たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

今年の夏は、ちょっとだけ周りが明るく見えた。「みつどもえ149卵性」

夏です!
ひとはの恨み言の季節がやってきました。
水泳への怨恨をここにぶつけるんだ!!

…あれ?
水泳のこと怨んでないですね?
 

●ひとはと水泳●

ひとはは「高所恐怖症」「水泳が苦手」「球技が苦手」という弱点があります。家事や勉強などは完璧にこなす分、そちらにはスキルポイントがまわらなかったようです。
だから水泳は大嫌い。ひとはは毎年夏になると、水泳恨み歌を語ります。
ちょっと振り返ってみましょう。
 

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第一夏
10卵生「仄暗い水のその辺より」
「水泳……人間にとってなんて無意味な行為だろう……無意味無意味……」
(松岡による水泳の練習。泳ごうとする意志はあり。)
11卵生「お父さんは心配性な不審者」特になし
 
第二夏
51卵生「曖昧何センチ」特になし。
60卵生「無抵抗平ら系水泳部どうしよう」
「いいよ泳げなくても」
「水泳なんて無意味で愚かな行為だというのに」
「ああ…死ぬ…死ぬんだ……」
(ここでふたばのスピードで気持ちよさを知るが、ふたばのせいで水に顔を付けるのが怖くなる。)
 
第三夏
101卵生「ファットスティック・フォー 銀河の危機」
「私の命の板が…!」
(ビート板を愛用して積極的に泳ぐ練習をするようにはなっている)
102卵生「跪くまで5時間だけ」
「水泳なんて無意味で不必要だよ…一人必死にゴールを目指す無様な姿を大勢で応援されるなんて…もう耐えられない!」
(水泳授業を回避したくて、みつばの「珍しいことすればいいんじゃないの」というのにだまされていると分かってもしがみつくひとは)
107卵生「変と水着のサバイバル」
「可愛い顔してとんでもない死に神だよ…!!」
「今年こそ死ぬよ…」
(市営プールで、水恐怖症に拍車。ヒーロー?に助けられる。)
 

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だいたい二冊に一回夏が来ていますね。
みつどもえ世界はサザエさん時空でエンドレスみつごなので、あまり深いことは今回考えず、ひとはの心の動きだけ追ってみます。
 
第一夏では泳げないのでプールが嫌い、という程度で止まっています。それに対して「無意味だ」というのは彼女なりの照れ隠しでもあります。実際松岡が泳ぎを教えてくれるのではないかと思い込んでしまうほどに。
第二夏では一歩進んだと思いきや、ふたばのミスで水恐怖症になります。水にに顔を付ける行為へのトラウマが芽生えてしまいます。悪気はないのよ。
第三夏では「顔を付けなければいい」ということに気づき、プールの際の命綱としてビート板を手放さなくなります。
 
面白いのは彼女別に「泳ぐのがいや」ではないんですよね。怖いけれども、なんとか泳げるようになろうと進歩はしています。上記の話数を見ていただくと、恨み辛みをのべてはいるもののけなげすぎて抱きしめたくなります。
彼女の中の最大のプレッシャーは、人に笑われることや気を遣われることです。102卵生の「無様な姿を応援されるなんて…もう耐えられない」の言葉は正直泣けてしかたない。自分もあるスポーツが苦手だったのですが、一人だけ残ってみんなに「がんばれー」と言われる状態は、恥ずかしいやら悔しいやらで死にたくなってしかたありませんでした。あれはどう解決すればいいんでしょうね。無視するのもアレだし、正直しんどい。
照れ隠し的な恨み辛みを笑いつつ、ひとはの心中、察してあげてください…。
 

●4回の夏で変わったもの●

今回は第四夏目になります。

彼女、けなげでしょう?
辛いし、いやだし、出来れば逃げ出したいくらいだけど…頑張っているんだよ!隅っこで。目立たないようにしながら。
他の子だったら拗ねてしまうところでも、彼女は黙々とやろうとします。ひねくれているわけじゃないんです。
 
さて、一番変わったのが彼女の中の「積極的に泳ごうとする気持ち」だとして、他に変わったことはあるでしょうか。
第一夏では、みつごは嫌われ者な存在でした。うざったくてじゃまくさい存在でした。しかもみつご同士の間でもひとはは孤立しようとしていました。
しかし第二夏では家族でプールに行きます。ふたばが積極的にひとはに泳ぎを教えようとします。ふたば・ひとは間の絆がちょっとだけ強まります。まあ反動もありますが。
第三夏目になると、チーム杉崎ともかなり仲良くなり、ひとははクラスで孤立した存在ではなくなります。またやべっちとの間にも絆が生まれてきており、孤立ネタをお互い冗談としてつかえるほどになっています。ここは凄く大きな変化。
 
