞

ゴリッゴリの戦争プロパガンダ。戦車こそ我が墓標、というセンス。実にドイツ。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 国王であれ、農民であれ、家庭に平和を見いだせる者が、もっとも幸せである」
オレンジペコ「ドイツの詩人、ゲーテですね。私にとっての家族はその……なんでもありません」
 

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劇場版で一気に人気がでた継続高校。スタイルはフィンランドスナフキンムーミンとミィ。
かかっている曲はカンテラで演奏された「サッキヤルヴェンポルカ(Säkkijärven Polkka)」
そもそもカンテラはゆっくり演奏する楽器で、「サッキヤルヴェンポルカ」はアコーディオンで弾くもの。かなり変わり種のアレンジです。
ぼくのめっちゃ好きな演奏はこれ。

On kauniina muistona Karjalan maa,
mutta vieläkin syömmestä soinnahtaa,
kun soittajan sormista kuulla saa,
Säkkijärven polkkaa!
 
美しい思い出の地、カレリアよ
今でも心から湧き上がる
奏者が指で奏でるとき
サッキヤルベン・ポルカを!
 
Se polkka taas menneitä mieleen tuo
ja se outoa kaipuuta rintaan luo.
Hei, soittaja, haitarin soida suo
Säkkijärven polkkaa!
 
ポルカは昔を思い出させ
不思議な追憶が胸を刺す
奏者がアコーディオンを奏でるとき
サッキヤルベン・ポルカを!
 
Nuoren ja vanhan se tanssiin vie,
ei sille polkalle vertaa lie!
Sen kanssa on vaikka mierontie
Säkkijärven polkkaa!
 
老いも若きも踊りだす
ポルカに較べられものはなし
放浪者になってもかまわない
サッキヤルベン・ポルカよ!
 
Siinä on liplatus laineitten,
siinä on huojunta honkien.
Karjala soi - kaikki tietää sen -
Säkkijärven polkkaa!
 
そこでは湖にも波がたち
松の梢も騒ぎ出す
カレリアが唄いだす、誰もが知ってる
サッキヤルベン・ポルカ
 
Tule, tule tyttö, nyt kanssani tanssiin,
kun polkka niin herkästi helkähtää.
Hoi! Hepo surkoon ja hammasta purkoon,
kun sillä on ihmeesti suurempi pää!
 
おいで、おいで娘よ、私と踊ろう
ポルカが優しくなり響き
ホイ! 馬たち悲しめ、歯軋りだ
不思議な頭でっかちだから!
 
Tule, tule, tyttö, nyt kanssani tanssiin
kun meillä on riemu ja suvinen sää!
Säkkijärvi se meiltä on pois,
mutta jäi toki sentään polkka!
 
おいで、おいで娘よ、俺と踊ろうよ
この喜びと夏の夜を楽しもう
サッキヤルビは俺たちの手を離れても
ポルカは残されたのだから!
 
Kun rakkaimmat rannat on jääneet taa,
niin vieraissa kulkija lohdun saa, kun
kuuntelee soittoa kaihoisaa:
Säkkijärven polkkaa!
 
懐かしい湖岸は向こうに残ってしまったが
流浪の身でも慰められる
追憶の奏でを聞くときに
サッキヤルベン・ポルカよ!

Se polkka on vain, mutta sellainen,
että tielle se johtavi muistojen.
On sointuna Karjalan kaunoisen:
Säkkijärven polkka!
 
そのポルカというのは、
思い出の道へ導いてくれる
美しきカレリアの調べよ
サッキヤルベン・ポルカよ!
 
Tule, tule tyttö, nyt kanssani tanssiin,
kun polkka niin herkästi helkähtää.
Hoi! Hepo surkoon ja hammasta purkoon,
kun sillä on ihmeesti suurempi pää!
 
