たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

りっちゃん、誕生日おめでとう!

8月21日はりっちゃんの誕生日でした!(BDのおまけ情報より)
オメデトウ!オメデトウ!
夏産まれ。まったくもってりっちゃん隊員らしい季節です。
明るく咲き誇るひまわりのようなりっちゃん。
だけどもう、少しだけ秋のにおいがする。そんな季節。まったくもって色々な意味でりっちゃん。
いやまあこじつけなんですが。
ちなみに唯は11月ですね。
 
誕生日なので自分から律へのラブソングでも作ろうかと思いましたが、自分の中では律を一番祝うのは澪じゃないとだめですのでやめます。
そう、誕生日自体はみんなで祝うと思うんですが、そのあと二人きりで祝うわけですよ律と澪は。昔から!(多分
 

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りっちゃんの誕生日パーティー後の平沢宅玄関。
唯「りっちゃん、じゃーまた明日ねー。」
律「おう!明日は練習!…めんどくさいなあ…。」
澪「なんでもめんどくさがるな! 今日は遅くまでお世話になりました。」
憂「いえいえ、なんのおかまいもできず。またいらしてください。」
律「ほんと出来た妹さんだなー。憂ちゃん、プレゼントどうもね!」
憂「いえいえ。」
唯「じゃーねー。」
 
紬「あ、じゃ私こっちから帰るね。」
梓「私もこっちの道なので。明日は遅刻しないでくださいね。」
律「分かってるって! 先に言うなよー。」
澪「おやすみ、むぎ、梓。」
紬「おやすみなさい!」
梓「おやすみなさい。では。」
 
夜の真っ暗な道に二人きりの澪と律。
律は両手に先ほどもらったプレゼントを抱えている。
澪「持とうか?」
律「ん、いいよ。せっかくのプレゼントだしっと。しっかしなんか一個だけ重いな…。ぬいぐるみは澪の。スティックは梓の。カチューシャが唯と憂ちゃんので、チョコレートセットがむぎの、と。うお、…こ、これが重いんだな…。」
澪「あ、それ和から預かったやつだ。なんだろう?」
律「えーと…サラダ油…。」
澪「ら、らしいな。」
 
遠くから車のライトが近づき、二人の横を通り過ぎていく。
影ができ、そして消える。
律「去年より、また賑やかになったなー。」
澪「そうだな。なんというか…みんなの誕生日を祝う度に、人が増えていく。」
律「うん。楽しいな!」
澪「うん、楽しい。」
二人は目が合い、笑った。
律「私たちが誕生日一緒に祝うようになったのって、いつくらいだっけ?」
澪「うーん、幼稚園の頃は年長さんとかでお祝いをしたけど、別にまだ『一緒に』ではなかったから、小学校から、だな。」
律「記憶が曖昧だー…3年生、くらいなら覚えてるんだけど…。」
澪「2年生じゃなかったか?」
律「2年生…かも…あー、もういいやそれで。」
澪「適当だなー。」
私はちゃんと覚えてるのに、と言いかけて澪はやめた。
うん、ちゃんと覚えている。
 
