たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「バービー人形を少女達に与えてはいけません。」

  • 少女から少女用アイテムを奪う?

普段AMなんて全然聞かないんですが、たまがま車でラジオ聞いていたらこんなセリフが聞こえてきたわけですよ。

「バービー人形は少女達に与えるべきではない」

さすがに吹きました。へ!?バービー人形?!しかも今更?ラブ&ベリーならわかるけどサ。
でもその話、ジョークとかではなく、いたってマジメな人の家庭への一言コーナーのようなものだったので、とりあえず落ち着いて聞くことにしました。車を止めて、ペンとメモ帳を取り出して。
 
こういう内容でした。

・バービー人形は他の人形に比べて「セクシーさ」や「思春期の魅力」が強調されていて、
 不自然に大人の世界を垣間見せることになる。
・ファッションの高級さ、一般的な理想化された体型、デートなどのシチュエーションなどを
 擬似体験させてしまう。
・だから、数歳の子どもに不用意に与えるべきではなく、また10代に入ってから与えるべきである。

なるほど、面白い視点ですネ。
こういうのはその解答よりも「ここから考えるきっかけを作ること」に価値があると思うので、ちょっとマジ突っ込みしてみたいと思います。

  • 人形遊びと発達段階

バービー、リカちゃん人形などを買う年齢層を考えてみたんですが、大人のコレクターやファンが買うのは置いておくとしたら、ごっこ遊びをするのは主に5歳から10歳までだと思います。中学校に入ったらバービーを「飾り」はするかもしれませんが、ごっこ遊びはしないと思います。発達段階がすでに外に向かっているので、自分自身のことや友人のことに目が向くからです。
10代になってからバービーを与える、とこのラジオの人は言っていましたが、そのことにあまり意義を感じません。あ、喜ぶなら意義は100%あるんですけどネ。
 
人形遊びの一番のメインは「ごっこ遊び」をすることと、人形と自分の中に社会を真似っこしていくことだと思います。付随して「かわいいー」「きれいー」。特に小学校入学前後のままごと体験は、その後の価値観にものすごく大きな影響を与えるでしょう。
もちろん「やらないといけない」物ではないんですが、やることによって何気なく暮らすよりもはるかに広い価値観や視点を得ることができると思うからです。いやね、小学生の段階でパパママになれないじゃないですか。ファッションだってそう簡単に買えないじゃないですか。好きなインテリアも作れないし。
また、他の子どもの裸の価値観とぶつかる機会にもなります。仮面をかぶることで対面できる価値観だってあるでしょう。
 
その段階で「思春期の魅力を知るのは時期尚早」とするのは、個人的にはどうかな?と思うのですヨ。むしろ、メリット満載です。疑似体験どんどんしたほうがいいッスよ。ネトゲと違って逃げ出せない空間だというわけでもないです。
むしろ、そこでそのような体験をしないまま、小学校でいきなり世界が広まりファッションや交際について情報につぶされることのほうがよっぽど心配です。
デートの疑似体験。すればいいじゃなーい!ですよ。バービー人形使って、他の女の子友達とデートごっこすればいいですヨ。不安なら、お母さんとデートごっこすればいいと思うのです。隠すよりも価値観を与えるいい機会です。
逆に子どもがごっこ遊びでデートや異性関係に興味を深く持つのなら、何かあったと言うことのサインを見つけることもできます。見えないところで鬱憤がたまった場合、幼児期から少女期には絵や人形などに自分を投影します。ごっこ遊びをしたがる子どもは、プラスの向きに外交的か、でなければ抑圧されたものの解放を望む場合が多いと思います。つまりどっちにしても、メリットの方が大きいと思います。

  • 夢のようなファッションと体型

「体型の一般化」については、色々な考え方があると思うので一概にはいえません。しかし、自分の理想を投影するのは悪くないと思います。きれい、かわいい、と思うものを何かに投影して安心する行為は大人でもやるわけです。子どものころにはさらに「曖昧な自分」と他者を見極めるための前段階として体験しておいた方がいいと思うのですよ。えーと、ほらー、なんだー。情操教育?(よくわかってない言葉を使って不安になっている)
ただし!なんでもかんでも豪華な服を買い与えるようになってしまったら、このラジオの人の言っていたような懸念は出ると思います。簡単に手に入ってしまう安易な価値観。おもちゃ全般に言えることですけどネ。
たとえば今で言えば「ラブ&ベリー」なんですよ。

ゲームとしてはとてもよくできているし、少女達があれだけ夢中になっているのもしっかり作られている証拠。セガすげーなー、と思うと同時に、ラブベリのウラが不気味でもあります。
またまたここにでてくる「転売屋」の存在。ノーマルカード各種からレアカードまで、多様にそろえて100円から数千円で売っているのをよく見かけます。子どもが買いに行きやすい場所、ということで様々な中古グッズを売っているお店なんかにある「個人BOX」でよく見かけます。そこで親が何千円というカードを子ども達に買い与えている様はちょっと異常な気がしてなりません。もっともカードゲーム全般に言えることですし、延々とお金使うよりは・・・ってのもあるのでひとくくりにはできないんですけどネ。ただ、なけなしの小遣いから転売されたレアカードを買う小学生低学年の女の子の姿を見ると、複雑な心境です。

  • 少女よ、バービーで遊べ(リカちゃんでもいいよ)

ラブベリはカードがないとどうにもならないですが、バービー人形はそれこそ親子で洋服作りましょうよ。ミニチュア家具も自作しましょうよ。お父さんいたら小さな部屋をつくってもらいましょうよ。決まったオシャレなバービーを個性的なバービーに変えていきましょうよ。そういうのこそ情操教育だと思いますヨ(今度は自信を持って使ってみる)。
どうしてもあの体型がモデルーでよろしくない!というのなら、リカちゃん人形でも、シルバニアファミリーでも、プレイモビルでもいいと思います。
 
まあそのなんだ、まさかバービー人形なんて言葉を聴くと思わなかったから驚いたというのもあります。考えてみたら昔とくらべて、全然人形売られてないですもんね。ある一定量の売れ行きはありますが、そんな「買うべきじゃないヨ」と言うほど売れてはいないですよネ。
でもおかげで逆に「人形で遊ぶ価値」を再確認できたので、あのラジオは聞けてよかったです。こんな機会ないと考えもしないもんなあ。どんどん人形で遊ぶべし。
はて、各種着せ替え人形については思うところあるので、別の機会に。
 
関連・ごっこ遊びばかりする娘のことが不安です
回答者の先生の言葉が胸に沁みた。いいこというなあー。ごっこ遊びは子どもだけじゃなくて親の心をも癒す大事なものだと思いました。