たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

どんだけMですか、どんだけSですか。「まつりスペシャル」

ジャンプスクエアの1月号買ってきました。
「TISTA」も「岸辺露伴は動かない」も「屍鬼」も「エンバーミング」も楽しみではありました。
しかし、反射的に自分が真っ先に開いたのは「まつりスペシャル」でした。
もうね、主人公の羽生まつりちゃんには、1号目でそう・・・あれは恋だね。恋におちたね。
 

●根本的なとこで軸がずれている少女●

まつりちゃんの魅力、その1。
作者が神尾葉子先生ということで、カオスなジャンプSQでもかなり異質な雰囲気を放っているこの作品。
基本的に少年が読んでも楽しめる作りになっているのが見事なところなんです。
だって、これですよ。

自然にこの格好をとって考え事をする少女!
ときめいたね。これは恋だね。
 
おおまかなストーリーとしては、羽生まつりちゃんの恋物語になるのですが、最初から色々な部分でズレてばかりの空回りモードです。
なんせ、裏ではこっそり横暴な父ちゃんに巻き込まれてプロレスをやらざるを得ない、というむちゃくちゃな人生を送っているのです。
もちろん年頃で恋する乙女な彼女、さすがにプロレスやっていることはばれたくないし、マッチョはいやだと避けられるのは怖いからひたかくしなのですが、上のように体の根っこに何か染み付いちゃってズレている彼女のことです、隠せるわけがない。

じゃーん。ニールキック。
普通出ないよ。こんなん。
とっさにこれが出てしまい、かつ「や、やってしまった!」なんていう、「破壊デレ」*1な彼女。
いやあ、ドキドキしたね。これは恋だね。
これでいて「普通になりたい」と思っているんだからもったいない。つかむりなわけですよ。呼吸をするようにニールキック出たり首ブリッジをするような娘さんには。
そんなとんちんかんな、まつりちゃんのギャップと大げさすぎるアクションが面白いの何の。
そんなところが、男の子の目から見てもすげーかわいいと感じるんじゃないかと思うわけです。アクションが派手で恋にメロメロな女の子って、多くの男の子大好きヨ?とんちんかんゆえに、意外とジャンプ向きなヒロインです。
 

●周りの見えてない少女。●

まつりちゃんの魅力、その2。
彼女も恋に恋する乙女です。いくら体を鍛えていても、恋する相手がいるわけです。
それは片思い絶賛一方通行中なわけですが、この様子が一方通行どころの騒ぎじゃない。

バレバレどころの騒ぎじゃない。「ギラギラ」してます。
どうもこの子、基本的にアホの子属性を持ち合わせているようで、マジメで一生懸命ないい子なのですが、とにかく周囲が見えていません。恋の暴走というか、先ほどの首ブリッジもそうなんですが、没頭してしまうと冷静な判断が下せなくなって視界がせまーくなってしまうようです。
これが逆をかえせば集中力でもあるので、彼女が戦う時の強さにもなる気がしますが、それにしたってこのギラギラした目つき。恋する乙女っつうかハンターの目をしています。
そんな、ものすごく小さな視野で、裏表ナシにわーわー大騒ぎする彼女。
テンパればテンパるほど、空回りする様子が愛しくて。
いやあニヤニヤしたね。これは恋だね。
 

●恋をすると痛いことすらうれしくなっちゃう少女●

まつりちゃんの魅力、その3。
このまつりちゃん、そんなわけで極めて恋愛ごとに憧れてはいてもうまく振舞えない不器用な子なんですが、男子に接触する方法もよくわかっていません。遠くからギンギン見てはいるものの、どうにもうまく手出しできず、ばたばたつっかかることこの上なし。
そこでですよ。もし偶然見てもらえたら。そりゃうれしいですよね。
でもそれが、蔑んだ、嫌うような視線だったら?

普通はへこみます。だがしかし、彼女は、それでも見てくれてうれしいって感じちゃう私おかしい!?ってな具合。
ええ、おかしいです。
キモいといわれてドキドキしちゃうんです。
ああ、このMっぷり、恋なのかなんなのかわからないけどそれでもほれた相手にしがみつきたくなってしまうその純粋さ。たまらないですね。いやあ、なでなでしたくなりますね。これは恋だね。
もっともこれは本当にMなのか、あるいは恋と何かを勘違いしているのかはまだわかりません。そのへんも今後楽しみなところ。
 

●そして少女の躍動感。●

まつりちゃんの最大の魅力、その4。
やはりレスラーというのが最大のポイントでしょう。彼女の細いながらもがっちりとした肢体から繰り出される技の数々!今のところ二話ですが、1話ずつ大技が炸裂しています。
しかも彼女、レスラーがいやなのでわざと負ける貧弱型レスラーを演じているのですが、気づかぬうちに鍛えられていてめっちゃ強いわけです。

大の男をちぎっては投げるまつりちゃん!かっこよすぎる、これで惚れないわけにゃあいかない。スパッツだし。
この作品の最大の魅力は、意識せず、踏ん張ることをせずに、呼吸のように繰り出される少女の派手なプロレス技です。おそらく今後もとんちんかんな彼女の性格で、それが思わぬところで出てくることでしょう。
彼女はおそらく、本当に強いのだと思いますが、今の時点ではそれも隠しているので分かりません。ただそんな、生活の一部がプロレス技な彼女が時に暴走し、時に恋であたふたし、キレたら手が付けられなくなる様子があまりにもかわいらしい。スパッツだし。
とにかく爽快、とにかくどハデ。
男の子が見てもかわいいまつりちゃんというヒロイン像、女の子が見ても笑えるまつりちゃんの大げさな恋愛。老若男女問わずおすすめできる少女アクション恋愛マンガです。今後のジャンプスクエアで最も楽しみな作品であります。
願わくば、もっとスパッツで戦うシーンがあればいいなと。
ジャンプ SQ. (スクエア) 2007年 12月号 [雑誌] ジャンプ SQ. (スクエア) 2008年 01月号 [雑誌]
 
んで。「まつりスペシャル」ってどんな技だろう。

*1:いや、デレはないけどなんとなく。