たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

楽しいものを見つけると、恋とかエロとかどうでもよくなる「のぼる小寺さん」完結

のぼる小寺さん(4) (アフタヌーンコミックス)

終わっちゃったねえ、小寺さん。
「筋肉のついた、しなやかで小さくて金髪の少女による、ボルダリング」というフェチ要素全開で始まった作品。
ずーーーっと見てたかったんだけど、4巻の終わり方が美しすぎて、拍手拍手です。コレ以上のラストないでしょう。
 
表紙の小寺さんは、全然変わらないというか、ボルダリングバカ。のぼることしか頭に無くて、将来の夢にクライマーと書いちゃうくらい。さすがにボルダリング仲間たちも「それは将来の選択なのか?」と首をかしげるくらい。
彼女は本当に最後の最後まで、小寺さんでした。
最後、試合でみんなの応援の中、登りきる。「自分との戦い」というストイックな部分もあるけど、同時に「競技に勝つ」というスポーツ性もちゃんと楽しんでいる小寺さんは、孤独な戦いじゃなくて、みんなと登っている。
 
んで。
小寺さんはまあ表情もずーっと一巻から変わらないんだけど、周囲の人間が成長しまくり。
 
特に、高身長で小寺が好きだったからボルダリングを始めた男の子、四条。
なにさっくり彼女作ってるの! 4巻の頭の方でしれっと彼女いたからびっくりしたよ。
 
小寺への思いがその程度だった云々じゃない。
四条くんはシンプルに、ボルダリングが大好きになった。そうなると最初の思いはキレイに削ぎ落とされていく。
そこにたまたま(どういう流れかわからんけど)彼女が出来て付き合った。
登っているうちに、自分探し大成功。
4巻で一番感動したのここかも。
二番目は四条が、根性論に傾かず、怪我をした指をかばって棄権するシーン。やるよりやらないほうがツライよ。
 
その一方で、小寺さんが好きすぎたけどきちんと自分も頑張ろうと卓球に挑んだ近藤くんは、超一途でこれまたキュンとくる。
また決勝戦で小寺さんに触発された、ボルダリングの鬼・迫田さんも、一回の試合ですっかり小寺さんの「ボルダリング面白い」オーラに飲まれて、成長する。
小寺さんに色んな人が惹きつけられて、もりもり変化していく。爽やかな群像劇でした。
 
とシメたいけど、やっぱり小寺さんがフェチいのは間違いないわけで。
彼女のボルダリングをはたから見て、その姿に興奮して、家帰ってハッスルした男子山ほどいるから。いないわけないから。健康な男子が彼女の身体見て興奮しないとかないから。

カワイイは正義を超えて世界そのもの「明日ちゃんのセーラー服」

明日ちゃんのセーラー服 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ぼくの中で、「描く少女が全て美しい」作家として、おおた慶文と並んで崇めている博の「明日ちゃんのセーラー服」。
もう表紙がやばいよね。「かわいい」っていう名前の鈍器で滅多打ちにするつもり満々だもんね。好き。
 
セーラー服のアイドル・幹ちゃんに憧れる、小学6年生の明日小路。
1学年クラスに一人しかいない田舎の学校に通う彼女は、セーラ服を着たいがゆえに蝋梅学園に入学。
お母さんにセーラ服を作ってもらい(?!)学校に着ていくことに。
ところがそのセーラ服は昔のもので、現在はブレザーだった(!?)。
それでも彼女は思いを曲げることなく、クラスで一人セーラ服で通うことになる。
 
いやいや色々おかしいでしょう! 特にお母さん、調べなさいよ!
って気はするんだけど、作者の前作「ゆめくり」はもっとファンタジーな作品だったので、作風に慣れていたらあんまり気にならないと思う。
 
トーンをあまり使わず黒ベタで、はつらつとした少女たちを、全てのページに描いているので、もー眼福。
特に、わりとやんちゃで素朴で元気いっぱいの小路が動くシーン。アニメーションかパラパラマンガみたいに、動作一つ一つを、枠のないページに描かれるという特殊な手法で表現。
これが少女美の研究成果、と言わんばかりの身体表現。かなりびっくりするマンガ術なので、これは見てほしいなあ。
 
おおらかさゆえに彼女にはどんどん友達ができる。彼女自身、今まで友達がいなかったので(田舎なので)「友達百人できるかな」スタンス。楽しそう。かわいい。
やっぱセーラー服で通したの自体が、彼女の本質的魅力の表現なんだよなー。ゆるがない、純粋、ついかまいたくなる。
美少女ってほんと見ていて、ドキドキじゃなくて安心します。
 
ゆめくり 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
「ゆめくり」はさらに、温泉舞台なので眼福度高し。ずーっと見てたくなる。

胡蝶しのぶさんかわいいし蜜璃かわいいしアオイかわいいし善逸うっとうしい「鬼滅の刃」6

鬼滅の刃 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ほんと「鬼滅の刃」は、生真面目・炭治郎、口枷鬼妹・禰豆子バーサーカー伊之助、ヘタレ善逸の4人体制になってから、面白さがうなぎのぼり。
一巻のヒリヒリした復讐に向ける炭治郎の追い詰められた感じもたまらなく好きなんだけど、兄妹の生真面目に対してコメディメーカーを2人くっつけたことで、エンタメバランスが抜群によくなってる。しかも三者三様の戦い方+禰豆子のチートな爆発力で、戦闘にもバリエーションが出てきた。
 
6巻は蜘蛛にやられて壊滅状態になった一同+鬼殺隊が一旦休憩する箸休め巻であり、鬼殺隊のトップ連中と鬼の下弦・上弦のメンツ紹介。もっとも顔出し程度だけど、キャラのクセがチョロチョロ描かれているので楽しい。
特に鬼殺隊の恋柱・甘露寺蜜璃はなんなの! 強いの!? 何にでも惚れたりときめいたりする乙女でしかないんだけど、こういう子が一番強かったりするんだよなあ。
 
最初からギャグキャラとして出てきていた善逸の「使い方」がどえらいいい具合。絵柄と時代背景、炭治郎の一途さと、禰豆子の耽美な見た目でどうしても作品が重たくなるのを、善逸が動くことですごくまろやかになる。
そもそもおっかない相手が来たら「逃げたい!」って思うし、かわいい女の子がいたら「仲良くなりたい!」って考えるし、腹が減ったら「食べたい!」とまんじゅうをあさる。ある意味全員が戦闘狂なこの世界で、実はむしろ真人間な方。
身体がボロボロになった面々が「機能回復訓練」で女の子隊員に稽古を付けられている時。炭治郎と伊之助はぐったりしてるのに「幸せ!! うわああ幸せ!!」と超思春期男子しているのは、とても好感持てます。女の子には嫌われます。
アオイ、しのぶ、カナヲとカワイイ子だらけなのでまあ、ハッスルするよ、してくれてよかったよ。炭治郎と伊之助そういうの興味ないし。
 
大分ストーリー比重とシリアスさがキャラごとに分散されてきている中、ちゃんと最終的に禰豆子に物語が戻ってきているのがすごい。
禰豆子があれをああするのは、ちょっと驚いた。そうかおさえこめるのか。