たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

先輩! マジインテル入ってますね! 「いんてる先輩」

人間は2つに分けられる。
インテルが入ってる人間と、入ってない人間だ(ババーン
 
で、いんてる先輩は、インテル入りすぎてると思います。
 
表紙買いというよりも「勘買い」に近いんですが、なーんかやばい匂いしたんですよこの本。
長門系の女の子が背負っている8bit……。
で、先輩でしょ。
まともなわけがない。
 
実際どんな先輩かでは見てみましょう。

……?!
えっ、あの、ん?
 
この作品一応ツッコミが主人公の高見沢君というキャラ。
まあギャグマンガ的には通常レベルのツッコミをしてはいるんですが、圧倒的にボケが激しすぎて追いつかないのです。
マサルさんのフーミンレベルのツッコミ力が必要かもしれませんが、フーミンでも追いつかないかもしれない。
 
どんなマンガか分からないと思いますが、ぼくもよくわかりません。
そもそも「いんてる先輩」がなんなのかが全く描かれません。
アホ毛で飛べる、色々なゲームソフトを読み込める等の特殊能力はあるけれども、基本的になにをどういう仕組みでなにしているのかが全くわからない。
いんてる先輩が野菜を切って電子レンジに入れて3分でチョコボールができるというあたりまでいくと、能力なのか何なのかわかりません。
あといんてる先輩しゃべりません。背負っている機械がしゃべります。一応本体はいんてる先輩の方……のはず。

なので、勝ったりします。
なにに?
「わからんから説明しろ!」と言われても困るのです。なぜなら主人公も全く分からないからです。
いやあ、ネタを出すだけだして放置しっぱなしというのは見事なもんです。
ようするにどういう話かというと、「いんてる先輩が意味のわからないことをして、周りはそれに慣れっこで、読者と主人公は超置いて行かれる」話です。
この置いていきっぷりが異常で、ほんっとに何が起きているのか分からない、むしろ「えっ、ページ間違ってない?」と思う回すらあるんです。
ある意味「いんてる先輩」というマンガの世界を外側から眺めた上でネタにしてしまっている。キャラすらもいきなり唐突に出てきて、いきなり唐突にいなくなります。それ自体がネタなんです。
この「うわー、……置いていかれた?」感は是非味わってみてほしいです。向こうの世界(いんてる先輩達)では成立してしまっているがゆえに、すっごい置いてけぼり感満載です。
 
でもそれだけではわけがわからないので、ベタなギャグもちゃんと入っています。

それは強いな……。
 
「置いてけぼり感」をネタにするマンガって、本当に置いてけぼりにしてしまうと面白くなくなってしまうのでバランスが非常に難しい。インテル入ってない状態。
ですが、ある程度わかる、けれど突っ込みようがない、くらいのバランスだと一気に面白くなります。
このピンポイントを、わかりやすいギャグ(突っ込みやすいギャグ)との組み合わせで「読者をほおりなげながらも、すくい上げている」という意味で、いんてる先輩はインテル入ってます。
読んだあとにインテル入るかというと、うーん、……どうかな。
 
にしても、「突っ込まないマンガ」は今の笑いの一つの流れになりつつあるんでしょうかね。
+チック姉さん」なんかはたたみかけることでむしろ昔のギャグマンガっぽいですし、「日常」は非日常を組み立てて「連想できないものゲーム」になっているのが面白いと思うのですが、この作品は突っ込みたいけど突っ込めなくて……おいてかれたー!が面白い作品です。