「女子高生」が持ついろんなパワー

女子高生という記号（明日は明日の風が吹くより）

「女子高生」、「制服」という価値は、ある年頃の女の子に一様、ほぼ無機質に、多くは選択不能のかたちで与えられる。それは非常に暴力的に、ある「視線」とセットになって与えられるわけだ。

「センチメントの季節」は自分も読みました（全部じゃないけど）。見てて痛くて。エッチしていなければここまで崩れていかなかった苦痛。女子高生という一つの「性」ができてしまったときの痛々しさ。
男たちがその記号化された「性」しか見えていないことの難しさを感じました。
強制的に一つの記号に押し込められることと、また記号化された性に染まってしまうことの難しさを考えさせるエントリです。
　
実は、ここで書かれている「性としての記号」ではなく、別の点においては制服による「女子高生という記号」もありなんじゃないかな？と思ってたりします。
もちろん、女子高生という「記号」のみに毒されてしまって、内面まで「そのために」生きてしまい、挙句の果て「女子高生だから」としてしか見てくれない人にしかアプローチできないのならば、それは本当に残酷なこと。それならば、人間が記号化されてしまってますネ。
だけど、「今女子高生だから、それを思う存分楽しもう！」という子のほうが実は多いと思うんです。わざわざパンツ見せて歩くのは「記号化されつくした」、言い換えれば「侵蝕され」てしまっているかもしれません。しかし、制服で「ああ、今女子高生なんだな」と思って楽しむ人もいるわけです。
「外に向けての女子高生という性の記号」なのか、「自分自身に向けての女子高生という記号」なのか、ですね。
後者は男子も同じ。制服いやだいやだいいつつも、制服で街中歩くのも楽しんでるんじゃないかな。ちょっと改造しちゃったり。
男女とも、制服の改造は「人に見せる」目的の人もいれば、「ちょっと自分の革命」みたいな人もいると思うのですヨ。くるぶしまであったスカートを、ひざの下くらいまであげる革命。過度なものじゃない場合、たいていそれは「自分のため」だったりします。
（あ、制服の改造はだめですよ。マナーを守るのも社会勉強のﾋﾄﾂ。やるなら見えない部分をちょこっといじって冒険しようゼ）
　
「女子高生」という単語だけでどうしてもいかがわしいイメージを持ってしまいますが、やっぱりそれは「性」というわかりやすいくくりがあるからでしょうね。
援助交際とか、最近騒がれなくはなったものの悪化する一方ですし。それに女子高生の制服、ってだけで男性が興奮するのは仕方ない。そういう風にできているんだから。そうですか？
「女子高生ブランド」なんでしょうね。１８歳から１９歳になっただけで価値がどどーんと落ちてしまう気がしてなりません。そんな中にもし自分の子がいるならば、と考えるとぞっとします。しかしそこは、育て方であって「制服」の功罪ではない気もします。自由服でも「若さという性」を武器にしてしまう子は、いっぱい出てくるかもしれないです。ちょっとネガティブな考え方ですが。
　
制服による記号化は、外側からの圧力がないかぎり、また自身がしっかりと一人の個人として楽しんでいる限り、一種のアイテムとしてむしろ良いのではないかと思いました。（以前書いたように、白衣とかは圧力のかかる例ですネ。そういうのは変えていくべき。）カバンの中にちょっとお気に入りの化粧品や文房具が入っていると、勇気や元気の源になったりする、そんな感じ。
制服そのものがなぜ残っているか、というと、多分「社会ルールを守る練習」なんだろうな、と自分は思っています。もしかしたら「連帯感」を持つことが目的、という人もいるかもしれません。それが中高生を抑圧するものならば、変えていかなければいけないと思います。しかし、ある程度の「自由度」と、ある程度の「ルールを守る責任」をもてるようにするならば、制服は活力の一つにもなるのかもしれません。
　
制服のない高校を卒業した人（自分もです）は、みんな口をそろえて「制服着ておけばよかった！」といいます。もっとも制服の学校は逆なのかもしれませんが。
それだけ、制服の持つ「若いんだぜ！」っていう記号性は、やっぱり若くても、あるいは大人になってからも、憧れなんです。
だから、「性」だけが制服の持つ記号じゃないんじゃないかな、って自分は思うんですよ。もしそれがパワーの源の一つになるのなら、それはいいなって。
「高校生だ！だから青春を謳歌するぜ！謳歌ってなんだよ！青春なんか使うなよ恥ずかしいもっと遊ぼうぜ！」
そんな自分を楽しめる高校生のほうが、実際は多いんだよね。
ごく一部の「性を見せるため」女子高生もいますが、実はほんとごく一部なんじゃないかなって。
若さの記号をものにした高校生からパワー１２０くらいいただきたいものです。

ある意味女子高生が記号化された上にパワー満載なこんなのとかどうだべ。極端か。でもこの子らくらいマイペースを保てれば、スクスクいきいきと育ちますネ。