たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

消費される「百合」達。

マリみてOVA先行上映会ウラヤマシス!それにしても3巻以降のED「きれいな旋律」の作曲が元メガデスのギタリストのマーティ・フリードマンで作詞を原作者今野緒雪先生、ボーカルKOTOKOってなんだこりゃ。マリア様がメガデス。想像を絶しすぎて楽しみで鼻血がとまりません。

  • 百合を「消費」する。

はて、以前の「「百合的作品」群から見た少女幻想と、ネバーランド住人たち。」の記事に、ゴルゴ31さんがつけてくださったコメントが興味深かったので引用してみます。

消費される作品としては広義で捉えられることが多くなりました。

ははあ、「消費」かあ。
確かに百合「的」作品群の一部は、一部のBL作品のように消費されるために急増しているなあとこれを読んで改めて思いました。
 
ちょっと以前書いたものを引用します。

1「女の子しか出てこない、男性の妄想的百合作品」
2「温室のように保護された少女性を保つ百合作品」
3「豊かな人間性と広い視点の中で少女間の関係を描く百合作品」
4「少女同士の恋愛感情をリアルな主観で描く百合作品」

便宜的に1から4を数字を振りました。
関連・百合「的」作品をちょっと分類してみた。(上記の分け方とは別視点です。)
主に最近広義で捉えられる百合的作品で、かつ「消費」のために増産されているのは1、2だと思います。どちらかというとファンタジー寄りな作品ですネ。

まずちょっとこちらの記事が面白いので見てください。
「ごきげんよう、お姉さま」−秋葉原に男子禁制「萌え系」カフェエロチック街道より)
乙女のティールームSWEET TRIP

12月中旬、末広町交差点近くに女性専用「萌え系」カフェ「乙女のティールーム スウィートトリップ」がオープンする。同店は男子禁制で「ごきげんよう、お姉さま」をキャッチフレーズに掲げる。
(中略)
また、「男子禁制にも関わらず男性からの反響の大きさに驚いている。ゆくゆくは月1回、予約制で男性が入場可能なイベントの開催も行いたい」という。

ふにゃー。ごきげんようですか。お姉さまですかー。そーりゃ男性からの反響がでかいですわよお姉さま?
もっとも、自分もマリみて厨なのであんまり人のことは言えませんというか行きたいですハイ。どのくらい中毒かというと「”マリ”ポーサ」とか「”マリ”リン・マンソン」で反応するくらいだから末期です。
にしても。こういう記事を見ると、「やっぱりマリみての影響って、異常にでかいんだなー」と感じます。以前紹介した乙女喫茶*百合姫の花園はまだわかる感じでしたが、今回は直球できましたネー。池袋じゃないんだなあ。
マリみてファンとしてはこういう発展は面白いなあ、と思いますが、最初に述べた「消費」に費やされている気もしないでもなく、脳がオーバーヒートしそうです。とりあえず面白ければ是非レポートを聞きたいところです。
 
百合的作品、というよりもマリみて的作品」って多いと思います、大小合わせて。
普通のアニメ+エロ+マリみてパロディ=ストロベリー・パニック(TWILIGT TWINKLE STAR☆)エロチック街道より)
「百合」としては賛否両論な「ストパニ」。自分も最初は「マリみて至上主義」だったので食わず嫌いしてましたが、最近1から見始めてます。まだ途中なのでなんともいえないのですが、13話の「潮騒」でびっくりしたり納得したりしました。

「CO2排出量による地球温暖化は、常識だね?」(放映時セリフそのまま)
いや、あんたの口説き方が常識じゃないワ!地球温暖化から話が飛躍するなんて、ストパニと「よつばと!」の恵那くらいだと思いました。いや後者はちょっと違います。

マリア様がみてる」に対する「マリア様がみている」みたい
(TWILIGT TWINKLE STAR☆)

参考・「マリア様がみている」名場面集(注・AVです)
なるほどネー。
「どこからどこまでが百合か」とかは明分化する必要はないと思います。見た人それぞれが考えればいいことです。ただ、ストパニの描写が「BLを描く女性の考え方」のように、「百合を描く男性の考え方」であることは一つの観点になるなあと思いました。極端に「男性から見た女性観」をあらわした絵柄や性欲満々の少女達の姿も、そういう前提をおさえておくと視点を変えてみることができるかもしれません。展開がもともと「電撃G's magazine」の読者投票という特殊な形なので、あえて男性向けを意識して作っている百合、という前提もあり、かなり変化球なのかもしれません。
作品は生まれたときに何かと比較するものではないですが、この作品はどうしても「マリみて」無しには生まれなかった、「マリみて=百合」のイメージに手を伸ばした作品だなー考えてしまいます。模倣したシーンも多いですし。そういう意味では、「やおい」的に捉えようとした「百合」なのかもしれません。
さすがに最近は「マリみて至上主義」はちょっと恥じるべきだなあと思うくらい多くの良質百合的作品が増えたので、頭ごなしにストパニをなめてかかるのはヤメにしました。というか13話見て「こういう作品なのね」と理解したというか。「百合(っぽいの)をやろう!」という意気込みと、唐突な展開と、「さぁ飲み込んで僕のエクスカリバー」的な突拍子のなさが、非常にやおい的だなーと思うのですヨ。
このへんは全話見てからもう一回書きたいとこです。
 

