「かみちゅ!」2巻と、弓道着と、ハナハル時空と。
連載時と見違えるほどに加筆修正されています。
DVDでのみだった賞吉くんとみこちゃんのエピソードの片鱗的な話が載っていて、そこだけでも満足しました。逃避行の話もよかったのですが、こちらも非常に味わい深いものになっています。
何に満足かというと、賞ちゃんの直デレっぷり。直デレというのは「まっすぐ愚直で恋をするデレ」のことです。今作りました。こういうまっすぐに恋に突き進んで、「おれがやるよ!」っていう男の子最高にかわいいですよね。
あとはみこちゃんの弓道着です。
そもそも胸が大きい女性にとって弓道は大変なわけですが、みこちゃんは完全にフラットラインです。着替えシーンとか、中学生の中に小学校低学年が混じったかのような絵柄になっていて、とても、すばらしい、です。
1年生でレギュラーに選ばれたのはその幼児体型のせいだと思いました。たぶんまちがいないです。
弓道着の袴のすばらしさと言えば、まっすぐにのびる袴のラインと両脇の開いた部分です。その隙間に「空間」のボリュームがあればあるほど魅力が増します。そこになにもないとしても、空気の存在感を描くことが大事なんスよ。
鳴子ハナハル先生といえばもうその手のイラストのトップを走るような方です。
神がかった「空間」を見ることが出来ます。スバラシイ。この空間能力を持ち合わせている作家さんは袴愛に満ちていると思います。そしてその愛を分けてもらうのです。この空間だけで見る価値があるマンガだと思うのでした。すいませんおおげさです。
というのはさておき、とにかく作画の質が高いマンガでした。二巻完結なので、アニメのようなもったりのったり感や、こたつから出ないで30分過ごす話なんかはさすがに載っていません。ちょっと急ぎ足気味ですが、逆にそのテンポのよい展開と八百万神と共存する世界観を、濃密な絵で描きこんでいるので2冊分の濃度が高いの何の。100%絞りたてジュースみたいな感じです。
これが「濃すぎる!」と感じたら、何回かにわけてちょっとずつ読むと、ゆっくり絵を味わえてちょうどいい感じです。一気飲みしたい人は、のどにつかえないようにしましょう。
「かみちゅ!」の世界観はアニメ版が特殊な上に、一歩間違うとグロくなってしまいそうなギリギリのラインを「これは萌えですよ!」と叩き割った面白みがあると思っています。それをマンガで描くには鳴子先生の書き込み量が必要だったんでしょうね。だからこそその描きこみっぷりに酔うことができます。
もちろんマンガとしてもかなり楽しんで読めるのですが、正直すべてのコマがイラストとして成立しているので、イラスト集的な買い方もありだと思います。
表紙めくったところの水着イラストは鳴子パワー全開でした。一瞬だけ入る祀ちゃんの入浴シーンといい、鳴子先生の描く女体は、「にくにく」してます。ブルマからはみでるお尻のおにくとか。
つまりその「おにく」と、弓道着や制服のスキマが、「ハナハル時空」なのです。
自家用紙飛行機
表紙の一枚絵が見れます。本気で尾道に行きたいです。