やりがいのある仕事、だからこそ苦しい仕事。
私が漫画編集者を降りた理由①
私が漫画編集者を降りた理由②
私が漫画編集者を降りた理由③
私が漫画編集者を降りた理由④(とことこ編集者雑記)
(ゴルゴ31より)
「一般誌での人付き合いは、スタッフの数は多いけど相対的に浅かった。漫画編集者は、基本的に漫画家さんとだけ打ち合わせればいいけれど(モノによっては取材も必要)、ガチで価値観と価値観のぶつかりあいのところまでガップリ四つに組まないといけないんだ」と。
これ、じっくり読んじゃいました。んで、ありきたりな感想しか書けなくて申し訳ないんですが、これはメモしておきたいと思ったのでメモ。
好きなことと仕事は、なかなか折り合いをつけるのが困難。しかも「誰かにやってもらう」という仕事、どうするのか想像もつきません。
自分もマンガやアニメは大好きだけど、編集や制作が出来るほどの根性はないんだろうなあ。自分が今好きな仕事をできているというのもあるんだけど、ほんと「別世界」な感じがして否めないです。
漫画家さんと格闘を繰り返して、共によい作品作りに挑む編集者の方もいっぱいいると思います。それはおそらく、想像を絶するほど大変な苦労を重ねる仕事なんでしょう。それを、まさに四つに組んで頑張っていらっしゃる強靭な編集者の方々が、ウラにいることを考えると本当に頭が下がります。作家さんやイラストレーターさんの編集も同じでしょうね。無から何かを生み出す仕事の編集さんの苦労たるや。
自分の好きな作家に植芝理一さんがいますが、彼が編集者と「まだパンツは早い!」「いや、ここでだ!」と大声でファミレスでケンカした話を「メカビ」で読みました。
イイ関係と単純に言えるかって言えば……。いつもニコニコ笑顔で仲良しっていう意味ではないですね。打ち合わせやっている上で、意見がぶつかって月に二回くらいは「死ね」とは思わないけど「軽く車にはねられろ」くらいは思うし、意見がぶつかって担当の方も月に二回くらいは僕に対して同じようなことを思うだろうし……。でも、そういうぶつかり合いがあって、結果として前に提示したアイデアより面白いものになって、さらに結果として、それが作品となって掲載されて読者から「面白かったですよ」っていうハガキでももらえれば、まあ、いろいろケンカもしたけど、「まあ、いいか」と互いに思っちゃいますから。だから「喉元過ぎれば熱さを忘れる」的な関係ですね。
常に戦い続けている編集者さんとマンガ家さん。でもこういうこと言っているのを聞くと本当に読者としては、なんかうれしいですね。
ケンカしていることが嬉しいんじゃなくて、よい作品作りのために心の底から格闘していることが。
「がんばってください」とか簡単に言えることじゃないのは分かっているので書けないですが、ただただ、産みの苦しみの中からすばらしい作品を作ってくださっている作家さんや編集者さんには、敬意を表します。
もちろん、意見が完全に衝突して、平行線になることってどこの職場でもありますよね。どこかで折り合いをつけないといけないわけですが、創作現場ではその折り合いのつけ方が難しいんだろうなあ・・・。
うん、みんな常に、戦い続けてる。