  • 消費されるメディアとしての「百合」

一番最初にあげた、1から4の中身に戻ります。
1は特に女性にはあまり好かれない場合が多いかもしれません。2はビアン女性には嫌われがちで、ノンケな人には好かれる場合が多い気がします。逆に2が心底好きな男性は1をあまり好まないかもしれません。もちろん個人差あるので一概にはいえませんけどネ。
「百合」文化におけるレズビアンの位置ゴルゴ31より)

やおい」好きっていうのは、ビアンじゃなくっても、圧倒的に女子だけど、「百合」好きって男もいるじゃない? 比率でいうと男女比は1:1くらいなんですよ、たぶん。そのせいなのか「百合」の方は、女子が「わーっ」って集まる感じではなくて、なんかこう・・・まったり感(笑)? 「百合」がまったりしている原因なのかなーって、最近ね、感じてるかな。だからへたに「百合」を「やおい」化しなくてもいいかなっていう思いはある。一所懸命『百合姫』みたいな感じで、「やおい」と同じ道を歩ませようとしなくてもいいかなって感じはあるんだよね。
モア:それは、そうかもね。
小雪:「百合」は「百合」でまったり、ひっそりとね(笑)。
夏美:今までもひっそりだったんだもんね。
小雪:そう。ひっそり良いものを・・・って思う。

このエントリは「ビアンから見た百合」という感じの記事で興味深いです。内容を読むと分かるように何かが全体の流れ、というよりも「個々によって視点がかわる」という感じがします。と解釈しました。
ただ、「タクレズはマイノリティ」の意識はやはり強いんだなあと感じました。別にこだわる必要はないとは思うのですが、こういう意見を聞くとなんか納得もできるのです。

引け目に感じてるため、タクレズだけで集まっても、「実は『ボーイズ・ラブ』や『やおい』が大好きだなんて言えない・・・」って思ってる人がわりといたよ。

一般のオタク男女問わず見ても、こういう考えってあるんじゃないかなあ?と思いました。BLのように普及しきれてないので距離感がある、というべきでしょうか。
 
「百合」の「消耗品化」はそういう意味では非常に微妙な位置にあると思います。
上記のように「のんびりじっくり、ひっそり熟成してほしい」という人も多いと思いますが、そうすることで同時に「後ろめたさ」を感じてしまうのはもったいないとも感じます。
では逆になんでもかんでも「消耗品化」してしまってもいいのか?と言うと、それは反対。良作が埋もれ、なんでもかんでもドラゴンボール化してしまうような弊害があるのは非常に怖いです。また「とりあえず百合にしとけ」という感じで出版社によって乱造されていく「だけ」ならばそのうち誰も見向きもしなくなるでしょう。
 
んじゃ、ひっそり熟成させていこうか・・・と言いたいとこですが、「百合っぽいの好き!」な人の需要は満たされないかもしれませんし、一部の人が「あずまんが大王」などから百合に転んだように、どこが文化の広げ口になるか分かりません。
作り手側も「百合風味な作品でとりあえず楽しんで」というファーストフード的な作りの作品と、「私はこういう関係性をしっかり描きたい」というじっくり熟成型の作品に視点を定め、分かってきている時期なのかな?とも思います。それがよいか悪いかはわかりませんが、前者の作品が消費されつつあるなか、後者の良質な作品が増えているのも事実なので、よい方向なんじゃないかな?と思っています。
ちょっとズれてるかもしれませんが、同人活動が盛んで愛されている作品は、そこから間口が広がってファン層を広めていくような感覚なのかな、と思っています。特に百合という比較的「閉じた」空間の場合は。
 
BL市場のように広がりつつ、かつ熟成されていくのが一番理想なんですけど、そのへんも含めて今は、うにゅうにゅ動いている気がするので「百合的作品」の今後の動きは目が離せません!という言い訳で結構楽しんでますハイ。「心に残る」コトと、「楽しい」コト。どっちも味わえたら最高ヨ。一話で描かれるべき百合もあれば、長く終わらない作品として残ってほしい百合もあります。BL、いや、マンガ・小説全般に言えることでしょうけどネ。
はて、「百合作品」「百合的作品」の一端を担うものに「百合姫」「百合姉妹」などがあると思いますが、ちょっと考えるとこがあるので、別の機会にまとめてみます。