4回の夏を通じて、ひとはの周りの人間関係が確実に変わってきています。
周囲に興味のない子だったひとはから、「結構いいやつじゃん」なひとはに変化したのです。
 
特にやべっちのひとはへの気のかけ方はちょっと褒めたい。
今回自分内でやべっち株あがりましたよ。

4回の夏を通じて、ひとはが無茶苦茶な理論を言うとき、いかに彼女に負担がかかっているかよく分かってくれるようになったんですよね。この会話トンチンカンに見えますが、実は二人がお互いを深く信頼しているから成立している会話です。
特にやべっちの受け止め方、大人ですね。ひとはにどうしようもないストレスがかかっているのは分かっているから「がんばれ」とか言わないんですよ。彼女の目線までしゃがみこんで、彼女の言葉に耳を傾けます。ひとはの言葉を直に受け止められるほどの生徒はいないからです。先生にしかできないのです。
そしてこのひとはのセリフを見ると分かりますが、「泳ぎの練習」と前向きになっているのもちゃんと分かってくれているんですよね。
ひとははやべっちとの絆でとても大切な物を手に入れたんじゃないかなあと思います。やべっちもまたダメダメだった初期と比べて、ひとはのおかげで先生トして大きく成長しています。
いいコンビじゃないか。
 

●姉ふたばの心遣い●

さて、今回の最大の見所はここです。断言です。

ここ。
ふたばが「ひと」って呼ぶときは、ふたばは姉モードです。
こちらも参照しておきます。
今年の夏はね、まぁまぁ楽しかったと思います。まぁまぁ。「みつどもえ第105卵生」 - たまごまごごはん

ふたばは基本オバカちゃんですが、みつばに対しては妹、ひとはに対しては姉としての意識をきちんと持っているやさしい子です。もうみんな大好きなわけですよ。特にひとはは頑張っているのをよく知っています。
ふたばは非常に空気をよく読める子です(読まないことも50%くらいありますがー)。ひとはが寂しがっているとき、苦しんでいるとき、ふたばは姉として彼女をどんどん前に引っ張っていってくれるんですよね。少しでも笑って欲しいと。
それが上記のような「ひと」という呼び名にこめられています。このあとのふたばの行動も微笑ましいんだー。
 
今回はそれが特に重要なものとしてとらえられているようで、普段ならオチがラストに来るんですが、変化球で締められます。

泳げるようになったオチ。珍しいですね。
このふたばとやべっちの顔がまたいいじゃない!
四回の夏をループすることで、ひとはは泳ぐよりも大切な絆をたくさん手に入れたようです。
 
ちなみにまわりの子はどうかというと。

まあみつばは家族だからというのもありますが、宮下吉岡は相当気をつかってますね。
それが裏目に出るのがこのマンガの面白い所ですが、それではひとはがあまりにかわいそうです。
今回は二人は絡まず、こういう思いやりを持ってくれている、というだけで十分だと思います。
ひとはの中での宮下・吉岡がどういうイメージなのかは見ることが出来るので、是非雑誌で。
それにしても、最近宮下・吉岡よりセリフが少ない杉崎。常にケータイいじってますが、みつばのぱんつ撮影だけではなさそうです。実はなにげに気配りが人一倍出来ていて、かつ寂しがり屋の彼女。しゃべらないときは彼女なりに何か考えているのかしら。
 

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おまけ。

最近のみつどもえで多用される、ちょっと面白いコマ割のテクニック。
こういうサイレント喜劇が入ることで8ページの中にかなりのメリハリが出てきます。視点の流れを見てみると面白いでしょうね。
なんとなく連想するのは海外(特にヨーロッパ)で描かれるマンガの手法。詳しくないので書けませんが、みつどもえはいろいろなものを吸収して育っている息がしてなりません。ひとはの人間関係のように。
 

 
みつどもえ 1 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 2 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 3 (少年チャンピオン・コミックス) 
みつどもえ 4 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 5 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 6 (少年チャンピオン・コミックス)
最近のひとは株上昇率が異常です。かわいすぎだよ。
で、夏における希望として、短冊にはこう書いて七夕に飾ろうと思います*1
「宮下の 水着が 見たい(ぱんつも)」

*1:北海道は一月遅れなのだ