おいで、おいで娘よ、俺と踊ろうよ
ポルカが優しくなり響く
ホイ! 馬たち悲しめ、歯軋りだ
不思議な頭でっかちだから!

Tule, tule, tyttö, nyt kanssani tanssiin
kun meillä on riemu ja suvinen sää!
Säkkijärvi se meiltä on pois,
mutta jäi toki sentään polkka!
 
おいで、おいで娘よ、俺と踊ろうよ
この喜びと夏の夜を楽しもう!
サッキヤルビは俺たちの手を離れても
ポルカは残されたのだから!

ネットで拾った翻訳の寄せ集めなのですが……いかんせんフィンランド語は謎が多いため、なんかよくわかんないところがいくつか。
馬たち悲しめ、不思議な頭でっかち、ってなんだ。間違ってたらごめんなさい。
 
明るく楽しいポルカ。ところがこれ結構ハードな曲。
サッキヤルヴェンポルカの「サッキヤルヴィ」は地域の名前。フィンランドのこの土地は1945年、ロシアのレニングラード州に吸収され、消滅してしまいます。歌詞の中の「カレリア」がその吸収された場所で、その中にサッキヤルヴィがある。
町は奪われ、消えてしまった。けれどこのポルカがあるかぎり、俺達はサッキヤルヴィを忘れないぜ!という歌です。
詳しくはこちら。
世界の民謡・童謡 サッキヤルヴェン・ポルカ
 

ダージリン「こんな格言を知っている? たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」
オレンジペコ「ドイツの宗教改革者、ルターですね。私たちも紅茶の茶葉でも、植えましょうか?」
 

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ザ・日本という感じの知波単学園。テーマソングは「雪の進軍」
それだめなやつだろー! とここはずっこけるところ。全滅するやんけ。

雪の進軍氷を踏んで
どれが河やら道さえしれず
馬は斃れる捨ててもおけず
ここは何処ぞ皆敵の国
ままよ大胆一服やれば
頼み少なや煙草が二本
 
焼かぬ乾魚に半煮え飯に
なまじ生命のあるそのうちは
こらえ切れない寒さの焚火
煙いはずだよ生木が燻る
渋い顔して巧妙噺
「酸い」というのは梅干一つ
 
着の身着のまま気楽な臥所
背嚢枕に外套被りゃ
背の温みで雪解けかかる
夜具の黍殻しっぽり濡れて
結びかねたる露営の夢を
月は冷たく顔覗き込む
 
命捧げて出てきた身ゆえ
死ぬる覚悟で吶喊すれど
武運拙く討死にせねば
義理にからめた恤兵真綿
そろりそろりと頚締めかかる
どうせ生かして還さぬ積もり

この曲バージョンでは「生きては還さぬつもり」になっています。
1895年(明治28年)、日清戦争の軍楽隊員として従軍した永井建子が、軍人の生活の様子の切なさを書き起こした、スケッチみたいな歌。
曲は勇壮なんだけど、「もうしんどいよー」「どうせ結局死んじゃうんだよな」という厭世観満載。
歌詞中の「恤兵真綿」は、軍人への慰問として送られた綿入れの防寒具のこと。
 
「どうせ生きては還さぬ積もり」は、上官の圧力で死ぬまで追いやられる、と感じられたため、後に「どうせ生きては還らぬ積もり」に変更。ガルパン版はこっちですね。
多くの人に愛され、今も歌われている曲ですが、太平洋戦争最中には一応歌唱禁止だったそうです。
ほんと知波単学園はいい感じに皮肉でできています。しゅき。
 
ダージリン「こんな格言を知っている? 人生には二つの悲劇がある。一つは願いが達せられないこと。もう一つはそれが達せられること」
オレンジペコアイルランドの劇作家、バーナード・ショウですね。私は半分願いが達せられなくて、半分達せられています」
ダージリン「どういうことかしら?」
オレンジペコ「ご自分でお考えください!もう」
 
 
 
おわり。

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック