たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

そっと添える、そんなキャラのいとおしさよ。

以前「T5=つかさ症候群末期症状」の話を書いたのですが、その際にいくつか、女性視点から見たつかさの位置について書いてくださった意見が面白かったので抜粋して紹介してみます。
これ、「らき☆すた」の見方としても面白いんですが、ひいては色々な作品のキャラの立ち位置に感じる視点に通じそうで、興味深いです。
 

●「萌え」は性的なかわいらしさとは限らない●

小見出しに入っている「性的」というのはエロスではなくて、「女の子としてかわいい」「男の子としてかわいい」という意味です。
「萌え」っていう言葉自体定義しても仕方ないくらい広くなっている昨今。心が動いたよ、という意味で便利用語として書き言葉で主に使うもの、だと自分は捕らえています。会話ではほとんどつかいません。
女の子キャラに限らず、ネコに「萌え」る人はたくさんいます。だから、定義しようとする試み自体には意味がある(思考をめぐらせる楽しさ)んですが、答はないと思います。
そこで的確なこんな意見。

個人的には、あのほわほわした感じが、妹にしたいとか「俺の嫁」的な(ってよく分からないんですけど)愛ではなく、なんか動物を見てカワイイなあ〜と思うような愛です。つかさのどこが好き!というのではなくあの空気、つかさ丸ごとかわいいんですね。他キャラのようにカテゴライズできる特徴(こなたならオタク、かがみんならツンデレ、みゆきさんなら知的お嬢様みたいな)がよくわからないだけに、全体のかわいらしさが際立って愛爆発しちゃってるんだと自分では感じてます。
(通りすがり女子さん)(太字はたまごまごが入れました)

つかさは、こなた・かがみがメインで話している時に常にそばにいるような立ち位置です。逆に言えば、常にそばにそっと添えられています。
その時の「つかさ時空」があるんですよ。男性でもそれが好きな人は非常に多いと思います。口調も「だよねー」しか言わないこともしばしば。
柊つかさに学ぶコミュニケーションのヒント(結城浩のはてな日記)
必ずしもこれが解答ではないんですが、これは目からうろこ。確かにこういう人と「すごい親しくなるか」は今後次第で分からないけれど、初見で嫌うことはほとんどないです。
そんな温かみを添えるキャラ、って確かに色々な作品にいると思います。特に重要な役目を果たすわけではないけれど、そこにいることでなごまされるキャラクター。
つかさもキャラのカテゴライズにいれるなら「アホの子」などにはまるとは思いますが、それほど明確ではないのがかえって視聴者に、自由な角度から愛でられる要素を持たせています。

つかさが「嫌い」な女子はそんなに居ないと思います。らきすたは基本的に悪人のいない世界ですし、嫌われるほどの要素は見当たりません。ただ、女子の中で「つかさが1番好き」となるとこれは殆ど居なくなるのではないかと推察します。
通りすがり女子さんの仰るとおり、つかさに向ける目線から男性特有の「性欲・つかさのような異性がタイプだと思う気持ち」を抜いたもの(つまり女性の目線)というのは「ほんわかしたキャラに見るマスコット的な可愛さを愛でる目線」のみになりやすく、1番好きなキャラにはなり得なくなってしまうことが往々にしてあります。
(中略)
女性が好きになる女性キャラというのは「かっこいい・サバサバしている・毒舌」…と、いわゆる憧れの女性像に偏り易く、やはりらきすたに置いてもこなた・あきら様あたりが女性人気が高いように感じます。また女性は「女のツンデレ」は嫌う傾向にあるのですが、かがみは人気ですね。これはかがみが他のキャラに振り回される方だからではないかと分析します。
(h.aさん)(太字はたまごまごが入れました)

あまりしゃべらないがゆえに、色々な見方をされやすいキャラ。つかさの場合はアニメで変な発言*1が差し込まれたので一気にそのゆるさが男性ファンを大喜びさせたと思います。つまり自分。
しかしマンガ時代からつかさはあまり嫌われない、というのは男女問わずそうだと思います。こういうキャラがならば空気なのかというと、そうでもない。確かに「いる」という存在感があります。そして、そのキャラがいることで、画面が安定します。
マスコット、というのはまさに言いえて妙だと思いました。もちろんこれはほめ言葉として。男女だから、というのを超越して、「そこにいる」ことによる安心感によって生まれる愛しさは、存在すると思います。
たとえば、「プリキュア5」のうらら。たとえば、「ぱにぽに」の六号さん。
キャラが薄いわけじゃないけれど、マスコットとして画面に彩を添え、見ている側をほっとさせる、そんな形の「萌え」もあるんだな、と再認識しました。
 

●添える花に向かう視線は、後からゆっくり、じわじわと。●

私の場合は、妹にしたい、嫁に来い、という類の愛もあるのですが、キャラの立ち具合がとにかく好きですね。
つかさは、特に派手な特徴のない(目立つのはリボンくらいですね)、その控えめ加減が凄く魅力的なキャラだと思います。そんなキャラだからこそ、「ばるさみこす〜」や「そんなの関係ねえ」などのたまに出てくるお笑い要素がよりインパクトを強くさせて、ちょっと暴走気味なファンを引き寄せてるのではないですかね。
キャラソンの出来の良さも意外でしたからね。そういうのが溜まりに溜まると暴走抑えられなくなっちゃいますよ
結構あとからじわじわくるタイプだと思います。
もっと単純に、つかさ自身が電波キャラっぽいところがあるので類は友(ファン)を呼んじゃっているのかもしれませんね。
(名無しの女さん)

嫁に来い、ってかっこよすぎです。男性の場合は「妹にしたい」は多そうですね。
先ほどのマスコットとかぶるのですが、見た目の特徴の幼さはつかさは格段に高いです。そもそも「らき☆すた」キャラ全員幼い外見ではありますが、小さいこなたやあきら様は、意外としっかりしているためそんなに幼くないんですよね。犯罪的なまでに幼く見えるのはやはりつかさとゆたか。
もちろん初見で、いわゆる「マスコット型キャラ」にどはまりする人もいるとは思いますが、やはりおっしゃられている「じわじわ」なんです。あとからゆっくり何かがくるんです。
先ほどのうらら・六号さんもそうですが、見た目の幼さ+画面に出ている割合の多さの効果は抜群です。だって、空気が落ち着いているなあと思ったら、気づいたらいるんですもの。気づいたら、メインでしゃべっているキャラよりも背景にいる彼女たちに目がいっちゃったりして。
 
初見人気の高いキャラは男女とも心をわしづかみにされることが多いですが、後からじわじわくるマスコット系キャラは人気が根強く、かつ愛されている時間が長いのが特徴だと思います。また熱心なファンは、やはりマイナー好み嗜好が強い場合も多いので、さらに激しさを増します。しかし同時に、トップにはなりずらい。というか、ならなくてもいいのかもしれません。
口数が少なく、時折笑わせてくれるキャラほど、ファンの胸の中に独自のマスコット的な像があるのだから。
  
これからは、そんな画面に添えられたキャラクター達を、そっと咲く花のようにかわいがりたいものです。
でも近づいたら突然「こなちゃんのくせに」とか言ったりして。そんなつかめなさがまたイイ。だからぼくは木冬つかさちゃん!
 

*1:バルサミコス、チンチン、よっこいしょういち等