たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「TrueWorldへようこそ!」NHK6巻感想

N・H・Kにようこそ!」の6巻初回限定版を買ってきました。たまごまごです。そりゃもう、佐藤x山崎の作ったゲームがついてくるってんだから買うしかないっしょ。ちなみにみなみけ3巻の限定版は札幌では死滅していました。ぁーorz


4巻の特典フィギュアも並べてみたらなんだか切ない気分になったそんな11月のとある日。ああもう雪が降りそうだよパトラッシュ。
 
感想。

  • 話題のゲームの方


ギャルゲーについての造詣は深くないので自分の判断は素人なんですが、結構…いやかなりよい雰囲気だと思いました。背景もキャラ絵もものすごく凝ってるし。作ってるとこ、サーカスさんとのことで、そうかー、本物使ってるのかー。ちなみにしっかりサーカスのゲームの宣伝もROM内に同梱されていました。よいオマケ。
んで、「ゲームを買おう!」と思って買ったらダメだと思いました。エラい目にあいます。
逆に、「N・H・Kにようこそ!」マンガ版全巻と小説版を読んでいる人には最高に面白い。なんて書いたらいきなりハードル高いですがそうなんだもん。
滝本さんが佐藤くんになった気分で書き下ろしたそうで、滝本厨な自分にはツボ入りまくり。つまり新作ですよ!あのクドくて後ろ向きな文体が佐藤でもあり滝本さんでもあり、読んでてほんと鬱になります。最高!合わない人によっては最低。
ゲームも作中にあるように「未完成」な上に佐藤君「鬱」モードになるので、途中から狂いはじめます。

佐藤脳内モード。これは序の口。
3人ヒロインいるんですが、全員途中から佐藤モード(滝本モード)全開でグダグダ。文章を一通りきちんと読もうとすると、ぬかるんだ道を1km往復するくらい疲れる。

実際のとこ、これが二人の現実ってもんなんだ。
これ、ネタとして各地でかなりウケてますが、「バカなことやってるなーと笑い飛ばせる」か「自分もそういえば何も出来てない…と落ち込む」か、ものすごい踏み絵になると思いました。徹底的にダメ人間のために作られているのと、滝本文章のいやらしいまでの負のオーラで、一瞬負けそうになりました。
うん、笑ってすませられるといいよ、笑おう。
ちなみにエンディングの曲が異常にかっこいいです。あと、2週目のほんとうのエンディングのスタッフロールは非常にステキ。あと、「表紙の子いないじゃん!」というのは突っ込んでおくのがお約束。うん。
 

  • マンガのほう

「もうそろそろネタ尽きたんじゃない?」なんていう声が各地で上がっているようですが、個人的には先輩夫婦の絶望感の描かれ方が尋常じゃないので、とても楽しめた&苦しめました。全員今までの巻のゆるさっぷりを反動に転げ落ちるように、しかも接点なくバラバラに落下していきます。
ある人は「痛いシーンの寄せ集めで何を描こうか行き先失ってるんじゃないの?」と言うかもしれません。
ある人は「痛いシーンの寄せ集めが一つでも心に引っかかれば、雪崩るように鬱体験できる」と言うかもしれません。
どっちも正解かなと思います。そろそろネタとして読んでいた人には卒業する時期なのかもしれません。イタくて見てられないって人にもススメられません。
しかし、どっぷり泥酔している人には「ドンペリ入りましたー!」というくらい極上の美酒。ああもう、イタイイタイいいながら何回読んだことか。
とりあえず、佐藤くんの堕落っぷりと、山崎のトラウマっぷりは、今回はあんまり心にこなかったです。いや、かなりイタイキャラなんだけど、岬ちゃんと先輩夫妻が「自力で解決できない」段階に突入してしまっていて、佐藤と山崎は「お前ら少し踏ん張れよ!」と思ってしまうからです。
まあ、踏ん張れないから、イタ面白いんですけどねこの子ら。

気がつけばイタさMAXで電波モードに突入した岬ちゃん。最初は「グミ・チョコレート・パイン」みたいな空気人間ですむかと思ったら、自力で「生活」のガケから飛び降りはじめる始末。この子も病気なんだろうなあ。佐藤くんも病気なのは親の認めるところなんだけど。

先輩はヤンデレかと思ったら、もう完全にヤンデルでした。薬もあいかわらずです。今は不倫に夢中なようです。ああもう、NHKで一番生生しくて救いがなくてイタいキャラは先輩だと思いますほんと。

そして、何も罪もない本当にいい人なのに、壊れてしまった精神科医のダンナ。精神科医のお医者さんは、患者に同情してはいけない、みたいな話を聞いたことがあります。それはまあ一説なんでしょうけど、知識と感情がぶつかって家でも医者でいなければいけなくなると、精神的に持たないのはわかるなあ。せめて医者じゃなければここまで苦悩しなかったのだろうけど。
岬ちゃんはものすごい大好きなキャラだけど、彼の精神を悪気なくぶっ壊したときには、本当に恐怖を感じました。
 
ああ、みんなに接点があって、グダグダでダメダメだけどそれなりに楽しんでいた時期が、夢のようです。6巻はイタいのに泥酔できる人だけにすすめたいなと思いました。
はい、こんな長文書いてるくらいです、泥酔してます。
 
今後、テンタテイメントマンガとしてのラインと、リアル描写マンガとしてのラインの合間をどうやって切り抜けていくのか気になる作品だな、と思ってます。
うん。ハッピーENDじゃないことを望んでしまう自分は、イタいなあと思いました。
でもいいの、それが心地よいから。