たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

退廃的な画家のあの人の話。

1995年河合塾模試の小論文にあった不気味なイラスト(イミフwwwうはwwwおkwww)
この一致団結っぷりに心から感動しました。すごいなみんな!そしておつかれさまw
こういうなんてことないことをみんなで力をあわせて調べている様子を見ると、ネットっていいなと思う瞬間でもあります。
興味と協力で、荒らすこともなくみんなで心のそこから「なんだろう?!」で一致する姿。かっこいいじゃん。
いやあ、こんな2ちゃんねるは、よいな。
 
それにしても、まさかこの画家さんの絵が試験に出るなんてナあ。画集持ってるくらい大好きな画家なのでネタになるのはうれしいんだけれども。
それにしても退廃とエロスと悪魔の世紀末白黒画家ですよ。彼の描く絵は巨根の悪魔たちばかりですヨ!
なんでこれを試験のネタにしたのがかが不可解すぎて。そんな試験問題作成官でてこい!そして友達になってください。
 
以降ネタバレなので分けておきます。
オーブリー・ビアズリーwikiより。

足やケツがでかいとかかれてますが、そう思ったらビアズリーの手中かも。
胸、陰茎などビアズリーがあえて誇張して、性的イメージも含めて喚起しながら描いているので、とにかく奇形のオンパレード。一見して、誰もが「なんだか気持ちが悪い」と思わせるその手腕、最高!です。


左のはサロメの挿絵。これは見たことある人多いかもですね。
 
ビアズリーというと「男色」「近親相姦」などで話題にもなったのですが、実際そうだったかはまったくさだかではありません。というか、おそらくデマ。イラストに「姉が堕胎した」という噂のあった胎児をモチーフに組み込んだり、世間をナナメうちしていたからです。すごい度胸というか、ズレっぷりというか。
他にもすべて描く絵があまりにも世紀末的すぎて、そこがスキャンダルの火種だったのですよ。こんな絵を描く人だから、性生活もおかしいんじゃないだろうかと。
このスレでも「不気味だ」「こわい」という意見が多々上がっていますが、当時の人もそうだったらしく、雑誌などにのぼるたびに批判の的になっていました。と同時に一部の人に絶賛され、カルト人気を誇る名画家になっていったというわけです。時代はまさに19世紀末。彼の退廃的な画風は色々評判になります。
挿絵の多い画家でもあったのですが、かのオスカー・ワイルドの「サロメ」を描いたときも、作者を茶化すようなお茶目っぷりを発揮したためにべちんべちんたたかれました。しかも、挿絵のほとんどが本文と関係なかったり、1世紀の人物なのに19世紀のボードレール作「悪の華」を読んでいたり。彼の中では時間と感覚が捻じ曲がっているんですヨ。
オスカー・ワイルドといえば「さあ、ぼくの体の宝石を貧しい人にわけてあげて」という心優しい銅像で有名な「幸福の王子」の作者ですが、男色家として有名で醜聞名高い人でもあります。
いやね、男色差別っていうわけじゃないんすよ。サディスティックにエロかったらしいんですよ。それが「幸福の王子」を書いたとなると、ああもうだいなし。「一杯のかけそば」状態です。ソドム行為で逮捕されたとのこと。・・・ソドム行為ってなに?
その後ワイルドはビアズリーの才能にほれこみますが、ビアズリーは悪い噂まみれのワイルドを嫌います。というか、醜聞の巻き添えをくったビアズリー、一緒扱いされちゃってますから、挿絵の仕事を引き受けるわけがない。
 
さて、エロティックな挿絵が多いことでも有名なビアズリー。下記にのせたアートイメージでいくつか見ることが出来ますが、ほとんどは破棄されたそうです。
もったいない!!!!!
そして、25歳の若さで結核で亡くなった悲劇の画家です。
自分の遺志で作品が破棄されたそうですが、見れるものならば少しでも多くの作品が発掘されることを願うばかりです。

他のイラストオーブリー・ビアズリー アートイメージ
先ほどのはこれ
Tailpiece1896年7月刊「サヴォイ」第三号(The Savoy,No.3、July1895、pp.91-93)に載せた自作の詩「理髪師の唄(The Ballad of a Barber)」の挿絵だそうです。
 
ふう。ニュースでビアズリーの話なんてなかなか出てこないので興奮しながら書いてしまいました。
「世紀末」という言葉の似合う白黒画家としては、自分の中で五本の指に入ると思ってます。他の4本は思いつかないのが難点ですが。
 
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ワイルドのサロメ解説で面白いヤツ
個人的オススメ画集・「オーブリー・ビアズリー―世紀末、異端の画家」