たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

その作品って何点つけるの?

●満点!満点!●

わたくし、何を隠そう実は「サナギさん」が大好きです。
点数をつけるなら100点です。
加えて、何を隠そう実は「マリア様がみてる」が大好きです。
点数をつけるなら100点です。
「んじゃどっちが上なの?」
ん、んー・・・。
 

●感動は数字にできない●

WEB拍手からこんな話題。

ものさしの話。僕は作家の真似事をしているので、メインのものさしは「自分」です。
自分に思いつかない展開を見ると素直に「おおっ」って思います。
そんな要領なので、自分の中でミステリー作家はほとんど敬意の対象になります。
あと、個人的な話なんですけど、僕は「点数評価」が苦手です。運動会で順位をつけたりするのには賛成なんですけど、創作物に対する感動などを数値化するのはどうもダメです。
あのとき感じたあの気持ちもあのとき憶えたあの不満も、数字にして一列に並べたら簡単に順位が決まってしまう。
結局「そんなもんなのか」と思ってしまいます。あたかも拝金主義のようで。お金自体は便利なものですし、否定はしませんけど。
それが、いまだにAmazonのレビューに参加できない理由です。長々と失礼しました。

関連記事・絶望先生の言う「ものさし」を自分は何本持っているのだろう?
コメント欄が面白いのでぜひ。
 
数字にしておく、というのは人間の便利な機能ですよね。とりあえず見て一発で分かるんですもの。
しかし感動ってそんな簡単に数字にできるものじゃあない。
自分が先ほどあげた「100点」は、そういう意味では評価ではないです。「どれだけ自分の好みに合っているか」
 

●点数分布●

たとえばある普通の人が読んだ本に点数をつけていったら、おそらく90点付近、50点付近、20点付近に集中すると思います。
そもそも50点以下の作品なんてそうそう買って読まないですし、40点と30点の差なんていちいち考えていられません。だから「面白い」「普通」「面白くない」の3点評価でもいいくらいかもしれません。
 
ゲームや映画だとこれに時間的要素(最後まで見ないと面白さがわからない)と金額が積み重なって、さらに点数は辛口と絶賛の両極化しそうです。
50点はそういう意味では「普通」。一番いい加減な点数かも。
 
自分みたいに客観的に読もうとすることを放棄しがちな人間が点数をつけると・・・
「(自分の好み×2)+読んだその時の感情+自分の知っている範囲の技術力」
ってつけるかも。みたいな感じ。適当です。
 

●点数と順位自体が重要ではないのだけど●

んじゃ「点数」が意味がないかというとそうではなく、意外と楽しめる要素だと自分は思っています。
どんなに知識量多い評論家でも、必ず個々で評価はかわってきます。それぞれのクセや好みがどうしてもあるからです。そのへんをおさえて参考にする場合の一番わかりやすい目安になります。
というのも時々、自分の好みとすげーかぶる人っているわけですよ。amazonのレビュアーさんなどでもよく見ると自分の買っているものと同じものばかり書いてる人がいたりします。そういう人のクセをわかりつつ、いい点数つけているのを見たら「あ、ちょっと買ってみようかな」という気にもなります。マンガの本ならしょせん数百円、時々失敗しても1作品でもばっちり面白いのに出会えたらもうけものです。それに、そういう人ならその点数つけた理由も必ず書き添えているでしょうし。
 
ネックとしては最初のコメントにもあったように、低い点ばかりつけていたり、発売してもいないものを満点ばかりつけていると、まったく役に立たなくなることかもしれません。なぜそういう数字なのかの理由がなかったらなおのこと。
 

●いっそ点数を楽しんでみる●

自分の好きな作品が低い点だと、がっかりします。さみしいです。そんな数字で簡単に書かないで、と思います。でも好きな作品が高い点だと、うれしいです。やったね!と思います。単純ですが。
ならば、作品の良し悪しなんて絶対数字にできるものではないんですが、「表現の一つ」として捕らえていっそ楽しんでみるのも手です。
点数はそもそも、自分と全く違う人生を送った人のものさし。しかも一発で見て分かる貴重なものさしです。自分と目盛りの幅も基準もぜんぜん違うわけです。
自分が好きな作品に低い点つけている人がいたら「あらら、ここが楽しいのに」と見ちゃおう。高い点つけている人がいたら「だよね!しかもそうやって楽しむのか!いいね!」とニヤニヤしちゃおう。
時には自分で「物語の出来」「技術」「エンターテイメント性」などをグラフみたいにして点数をつけてみることを繰り返すと、「自分のものさしってこういうものなのかな」と自己を客観視できる機会になります。
 
大事なのは、点数は別の人の視点が基準なのを忘れないこと、自分の基準にとらわれすぎないこと、なんでしょうね。いっそこの際、相手の基準も自分の「ものさしラインナップ」に加えちゃって視点を増やしたり、自分独自のものさしを磨きまくるのも楽しいかも。
絶対なんてない、数字になんてできない。だからこそ「自分はどう思った?」と問い直すチャンス!
 
まあ、デビルマン2点とかは逆に見たくなるんだなあ。そのへんがオタクっぽさというかひねくれ視線というか。
 
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漫画雑誌の「つまらなかった作品」というアンケートが苦手(やまなしなひび)
面白くない作品読むほど時間がない、というのももちろんですが、何よりそれによってどれか作品が切られるんじゃないか、それでその作家さんが苦しむのではないかと思うと悲しすぎて「つまらなかった」にチョイスできません。チキンなんですってば!
なのでいつもそこは空欄です。「つまらない」って、「面白い」より曖昧で難しいですネ。