2年生の夏休み。クラスでも割ともの静かで、あまり人と一緒にいるのを好まなかった自分のところにその招待状は届いたのだ。間違いなく覚えている。
『しょうたいじょう 21にちはわたしのたんじょうびなので、あそびにきてください。』
招待状って、自分の誕生日を祝え、といって出す物だっけ?と首を傾げながらも、澪はお母さんにもらったプレゼントを抱えて律の家に向かった。
「あー!澪ちゃんきてくれたんだー!わー!ねえお母さん、澪ちゃんきたよー!」
キャッキャと飛びまわる律は、いつもどおり。ほっとしつつ、自分はちょっとこのテンションにはついて行けないなあと子供ながらに思っていた。誰にでも話しかける律。人のプライベートゾーンに踏み込む律。
「あの、えと、これプレゼント…。」
「わー!あけていい?あけていい?あけていい?」
3回言った、とぼんやり思いながら、澪は跳ね回る律を見ていた。
「うん、いいよ。」
「わー!」
びりびり!と惜しげもなく包み紙を破る。中にはぬいぐるみが入っていた。
「わー!ありがとうー!わー!ありがとうー!」
2回言った、と澪はまたぼんやり見ていた。プレゼントも渡したし、他の人とわいわいやるのも苦手だし、もう帰りたいな…そんなこともぼんやり考えていた。こういう時なんて言えばいいんだろう。
「澪ちゃんありがとー!ありがとー!」
飛びまわっていた律が、ぐっと澪に顔を近づけてきた。
近い。ものすごく近い。鼻と鼻が触れそうだった。
こんなに顔を近づけてくる人は、今までいなかった。多分母親くらいだろう。
今までない体験に、他人が入り込んでくる感覚に、心臓が高鳴った。
近い状態で目と目が合い、二人とも無言になる。
この状態で何を話せばいいのだろう、自分から引いたら迷惑かな、このままずっと動けないのかな。頭がぐるぐる回る。永遠にこのまま見つめ合っているんじゃないかとすら感じた。
その瞬間、澪の唇に柔らかいものがぴたりと付いた。
キスだ。
何が起きたか分からなくて、澪は一瞬止まったが、顔が急に赤くなった。心臓がバクバク言った。
「え?え?」
「えへへー、ほらほら、あがってー!」
律は顔を離しながらニコニコと笑うと、澪の小さな手を握って玄関から家の中へと引き込んだ。
その後のことを、澪は覚えていない。
ただ今も忘れられないのは、律の唇は思った以上に柔らかくて困惑したこと、だけ。
 
澪はそっぽを向いた。顔が赤いのを見られたくなかったのだ。
律「澪?どしたのん?」
澪「な、なんでもない!なんでもないよばか律!」
律「ふーん。」
明らかに動揺していたが、どうにもならないのも分かっている。
澪「さ、さあ、帰るぞ!道も暗いしな!」
律「えー、まだこれから遊ぼうよー!」
何もあのときと変わっていない。何回も何回も誕生日を迎えたが、二人が誕生会の後一緒に帰り、一緒に遊ぶ習慣は何も変わっていない。
澪「でも、今年は遅くまで遊んでたし…。」
律「んー、まあちょっと遅かったよねー。それとも、もう帰りたい?」
澪「いや、それはその…。」
いやじゃない。けれどそれを言うのは今更ながら恥ずかしいじゃないか。なんで聞くんだよ、バカ律…。
律「えへへー。」
律はくるっと澪の前に回り込んだ。動揺していたとはいえ、不覚を取った!
街灯に照らされた澪の顔は、より一層赤くほてって見えた。
律「およ?」
律は澪の顔を見てぐっと近寄ってきた。
ものすごく、近い。鼻と鼻が触れていた。
澪「や、律っ、近っ!近い!」
律「へ?」
澪「顔、ちーかーいんだって!」
律「ふふ。」
むちゅ。
律の唇が澪の唇に吸い付いた。
澪「ぎゃー!」
律「ぎゃー!!」
二人は同時にばっと離れた。
澪「な、な、なんてことすんだ!」
律「へへーん、澪のファーストキッス奪い!…あれ?」
澪「お前ーーー。」
律「やべ、私のファーストキッスじゃん!ああああ!なんでこんなことに!返せ!」
澪「めちゃくちゃいうな!」
逃げる律。追う澪。
もっとも、ファーストキッスはこれじゃないんだけども。
体も心も、人間関係も成長しているけれど、二人でいる時間の楽しさは変わらない。
来年も、そして卒業してからも。
澪「待て!」
律「だったらうちまでおいでー!だ」
神様。
また来年の8月21日も、こうやって過ごせますように。
 

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ハッピーバースデイ、りっちゃん!
 
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